1544年(天文13年)4月18日午後14時~、立花家に救いの神現れる!
早朝に江戸太田家の当主が亡くなり、政変が起きました。政変の首謀者は亡くなった太田資高の弟、資義でした。
彼は兄の方針で立花家と手を結ぶ事に反対していました。
古河公方軍の高城胤春に情報を流し、鎌ヶ谷城の戦い、馬込の戦いで太田勢敗退の原因を作りました。戦闘中の兄、資高に重傷を負わせたのは彼の手勢の仕業です。重傷の兄を手に掛けたのも資義の仕業でした。
1544年(天文13年)4月18日14時~
─松戸城、松千代、新納忠義、本多広孝─
えーっ?松千代様?何故こちらに?
新納?お主?殿に無断で?
はーい、広叔父、大神様がね、おおたの殿様ころされたら、裏切るおじさんいるから、お爺がかこまれてあぶなーいから、たすけにいきなさーい!ってゆーから、にいろの叔父さんにお願いしてお爺をたすけにきたんだよぉ!
はぁ?大國魂神社の大神様のお告げでございますか?
新納?お告げがらあったから松千代様を連れて松戸城まで来たのか?
はい、左様にございます。
夢のお告げで?府中から出立したのは?
はい、16日早朝に出立しました。
すると?殿様が増援部隊を呼ぶ前に府中から出立したのか?
はい、殿様が出立した翌日に松千代様が大神様の夢のお告げのお話をされまして、留守居役の瀬沼様に手配して頂きました。
瀬沼も同意したのか?
それにしても松千代様をお連れするなど、殿様がお怒りになるぞ!
あのねぇ、お爺ぃー助けるためだから、松千代が連れてって!おねがいしたから!にいろ叔父さんわるくないの!松千代がわるいから!
松千代がお爺にあやまるからおこらないでー!
松千代様、わかりました。
お爺様にお知らせして参ります。
新納!大神様のお告げがなければ我らは退路を断たれた状況で戦い、破れたかもしれぬ!
退路、補給路の確保が出来た!
これで古河公方本隊が現れても大丈夫だ!
─その後、松戸城の後始末を任された本多広孝の判断で江戸太田勢3000は宿老、宇田川勝長が率いる事にしました。
江戸太田勢に全焼した鎌ヶ谷城に陣地を築き、周辺一帯を支配地域にする様に命じました。
鎌ヶ谷城は先日の戦いで全焼しましたが、交通の要衝です。
今まで戦場の中心から外れていたので、両軍とも確保していない地域になりました。
本多広孝の想定では、高城胤春も鎌ヶ谷城の価値を理解して鎌ヶ谷城の確保を狙い、争奪戦になると見込んでいます。消耗して構わない江戸太田勢を利用して高城勢を消耗させる目論見がありました。
本多広孝は松戸城に畠山勢から抜いた1000を配置して江戸川の渡河地点、糧道の確保を任せました。
太田家の反乱の首謀者、太田資義は本多広孝の取り調べに対して正直に供述しました。
1月に品川城、品川湊を巡り、古河公方家の誘いを断り、兄、太田資高が立花家と同盟を組んだ時から反目して古河公方派の家臣達と機会を狙っていた事、敵方の高城胤春と内通していた事を語りました。
兄、太田資高の殺害も認めました。
本多広孝は太田資義と反乱に参加した重役三名を松戸城に監禁しました。
本多広孝は大野城周辺に新納勢10000、畠山勢7000を配置しました。
立花義秀に報告する為、松千代、新納忠義を連れて本多勢200騎が西船橋城に向かいます。
先触れに本多広孝の使番が急報を告げました。
松戸城を攻略したのは大國魂神社の大神様のお告げで18000の軍勢を率いた松千代と報告しました。
─西船橋城、立花義秀、鹿島政家
何ぃー!?松千代が府中から軍勢を率いて来たぁー??
だはははは!
がはははは!
あり得ない事をやり遂げおった!
松戸城を攻略しおった!
殿??松千代様が??
だははは!
松千代は未だ3歳と11ヶ月だぞ!
殿?
大神様のお告げで又も、松千代様に救われましたな?(笑)
西船橋城の将兵が松戸城を攻略したのは松千代だと知ると大いに盛り上がりました。
やがて、西船橋に近づく松千代達の200騎が現れると西船橋城の将兵6000が鬨の声を挙げて歓迎します。
エイ!エイ!おぉーおー!
エイ!エイ!おぉーおー!
エイ!エイ!おぉーおー!
エイ!エイ!おぉーおー!
太鼓が響きます。
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!ニッポン!
おぉーおー!
にぃーぃーっぽぉーぉーん!
にぃーぃーっぽぉーぉーん!
にぃーぃーっぽぉーぉーん!
にぃーぃーっぽぉーぉーん!
ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!
おぉーおー!
にぃーぃーっぽぉーぉーん!
にぃーぃーっぽぉーぉーん!
にぃーぃーっぽぉーぉーん!
にぃーぃーっぽぉーぉーん!
ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!
応援歌で松千代達200騎を歓迎します。
ダダダン!たちばな!
ダダダン!たちばな!
ダダダン!たちばな!
ダダダン!たちばな!
ダダダン!まつちよ!
ダダダン!まつちよ!
ダダダン!まつちよ!
ダダダン!まつちよ!
大歓声と拍手に迎えられて入城しました。
─立花義秀、鹿島政家、松千代、
松千代が駆け寄ります。
お爺ぃー!来たよー!
