1544年(天文13年)4月14日、江戸太田家、東松戸城周辺の戦い、岩槻太田家、岩槻城周辺の戦いは主役の古河公方、足利晴氏不在のまま進みます。
古河公方、足利晴氏が下総、小弓城周辺で二日目の決戦をしてる頃、古河公方軍の戦場は岩槻太田家の本拠地、岩槻城周辺と江戸太田家の東端の領地、東松戸城周辺に展開しています。
どちらも古河公方軍の優勢ですが、立花家の援軍が到着しました。
立花家の援軍の動き次第で状況が変化します。
流れが変わる気配がありました。
1544年(天文13年)4月14日~
古河公方軍、岩槻方面軍に進展がありました。
江戸太田家の松代城が10日に野田勢に攻略されました。
野田勢は春日部城に向かい、一色勢と協力して13日、春日部城を攻略しました。
翌14日早朝、野田勢と一色勢は蓮田城に向かい、移動を開始しました。
昼過ぎには蓮田城に18000の軍勢が集結します。
4月14日午前10時頃、蓮田城は内応者の導きで落城しました。
岩槻太田家の本拠地、岩槻城を守る要の宮代城、春日部城、蓮田城の3つが攻略されました。
古河公方軍配置
蓮田城→山内上杉憲正勢8000
野田勢5000、
一色勢5000
合計18000
立花軍配置
岩槻城→太田資正勢5000
東大宮城→立花義國勢12000
大宮城→佐伯勝長勢8000
合計25000
敵?味方?旗色不鮮明
扇谷上杉軍配置
川越城→扇谷上杉朝定勢5000
上尾城→上田朝直勢2000
合計7000
──扇谷上杉家は古河公方、足利晴氏から再三援軍を要請されています。
立花家との和議協定を優先するか?古河公方に援軍を出すべきか?迷走中です。
上杉朝定の決断で状況は大きく変わります。
扇谷上杉軍が古河公方軍に参加すれば古河公方軍25000、立花、太田連合軍25000と同数になり、互角の状況になります。
中立すると立花、太田連合軍が有利になります。
──東大宮城、立花義國、立花将広──
午前中に蓮田城の落城が判明しました。
前日に春日部城が落城、古河公方軍優勢が続いています。
義國、岩槻太田家は3つ大事な城を失った。
総大将の古河公方、足利晴氏は留守ながら、敵勢は合計18000!
義國、お前の指揮下に25000が動く!
次期立花家当主として堂々の戦いで勝つ事が大事になるぞ!
はい!叔父上、肝に命じております!
義國、古河公方、足利晴氏が川越の扇谷上杉朝定に再三援軍を命じたらしいが、なかなか動かぬ。
立花家との和議を守りたい様だが、敵だと考えておけ!
敵に回る時には必ず我が軍の背後を狙うだろう。
こんな時に味方や、中立として考えてはならん!
必ず敵と見て対処を忘れてはならんぞ!
はい!
叔父上!上杉朝定に揺さぶりを掛けましょう!
川越城に問い質しの書状を送ります。
敵対するなら大宮城の佐伯勢8000が川越城を目指し、国境の平林寺城(新座)、清瀬城、八国山城(東村山)、山口城(所沢)、宮寺城(入間)から軍勢を差し向ける!
そんな感じの書状は如何でしょう?
良いだろう。味方に付く事はなかろうが、中立に追い込めれば良いからな。
はい!叔父上!
では書状を出す事に致します。
書き終えたら確認をお願い致します。
よかろう。
さて、これから注目する事は山内上杉憲政の軍勢と古河公方配下、野田弘明勢5000と一色直頼勢5000がどんな動きをするのか?
見極めなきゃならんぞ。
───山内上杉憲政の指示で古河公方配下の野田勢、一色勢が従うのか?
対等な立花で行動するのか?
微妙な事ですが、結束力が問われます。
───江戸太田領、東松戸城方面
古河公方軍配置
夏見城→高城胤春勢8000
小金城→宇都宮勢2000、結城勢2000
合計12000
立花軍配置
東松戸城→太田資高勢4000
東松戸城→加賀美利久勢1700
東松戸城→本多広孝勢4000
松戸城→立花義秀12000
合計19700
──早朝の松戸城、立花義秀、鹿島政家──
前日、4月13日、岩槻太田家の春日部城の落城が判明しました。
小弓公方軍は小弓城周辺で古河公方軍と戦い、引き分けたとの報告が有りました。
政家、岩槻太田を攻める古河公方軍はなかなか元気な様だな?
山内上杉憲政の軍勢が4月7日に蓮田城の包囲をしてから順調じゃないか?
はい、どうやら新しく就任した筆頭宿老の長尾憲長、凄腕の噂があります。
古河公方、足利晴氏を後ろ楯に強引に宿老達を従え、実力者、長野業政を失脚させております。
なかなかの切れ者かもしれませんな?
そうか、まぁ、泥酔軍師、将広(弟、立花将広)が居るから大丈夫だろう。
さて、昨日鎌ヶ谷城を失い、負けた太田勢の様子はどうだ?
はい、
総勢5000から死傷者1000を出しました。肉体的疲労と士気の回復にあと2日必要かと思われます。
わかった!旨い飯と酒を呑ませて元気付けろ!
それから今後の作戦に邪魔な城が有る!
東松戸城の南に1里弱(3キロ)の大野城だ。
伊集院忠久を主将に畠山忠國、お前の嫡男、鹿島政勝の6000で攻撃せよ!
まず、東に逃げ道を開けて包囲して様子を見る!
降伏を勧告して、ダメなら攻撃だ!
高城勢が後詰めするなら我らが出撃して叩けば良いからな。
はい、手配致します!
──松戸城から大野城は8キロの距離でした。
伊集院忠久率いる6000が大野城に向かいました。正午には到着、東を開けて、北、西、南を包囲して降伏を勧告しました。
城主は降伏を拒否、2時間の戦闘が行われ、陥落しました。
──松戸城、立花義秀、鹿島政家──
政家、高城勢は大野城の後詰めに来なかったな?
どう見る?
はい、鎌ヶ谷城が健在なら状況が変わったでしょう。昨日、太田資高殿が鎌ヶ谷城主に退避する様に命じましたが、城主の宮城定政が殿になり、高城勢を引き付け、城に火を着けて全焼、宮城定政は殉職しました。
武器、兵糧も消失して防御力が大きく低下しました。鎌ヶ谷城が健在ならここを起点に後詰めに来たでしょう。
これからは小金城の宇都宮、結城勢4000と合流を図ると思われます。
明日は大野城の南、1里強(5キロ)の小栗原城を攻略するのが肝要と思われます!
政家、高城領の西の端になるな?
敵勢も士気に関わるから明日は後詰めに来るかもしれんな?
明日の戦いで、高城胤春の器量を図れるだろう。
はい、太田資高殿に勝利した作戦は見事な物でした。油断無く参りましょう。
古河公方軍の優勢な戦いは続いてましたが、ついに初めて城を奪われました。
立花家当主、立花義秀と古河公方軍の曲者、高城胤春との戦いが始まりました。
ここから立花軍の逆襲が始まるのでしょうか?




