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愛サレ妻  作者: けい
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エピローグ


 ほとんど利用はしていないくせに相手の情報を見るためだけに使っていたSNSのアプリに、通知が入る。

 このところ頻繁に、複数のアカウントから同じ内容のメッセージがきていた。

『あなたの夫、不倫してますよ』

 送信者のアカウントには覚えがなく、使われているアイコンも海や川といった自然の写真で、相手の性別も年齢もわからない。

 そのメッセージには短いその言葉と共に、複数の写真が添付されていた。

 知らない女とレストランで食事をしている写真。知らない女と車に乗り込む写真。夫が親友だと言っている男と手を繋いで歩いている写真。

 そんなこと、私はとっくに知っているというのに。

 



 あなたが望んでいる“存在”を、私は与えることができる。

 だから私はこれからも、あなたの妻で居続ける。


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