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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1544年(天文13年)4月14日~古河公方、足利晴氏の想いと小弓公方、足利義明の想いが交差します。各々に正義と信じる道を目指して戦いが続きます。

古河公方、足利晴氏の目指す正義は公方を詐称している古河公方、足利義明を征伐してこの世から小弓公方家を消し去る事です。


小弓公方の正義は前、古河公方、兄の足利高基の死に伴い、相続問題で揉めた事にありました。

足利義明の視界からは古河公方の大任を担うに最も相応しい親族は弟の自分だと思いました。


しかし、相続したのは自分より遥かに血筋が縁遠い養子の晴氏が継ぐ事になりました。

遊び好きの軽薄な若君と評価されてる人物が大役の相続者になりました。


その時から9年間、足利義明は打倒足利晴氏に燃えて戦い続けました。


今が互いに最大のチャンスになりました。

戦いはさらに激しく、熱くなります。









1544年(天文13年)4月14日~


古河公方、足利晴氏の軍勢が罵倒部隊に挑発されて小弓公方、足利義明の陣地に攻め込みました。

待ち構える足利義明の軍勢が晴氏の軍勢4000を削ります。隊列が乱れたままの攻撃は効果が少なく、弓矢の雨に晒され、長槍に頭を叩かれます。


後方に下がり、再編成を試みますが、西から楢島勢2500が腹背を攻撃しました。長く伸びた隊列の横から背後に廻り込まれ、前から足利義明の軍勢に挟まれ、混乱するばかりでした。


その時、簗田高助の軍勢2000が救援に現れました。楢島正臣は当然支援する部隊が来るのを想定していました。

楢島勢の1000が右下がりの隊列を構えて簗田勢に弓矢の雨を降らせます。簗田勢を右手側に受け流し、足利義明の陣地の方向に寄せました。

簗田勢の勢いを流した隙に残る楢島勢1500が西側に引きました。


それに合わせて1000の部隊も西側に下がり、楢島勢がひとつに纏まり、簗田勢を引き付けました。楢島勢2500と簗田勢2000が楢島勢に少しずつ西側へ引き込まれます。


楢島勢は故意に少しずつ西側へ簗田勢を引き込みます。時間を掛けて西へ誘います。

誘い出しに成功すれば、小弓城に隠した正木時茂の軍勢2700が足利晴氏の本陣に向かう道を空けさせる事が出来ます。


簗田高助は楢島勢を撃退すれば、小弓城の南に廻り、足利義明の本陣の裏側から攻撃出来ます。

簗田高助の希望が叶うか?否か?

高助の心臓がバクバク、ドキドキしてる状況です。



───鎌取城周辺の戦況──


千葉勢は鎌取城前の一色勢は北側の守備が固く、小さな柵に意外な防御力が有る事に気がつきました。そこで、北側に2000の軍勢を残し、攻撃せず牽制させます。一色勢の陣地の東側に2000を廻して攻撃を開始しました。東側の柵は少なく、北側に比べて防御力が弱い事が判明しました。そこで西側からも2000を廻して攻撃します。西側も柵が少なく、北側に比べて攻撃しやすいと判断しました。



一色勢は北側に1000を残し、東に1000を廻して守ります。西側にも1000を廻して守ります。柵が少ない分、30センチ程の穴を多数掘りました。雑草を束ねて輪を作り、足が絡まる様に仕掛けました。

砂利、石礫、投げる武器なら多数用意しています。北側に比べて進撃速度は早くなりましたが、

東側、西側共、千葉勢に弓矢の雨、石礫の攻撃が容赦無く当たります。苦戦が続きました。


千葉勢は一色勢の先に有る鎌取城の東側に一色勢の備えが無い事に気がつきました。


千葉勢に比べて一色勢の兵力は半分以下ですから仕方がありません。

千葉勢は軍勢2000を酒井勝春に託して鎌取城の東側から迫りました。


一色勢は千葉勢の動きを察知しました。

真里谷信応が1000を率いて鎌取城の東に駆けつけました。


酒井勝春は冷静に判断しました。

弟、義勝に500を与えて鎌取城の南側に向かわせました。


その姿を見つめる真里谷信応、今すぐ鎌取城の南に兵力を分けるのか?

判断力が試されます。

兵力300を側近に任せて酒井義勝の軍勢に向かわせました。


真里谷信応は鎌取城の東門前に700の軍勢で酒井勝春勢1500と数分の睨み合いになりました。


───酒井勝春


これより、目の前の敵勢を突破して鎌取城を攻略する!鎌取城に潜む足利義純を生捕りにするのが目的だ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

1500の軍勢が声を揃えて戦場に響きます。

酒井勝春勢に気合いが入りました。

兵力で上回り、精神的にも優位になりました。

堂々と前進します。互いの距離が縮まり、

戦いが始まりました。


──真里谷信応


ヘタレ公方軍に鉄槌を喰らわすぞぉー!