松千代ぉー!
─抱きしめながら涙が出てる義秀
お爺ぃー!
助けに来たよー!
もうだいじょーぶだょー!
松千代ぉー!凄いじゃないか?
松戸城を攻略したもんなぁー!
だははは!凄い孫だなー!
あのねぇ、大神様がぁ、お爺ぃ助けにいきなさーいだって!
だからね、新納のおじさんにおねがいしたの!それから、瀬沼のおじさんにおねがいしたの!
だから、ふたりはわるくないの!
ぜんぶ松千代がわるいから!
ふたりのこと、おこらないでー!
だははは!
参ったー!
わかったー!怒らないから!
だはははは!松千代は最高の孫だ!
─松千代は美人侍女達に預け、立花義秀、鹿島政家の二人は新納忠義からの報告を聞きました。
進軍する道筋は松千代の指示で新納勢と畠山勢は別行動を取りました。
新納勢は石神井城付近から川越の扇谷上杉家の領地、練馬から侵入して板橋を抜け、味方の岩槻太田家の領地三郷から江戸川を渡り、松戸城に向かいました。
畠山勢は品川街道を進み、品川城経由、松千代の指示で江戸城に立ち寄り、太田資高の嫡男景資、次男康資の警護に軍勢2000を残して松戸城へ向かい、松戸の渡河地点が封じられてる所を松千代の指示で三郷に北上して渡河して松戸城で合流した事、松千代の指示で松戸城を無血開城になった事などスラスラと説明しました。
─立花義秀、鹿島政家─
殿?
松千代様は特殊な能力に恵まれてる様ですな?
(笑)
あぁ、大國魂神社の大神様が愛でるほどだよなぁ、夢のお告げを新納忠義に説明して、瀬沼寿勝を動かした手腕が凄いじゃないか?
(笑)
はい、それで3歳の総大将が総勢2万の大軍を率いて、江戸太田家の嫡男、次男の暗殺を未然に防ぎ、松戸城を無血開城で攻略しました!
大人を手玉に転がしておりますな?
(笑)
だははは!
将来が楽しみだな?
殿?
そろそろ明日以降の策を考えましょう。軍勢の再編成が必要になりました。早ければ明日にも古河公方本隊が到着します!
そうだな、取りかかるとするか!
─夏見城、高城胤春、馬込和治
松戸城が陥落、内通した太田資義が捕らわれたと知らせが入りました。
殿!
立花軍の援軍が現れ、松戸城が落ちました!太田家は頼りにならなくなりました!
がぁー!ちきしょー!
悔しいが半日で形勢が逆転じゃないか?
立花軍の退路を遮断したはずが、余りにも悔しいー!
─その後、太田勢は宿老の宇田川勝長が率いる事になり、鎌ヶ谷城に向かったと判明しました。
ヤバいぞ!
鎌ヶ谷城まで手が回らなかったが、敵に取られたら不味いぞ!
殿!
一番近い金杉城の宇都宮勢に攻撃させますか?
そうだな、宇都宮勢と本日到着した大掾勢に頼むとするか!
はい、それでは手配いたします!
─鎌ヶ谷城は5日前の戦いで城主宮城定政が高城勢に利用させない為に全焼させたままに、なっています。
交通の要衝にあり、防御力は低下しましたが、陣地には使える状態です。古河公方軍としては本隊が古河に帰る場合、岩槻方面に向かう場合にも行軍に使いたい街道です。
高城胤春の領地、柏城や小金城方面を分断出来る場所に存在します。
兵力に余裕があるなら是非、確保したい要衝です。
胤春は放置していた事を後悔しました。
鎌ヶ谷城では太田勢3000が
陣地を構えました。
急に決まった事なので陣地には急拵えの備えしか作れません。
城に残された板や棒の類いをかき集めて敵の侵入を想定した場所に柵らしき障害物を配置しました。
周囲浅い穴を幾つも掘り、木の枝、低木を引き抜き、陣地の周囲、道路に撒き散らしました。
日没前に金杉城から宇都宮勢3400が現れました。
道路に撒かれた障害物に足を取られながら鎌ヶ谷城の南から接近しました。
太田勢は弓と石やガラクタを投げて足元を取られながら接近する宇都宮勢に対抗しました。
続いて鎌ヶ谷城の東から大掾勢2000が近づきました。
南の宇都宮勢に気を取られ、太田勢は手一杯でした。
東に兵力を回しますが、大掾勢が少しずつ陣地内部に侵入します。
その時、鎌ヶ谷城の危機を知った畠山勢の先鋒部隊2000が宇都宮勢の背後から攻撃しました。
不意打ちを喰らい、宇都宮勢が崩れました。
背後では後方から畠山勢の5000の軍勢が声を挙げます。
エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!
離れた距離から行進する軍勢が声を挙げて行進する様子は宇都宮勢と大掾勢の恐怖を煽りました。
日没が迫り、闇夜になるのを回避して宇都宮勢、大掾勢が退却しました。
畠山勢は追撃を早めに切り上げると松明を掲げ、鬨の声を挙げて勝利を強調しました。
鎌ヶ谷城陣地はなんとか守りきりました。
早朝から日没までの間に古河公方軍の優勢から展開が代わり、立花軍の有利な状況で終わりました。
明日の流れはどーなるんでしょうか?
松千代の貢献が目立つ1日になりました。




