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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1544年(天文13年)3月31日、立花家と北条家の和議交渉が始まりました。泥酔軍師、立花将広が北条幻庵に仕掛けた網を解く事が出来るのか?

立花将広が北条家を相手に和議交渉で先手、先手のダブルパンチを浴びせました。


立花将広の狙いは?

交渉の行き先は?

北条幻庵に打つ手が有るのか?

1544年(天文13年)3月31日、午後からの展開が始まります。



──原町田、立花家本陣。


北条幻庵が従者達10名と地図を見ながら議論しています。


立花家から突き付けられた厳しい和議の条件は

①相模の国の60%を割譲したら小田原城へ無事帰還出来る


②北条氏康が立花家に臣従したら相模の40%割譲になります。


どちらも、認め難い条件です。

まだ、酔いが残る頭に思考が進みません。



立花将広からの配慮?(悪意?)で、和議の内容は座間城の北条氏康に知らされています。


幻庵が追い込まれた事を知らされた氏康も座間城で頭を抱え、ハラハラしていました。

軍師、幻庵が打開策を見つける事を祈りました。

北条氏康自身が原町田に駆けつけると、無理難題に取り乱したと笑われます。

身動き出来ず、待つしかありません。




さて、幻庵達が苦悶していますが、………


若手の1人が、殿?昔、府中に潜入した時に泥酔軍師、立花将広様と酒を呑み交わしたはずですよね?先ほど呑まされたのは?

謎掛けではありませんか?


はぁ??……残る全員が理解出来ません。


んがぁー!!思い出したぁー!

あの方と府中で呑み交わした時だぁー!

普通に考えて知恵が出ない時は仲間を集めて酒を呑みながら奇抜な事を考えろ!

逆に考えろ!

相手の側から考えろ!

って言われたぞぉー!


おぃ!酒とツマミを頼んでくれ!

破れ被れだぁー!


──恐る恐る、従者が立花家の世話係に酒とツマミを頼んでみました。(笑)


現れたのは、立花将広の嫡男、立花頼政が清酒、焼酎とツマミに焼豚、ベーコン、大根漬けを持ち込みました。


頼政が幻庵の杯に清酒を注ぎます。



立花将広の嫡子、立花頼政と申します。

幻庵殿、父から昔、府中でお忍びの貴方と酒を呑み交わしたと聞きました。

父からの伝言です。


覚えておるか!?

気合いだぁー!

気合いだぁー!

正義の気合いだぁー!


とお伝えする様に申しつかりました。



これは、頼政殿、ご挨拶、痛み入ります。


しかと、承りました。

お父上に覚えていて下さり、光栄の至り、感謝申しあげるとお伝え下さい。


頼政が去りました。

幻庵と従者達は呑みながらあれこれ可能性を探り、知恵を巡らしました。


決めたぞぉー!!

立花家とは交渉にならん!

北条家は初代早雲公以来!敵に背を向けて逃げた事は無い!

北条家の誇りを守る為、明日、命運を掛けて原町田の本陣へ突入するぞぉー!


エイエイ!おぉー!

エイエイ!おぉー!

エイエイ!おぉー!

エイエイ!おぉー!


北条幻庵以下10名が気合いの入った鬨の声をあげました。


その時、泥酔軍師、立花将広が部屋に戻りました。嫡子、頼政が側に控え、緊張した顔つきで心配そうに幻庵に目配せしました。


立花将広から話しを切り出します。


幻庵殿、決まった様だな?

回答を頂こうか?


はい!北条家を代表して言わせて頂きます。

我が北条家は、初代早雲公以来、三代に渡り関東にて、正義の戦いに明け暮れて参りました!


正々堂々の戦いを尊び!たとえ、包囲されて己れを見失い、敵に背を向けて逃げる等、北条家の尊厳を失う事は出来ません!

ましてや、和議で命乞いするなど、真っ平でござる!


これより、座間城に戻り、別れの杯を交わし、原町田の本陣目指して、全滅覚悟の突撃をいたす!

北条家の誇りの為なら命など要りませぬ!


北条家の従者達も決死の形相です。

立花家の警備兵も槍と刀を構えました。


将広が討ち取れぇー!

皆殺しだぁー!!


等と、命令すれば幻庵以下、一瞬で全滅したでしょう。


だはははは!

気合いが入ったなぁー!!

幻庵殿、よくぞ申した!


周りが皆、キョトン???

としています。

気合いが入った幻庵の従者達も??

拍子抜けしています。


幻庵殿、北条家の誇りを信じて見よう!

北条家の誇りに掛けて、正義を守る決意なら、我々も正義を守るぞ!

理不尽な要求に屈しない気合いに感服したぞー!


立花家が北条家から津久井城を預かる!

周辺の津久井郡、愛甲郡、を預かる!

更に、橋本、相模原、上溝、鵜野森、原町田、金森周辺から北側を頂く!


磯辺城、座間城、海老名城、厚木城、平塚城周辺

、玉縄城周辺及び鎌倉、三浦半島までを北条領と確認する。

藤沢の長後から戸塚周辺は立花家が頂くぞ!


海老名城と厚木城の至近距離の早川城は立花軍が攻略した。

返還しても良いが、北条領の東端に離れた深見城と交換したいが、どーだ?


将広殿!喜んで交換したく存じます。


よっしゃー!

決まりだな?

和議成立だ!

俺の謎掛けが解ったみたいだな?


はい!将広殿のご子息に助けて頂きました!

謎を解く鍵を頂きました!

それが無ければ切られておりました。

(笑)


そうだ!

信じる道を貫く為なら命を掛けても尊厳を守る!

侍とは?武士ならば?

そのような者こそ、信じて良かろう。

その粋な姿が見たかったのだ!


北条家の心意気を確認して安心したぞ、信義を守る気持ちがあるなら、今は敵同士でも、いつか手を結ぶ時が来るやもしれぬ。


しかし、立花家当主、立花義秀からの伝言だがなぁ。

機嫌を損ねたら、津久井城を武田晴信に譲渡するから覚悟しろ!(笑)


だはははは!

正式な書状に調印したら早く氏康殿の座間城へ戻れ!吉報を待って居られるだろう。

土産に清酒と焼酎を持たせる!


さぁ、久々に少しだけ、府中のあの時以来だな?十年振りか?さぁ呑め!呑め!

皆も呑めぇー!


結果、三時間の宴会になりました。

和議の正式書状はヘベレケの代表者が署名して成立しました。


北条幻庵と従者達はベロベロになりながら、日没した座間城に帰還しました。


機嫌損ねたら、武田晴信に津久井を譲るなんて、北条氏康には効き目がありそうです。

(笑)





やっぱり、立花将広は酒を呑ませて局面打開しちゃいました。


北条家と立花家の軍師が十年前からの知り合いで

、命懸けの交渉に酒が一番貢献したみたいです。


さぁ、相模の戦いが終わりました。

これから古河公方軍との戦いです。

ワクワクして来ました。

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