声を出せぇー!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

気持ちを奮い立たせて気合いを張りました。


兵力半数以下の真里谷信応の軍勢は弓に頼り、離れた場所から次々に酒井勢の先頭集団を倒しますが、酒井勢は大きく南側に回り込み、包囲します。左右から騎馬兵20騎が矢を放ち、移動しながら信応の軍勢を攻撃します。20騎が一塊となり、4隊の騎馬隊が真里谷勢を苦しめました。


次第に包囲の輪が縮まり、酒井勢が兵力の数で圧倒しました。鎌取城の東門前に押し込まれ、ここが突破されたら城内に酒井勢が殺到します。


建て直し出来ず、酒井勢を止められません。

鎌取城の守備隊も決断を迫られます。

劣勢の真里谷勢が死守する東門を開けて真里谷勢を収容するのか?開けてしまうと酒井勢が侵入する可能性が高い状況です。

門を閉めたままなら真里谷勢が全滅します。


そこに先ほど鎌取城の南側に向かった酒井義勝の軍勢500が真里谷信応が送った300の軍勢を粉砕して戻りました。

酒井勢2000→真里谷勢700

3倍に近い兵力差になりました。


酒井勢が真里谷勢を兵力の差を生かして圧倒します。東門前に押し込まれ、流れが止まりません。



──鎌取城内、足利義純、側近、安西直政

病床の義純、体内に毒の影響が残り安静中


直政?外が騒がしいな?

敵勢が城攻めしてるのか?

負けそうなのか?


御曹司様、一色正義殿が千葉勢を撃退して奮闘中です。現在、鎌取城の東門前に敵勢が迫り真里谷信応殿が門前にて奮闘中です!


直政?

一色正義、真里谷信応、二人は鎌取城を囮に使わず、俺を守ろうとしたな?


はい、その通りで御座います。


馬鹿な奴らめ、難しい方の戦いを選んだな?

直政?苦戦中なんだな?

一番危うい場所はどこだ?


はい、鎌取城、東門です。


着替えるぞ!

用意しろ!


──側近が止めますが、フラフラしながら立ち上がり、甲冑を付けるのは無理があります。狩猟時の軍装に着替え、屈強な兵士に抱えられて東門に向かいました。


鎌取城の守備隊は総勢500名です。東西南北に100名づつ配置、

予備隊が100名待機しています。


義純が東門に向かうと聞いた予備隊100名が追いかけます。

足利義純と200名が東門に揃いました。


──足利義純、安西直政


直政、

この戦いでお前が生き延びたら、教訓として覚えておくのだ。


一色正義と真里谷信応は俺を守る為に鎌取城の前に布陣したのは解る。しかし、敵勢の半分の兵力ならば、鎌取城の両脇又は後方に布陣すべきなのだ。


鎌取城に出来るだけ敵勢を引き寄せ、叩けば良いのだ。

前に出ると鎌取城の東、西、南が手薄になる。間も無く敵勢は東だけで無く、西と南が手薄なのに気付くはずだ。


これが最後の戦いになるだろう。

最後に信応のぶまさに声をかけねばならん。

東門を開けろ。

真里谷勢を収容する。


義純は苦しそうに息を切らせながら語りました。


鎌取城の東門が開きました。

城兵に導かれ、真里谷勢が収容されますが、酒井勢が逃さず、東門から侵入を計ります。


──酒井勝春、酒井義勝、


義勝、本隊に使番を出せ!

鎌取城の東門に侵入中!南側も手薄也!恐らく西側も手薄也!

この3つを伝えろ!


はい!兄上、手配致します!




──足利義純、真里谷信応




御曹司!申し訳ございません!


信応、気にするな!

これも天命だ、死ぬも生きるも、精一杯やれる限りの事をやるだけだ!

生き残ったら、お前と朝まで酒を呑むぞ!

まだ、俺達には夢があるから、諦めるなょ?


─それだけ語ると精根を使い果たし

、意識が遠退きます。無理に動いた為、しゃべるだけでも消耗してしまいました。


御曹司ぃー!!

すぐに奥へ運べ!

御曹司ぃー!

周りは大騒ぎになりました。


信応が叫びます。

御曹司の為に戦うぞぉー!


うぉぉー!

周りの兵士が声を挙げます。


御曹司の為に戦うぞぉー!

うぉぉー!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!


周囲の兵士達が声を挙げ、気力を奮い立たせます。

劣勢だった東門の乱戦は城兵達が気力を振り絞り、押し返しました。

次第に城内に侵入した酒井勢が門外に押し返されました。


しかし、酒井勝春が本隊に伝えた知らせに答えて援軍1000が現れました。酒井勢は一旦撤収して東門の攻め手を援軍に委ね、休息を取りました。援軍の1000は少しずつ東門の内部に侵入します。城兵は疲労の色が濃くなりました。


ひと息いれた酒井勢が再び東門を攻撃しました。3000の軍勢が東門に集中します。


城兵と真里谷勢の合わせた900の軍勢に体力の限界が来ました。

酒井勢が一気に城内に入りました。

城兵は二の丸に撤退して抗戦します

その頃には千葉勢が鎌取城の西から1000、南から1000を配置して攻め上がりました。

千葉勢5000

鎌取城に籠る1200

千葉勢の総攻撃が始まりました。


─鎌取城本丸、足利義純、安西直政

意識を回復した義純


直政?戦況は?


