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無名の魔法をかけて  作者: 灰色うさぎ88
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救えない悪役

今回はエドガーメインです。

※地表現あり

数日間、エドガーは迷っていた。

この紋章はどうしましょう。調べて分かったことは、この紋章は前の主の紋章であること(・・・・)が分かりました。

エドガーはじっと見つめる。


この紋章を見てると捨てられたあの日を思い出しました。最悪です。

―――あの時は、ただ主のために生きていた。忠誠を尽くすことが、あの時の私にとって生きる意味だった。突然、何の理由も告げられず、切り捨てられた。途方に暮れたあの時。路地をさまよい、寒さと孤独に震えた夜のことが、鮮明に蘇った。


「はぁ、どうしましょう」


……いっその事会いに行ってみますか。


わたくしはお嬢様に休暇をお願いした。お嬢様は驚いた顔で、珍し!彼女でも出来たの?まぁ、行ってらっしゃいと言われた。喧しいです。




私は決意を胸に、前の主の屋敷へ向かうことにした。調べても、昔と変わってないとは。

外はまだ朝の光が差し込み、街路には人々のざわめきが溢れている。


屋敷の門を前に立ち止まる。かつて慣れ親しんだ場所だが、今の自分にとっては緊張の場でしかない。


「……行くしかない」


門をくぐると、かつての使用人たちが不思議そうにこちらを見た。顔は覚えているはずだが、今の私を認識できるかどうかは分からない。それでも足を止めず、奥へと進む。


広間の扉を前に立つと、胸の奥が張り裂けそうな緊張に包まれる。ゆっくりとノックすると、奥から重い足音が響き、扉が開いた。


そこに立っていたのは、かつての主。目が合った瞬間、時が止まったように感じた。

広間は重く、沈黙が二人を包む。


「……この紋章、あなたの物ですね」


主は鼻で笑った。

「……あら、そうなの? で、だから何かしら?」

軽く顎を上げ、見下すような冷たい眼差し。


私は拳を握りしめ、震える声を抑えながら問いかける。

「なぜ、私を……捨てたのですか」


主は肩をすくめ、あくびをするように軽くため息をつく。

「飽きた、それだけよ」

冷たい笑みを浮かべ、全く感情を宿していない目で私を見つめる。


その言葉に、胸の奥で抑えていた怒りが一気に燃え上がる。紋章を握る手に力を込め、視線を外さない。


私は一歩前に踏み出す。声には震えはない。怒りと軽蔑が混ざった冷たい響き。

「私の忠誠も、命も、誇りも……あなたにとっては何の価値もなかったのですか」


女性の主は鼻で笑い、軽く肩を揺らす。

「価値? そんなもの、最初からなかったのよ。使えればいい、飽きれば捨てる。それが私のやり方」


私の目がさらに鋭さを増す。胸の奥の怒りはもはや抑えきれず、言葉の一つひとつに力を込める。

「……使えればいい、飽きれば捨てる? そんな身勝手で卑劣な理由で、私を切り捨てたのですか」


「……本当に厚かましいのね」

軽く笑ったように見せるが、その瞳の奥には少しだけ警戒が宿る。


「厚かましいのは、あなたの方です。私の忠誠を踏みにじり、命も誇りも弄んだあなたの方」

言葉が静かに広間に響く。声は冷たく、しかし一歩も引かない。


女性の主の肩がわずかに震え、息を吐く。普段なら軽くあしらうだけの態度で済ませるところだが、別物だ。


「……ふふ、まさかこんなに怒ってるなんて、面白いじゃない」

その笑いには、ほんの少し苛立ちと動揺が混ざっていた。

「でも、あんた……私の手元から離れられないんでしょう?

もう1回執事にしてあげようか?」



彼女の手が上がり、炎の玉が掌から生まれた。宙を舞う火球は、間合いに迫る威圧となり、私の胸を押しつける。



「――くっ!」

胸の奥で怒りが燃える。指先は微かに光を帯びるが、魔法はまだ詠唱中で使えない。私はただ紋章を握る手に力を込め、視線で応戦するしかない。


その瞬間、広間の空気が鋭く変わった。低く、冷ややかな声が響く。


「……私の執事になんの用?」


ルナティナが一歩踏み込むだけで、火球は空中で弾かれ、

主の動きは一瞬止まった。彼女は驚き、焦った目でルナティナを見る。


「なっ……!」

女性主が火球を連続で放つも、ルナティナは微動だにせず、指先ひとつで炎を制御。火球は跳ね返され、床に散らばった火花は静かに消える。


私は横で息を潜めながら見守る。


「……どうする?自分の手?」

ルナティナの冷静な声が広間に響く。女性主は膝をつき、完全に動きを封じられたまま、もはや挑発すらできない。


女性主は膝をつき、額に汗を浮かべながら、必死に視線を逸らそうとしていた。火の力も、挑発の言葉も、今は何の役にも立たない。


一歩前に進み、冷静に彼女を見下ろす。

「……はい」


女性主はわずかに顔を上げ、まだ意地を張ろうとしたが、瞳の奥に恐怖が見え隠れする。


「私にとって、あなたはただの過去です。忠誠も、命も、誇りも……あなたの手で踏みにじられました。ですが、もう私には居ますので」


膝をついた主の目が完全に泳ぐ。

私は紋章を軽く握り締め、指先の微かな震えを感じながら、最後の言葉を告げた。

「これ以上、私に関わる権利はありません。あなたは、もう終わりです」


ルナティナが横で静かに頷く。女性主は膝をついたまま、完全に降伏した。挑発の笑いも、傲慢な態度も消え、ただ圧倒されるしかない。


私はその場に立ち尽くし、過去の屈辱を心に刻みつつも、今の私の力を示した。広間に残こったのは、動かない前の主の姿だけだった。


ここまで読んでくださりありがとうございます。


夏休みの課題終わってませんが書いちゃいました。

解説ありません。

何処かの後書きにある設定を使いました。覚えてたら凄い!変更点?がありまして、わたくしを私と漢字に変換しました。読みにくい。あとイメージが定着してきたと思うので、変えました。

救えない悪役とは前の主ですね。こんなに性格が…………

のキャラ。

以上!後書きでした。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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