はい、東、南、西から千葉勢が侵入しています。


そうか?北側に来ていないな?

一色正義の陣地が健在なら、皆北側から逃げればよかろう。

信応に伝えてくれ、北から逃げろ。


はい、伝えて参ります!


──真里谷信応、安西直政


何?御曹司が?

あっ?北から抜けて一色勢と合流すれば良いじゃないか?

城を枕に死ぬ積もりだった?

御曹司が我々を生かす事を考えてるんだ?

直政!御曹司を連れて北側の一色勢に合流するぞ!


──鎌取城は千葉勢の総攻撃中ですが唯一、北側が攻撃されず、味方の一色勢の陣地が健在です。

信応自ら本丸の義純を訪ねました。


──足利義純、真里谷信応


御曹司!

お迎えに参りました。一色勢の陣地に参りましょう!


信応、城兵達を置き去りには行けぬぞ。彼らを裏切り、逃げるなど出来ぬ。彼らは命懸けで城を守ってくれているのだ!

俺だけ逃げる訳にはまいらぬぞ!

お前が出来るだけ多数の城兵を連れて逃げてくれ!


御曹司ぃー!

お願いでございます!

御曹司が我々の希望なのです!

御曹司の居ない世の中には未練がございません!



─側に居た農民兵が叫びました。

御曹司様ぁー!

御曹司様に生きて頂く為に俺達農民兵がお城をお守りしております!

ずっと幼い頃からお世話になった御曹司様に生きて頂ける頂けるなら、農民兵は誰も文句は言いません!

御曹司様の為に死ねるなら、天国で自慢出来ます!

たとえ死んでも、家族だって自慢の息子、自慢の父、自慢の兄弟です!

誇りと希望が持てます!

俺達農民の生きる希望を諦めたくありません!

貴方が希望を持て!諦めるな!

諦めない事を教えて頂きました!

貴方が諦めてどーするんですか?

生きる事をら諦めないで下さい!

──涙を流して懇願する農民兵に皆感動して泣いています。

義純の目から涙が溢れます。


わかった!悪かった!

俺が諦めたら嘘つきになるよな?

諦めたらダメだよな?

では、参ろうか?


はい!参りましょう!

いくぞぉー!

一色勢と合流だぁー!


おぉー!

全員泣きながら声を出します。

いくぞぉー!

諦めないぞぉー!


本丸から戦いながら北側に抜ける間に仲間を生かす為に多数が犠牲になりました。

漸く切り抜けて一色勢の陣地に辿り付いたのはわずか200名でした。


一色勢は3200

千葉勢4000と戦っていました。


西隣の里見勢は大掾勢と戦い、優勢に戦い、鎌取城から500m北まで大掾勢を押していました。


──一色正義、真里谷信応


正義殿、済まぬ!

御曹司と一緒に来れたのだが、鎌取城から戻れたのは城兵も含めわずかに200名だけです!


いや、信応、御曹司をよくぞ守り抜いてくれた!

亡くなった兵士達も御曹司の為なら本望だろう。


正義殿、間も無く千葉勢が鎌取城から引き返してこちらに参るでしょう。4000以上の軍勢です。

早くここから離れましょう。


そうだな、御曹司を守る故、西へ半里(2キロ)の有吉城か?東に1里弱(3キロ)の平山城か?


正義殿、

御曹司の指示を仰ぎましょう!

聞いて参ります!


そうだな、御曹司に決めて頂こう。



──足利義純、真里谷信応


御曹司、

ここは間も無く敵勢に囲まれます。

有吉城、平山城、いずれに移動するか?指示を頂きたく、こちらに参りました。


信応、有吉城なら簡単だと思うな!

父上の陣地の至近距離だ!千葉勢の大軍を呼び込んでしまうだろう。


父上を危険にさらすわけには参らぬからな、離れた平山城へ参ろう。

農民兵達が必ず死守してるぞ!


それから、父上に報告だ!

鎌取城の扱いやこれからの対処に必要な情報を伝えなきゃ勝てぬぞ!


はい!使番の手配を致します!




──一色正義、真里谷信応


正義殿!御曹司は平山城へ指示を出しました!


やはりな?

流石、我らの御曹司だ!

良し!信応!

今度は俺が危険な役目をやらせてもらうぞ!

お前には2000を任せる!

俺が千葉勢を支えてる間に御曹司を連れて平山城へ入れ!


しかし!正義殿!


信応、先ほどはお前が1000を率いただろ?俺が1200でなんとかする!

後から平山城に行くから待ってろ!


──時間が迫る中、二人は互いの無事を祈り、行動を開始しました。







戦場の範囲は推定6キロ四方です。

約37000が戦っています。


簡単に決着がつきません。

互いのの想いを貫けるのは誰?


御曹司は無事に平山城に辿り着くのでしょうか?


緊急時にも冷静な御曹司、彼の未来は?

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