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戦国大河小説、立花家三代戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!武蔵国、府中から関東を制覇して、上杉謙信、織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1544年(天文13年)3月28日、古河公方軍の侵攻開始から立花 家に危機が迫りました。山内上杉憲政、扇谷上杉朝定の反応は?援軍を出すか?出さぬのか?運命を左右する決断が求められます。

古河公方軍が動きました。

立花義秀、鹿島政家の予想は、岩槻太田家の領地を牽制する程度で、主力は敵対する小弓公方家を攻撃する事に集中すると考えていました。


しかし、古河公方軍は岩槻太田家、江戸太田家、小弓公方家の領内に本格的な攻撃を展開しました。同時に5つの城を攻撃して来るとは予想を超えていました。


予想を越えた規模の攻撃ですが、立花家の救世主、松千代の予知夢の知らせに恵まれました。

パニックにならずに対処しますが、展開が読めない状況です。


古河公方軍は山内上杉家、扇谷上杉家に援軍を要請しています。


山内上杉家は滝山城の攻防戦で3月18日に大敗して立花家と和議になりました。

長距離を踏破して前橋に帰国しました。数日経過したばかりです。多数の死傷者を出しており、援軍を出す余裕はありません。


滝山城にはまだ治療中の重傷者が多数残っています。和議を破れば彼らが人質になり、処刑される可能性があります。


和議の内容が2年先の3月31日まで立花家に敵対しない内容です。

筆頭宿老、長尾勝久が戦死した事で、家中の混乱があります。


扇谷上杉家は先日、3月23日に石神井城の決戦に破れ、立花家と和議になり、25日から、26日に帰国したばかりで疲労困憊の状態です。

和議の期限、12月31日まで約束を守るのか?

和議を破棄して援軍を出すのか?

全くわかりません。


1544年(天文13年)3月28日



──原町田―

―立花義國、立花将広―


「義國!

兄上(立花家当主立花義秀)から指令が来たぞ!

間も無く古河公方軍が動き出す!

岩槻太田家、江戸太田家、小弓公方家の城に攻撃の気配有り!

相模の戦いを有利に進めて和議に持ち込む準備に掛かれ!との指令だ!」


「北条氏康が和議でごねたら津久井城を武田晴信(武田信玄)に譲る!って脅かすように言って来たぞ!」


立花義秀からの指令書状を受け取る義國、書状を読み終わると笑みを浮かべました。


「なるほど、父上と鹿島政家は凄いなぁ、…古河公方軍の動きを考えて、滝山城、石神井城の戦いで和議に持ち込み、犠牲を最小限に押さえて決戦の兵力を温存しています!」


「解ってくれたか?義國!

二つの戦いで最後まで決戦に拘ったら?

少なくとも10000の兵力が死傷して使い物にならぬ状態になるだろう。

もしもだが、想像してみろ!

滝山城から狭山入間方面が追撃戦で死体の山になり、石神井から新座方面が死体の山になり、数万名が後始末に追われる!

二つの戦場の後始末終わって、滝山と石神井から各々集まった我々が、疲れきった状態で原町田周辺に着陣して、さらに兵力、10000少ない状態だったら?

北条氏康の軍勢に苦戦してただろう!」


「叔父上!理解しました!

何故最後まで決着つけないのか不満でした!」


「義國!滝山城で実質指揮したのは俺だ!

滝山城主、大石定久では無く、養子に出した大石盛将は名目上の総大将だ!

その俺自身が兄上(立花義秀)と鹿島政家の和議の指示に苦悶した程だ!

武将たる者、決着付けたいのは当たり前だ!」

 

「はい、武将ならば完全勝利を求めましょう!」


「だがなぁ、あの二人の考えは先を見透してる!

先の先まで、堪えて準備した事に驚いた!

どーやら、二人の視野は誰よりも広いのかも知れんなぁ?俺なんか、遠く及ばないようだな?」


「叔父上が見える先より見えるなんて、それじゃ?自分には果てしなく無理です!」


「まぁ、お前は今29歳だな?

後5、6年で後を継ぐ覚悟で学べ!」


「えっ?!まだ、無理です!

10年後でも厳しいです!」


「何言っとるんだ?後継ぎなんて、形式だけだ!

兄上が実質指揮を取るから余り気にするな!

後を継いだ演技するだけで良いのだ。

兄上の器の大きさ無しに立花家が生き残るのは無理だから、後20年は兄上に働いて貰うぞ!

その後を正式に継ぐのは10年以上先だと考えろ!

それなら気楽だろう!」


「はい、それなら気楽です!」


そこに、前日の戸塚の戦いの敗報が届きました。


「叔父上!

戸塚の戦いで味方が負けました!

平山信季、久良岐康成討死!

平山、久良岐勢の被害甚大で平山、久良岐勢が久良岐城に撤退しています!

被害軽微の楢島勢と長尾勢が岡津城に撤退しました!」


「なんだと!?」


書状を二つ受け取る将広……

将広が楢島正臣に付けた軍監からの

報告書を受け取りました。

楢島正臣が戸塚の地形を利用した持久戦を提案するが、平山信季、久良岐康成が反対し、軍監が持久戦を支持して取りなすが、決戦を主張する二人が譲らず決裂…翌日、決戦を主張する二人が北条綱成の罠に嵌まり討死、久良岐康成は北条氏堯と一騎討ちになり、討死、北条氏堯も重傷…

平山勢、久良岐勢が崩壊、楢島正臣が巧みに立て直し、平山勢、久良岐勢を久良岐城に撤退させ、楢島勢、長尾勢が岡津城に撤退、補給と休息、兵力補充を完了したら戸塚に再び布陣するとの報告が届きました。


「義國!

負けたがなぁ、楢島勢、長尾勢の被害は軽微で直ぐに戦えるようだ…

平山勢と久良岐勢はかなりの死傷者が出たが、平山勢は持ち城の長津田城から久良岐城まで補充の兵士を呼び寄せるそうだ。

各々、全て近くの城主だからなぁ、持ち城から補充したら玉縄城を脅かす戸塚に布陣するとあるぞ!」


「平山、久良岐が討死…」 

落ち込む顔の義國…


「なんの!ほれ!軍監達が楢島正臣の損切りの判断を誉めてるわぃ!

負けた時の引き際のやり方で被害が違ってくる!

楢島正臣はそれが出来るようだから大丈夫だ!」



「叔父上!

負けて喜んでるじゃないですか?

楢島正臣が娘婿だから成長を楽しんでますね?」


「あぁ、後で監査しなきゃならんだろうが、正臣も良い経験をしたようだな?

玉縄城周辺の補給路が再び封鎖になれば、北条氏康に圧力が掛かる!

これで和議になるなら、こちらに有利になるから、負けても楢島正臣達の負けは帳消しだな?」


「叔父上の肝の太い事に感心致します!」


敗戦の知らせに動じない叔父の判断力に感心する義國でありました。



──中津陣地―

―三田綱重、大石盛将―

(綱重は立花義秀の娘婿、盛将は立花義秀の甥、立花将広の次男)


「盛将!

昨日、戸塚の楢島達が負けたぞ!

平山信季、久良岐康成が討死、味方は久良岐城と岡津城に撤退した!」


「義兄上!それなら今日にも北条綱成は海老名城に来るでしょう。

今日は全軍で1里先の相模川に行きましょう!」


「座間城の北条氏康の本陣から見える位置に布陣すれば、敵方が混乱するでしょう?」


「そうだな?俺たちの存在に北条氏康、北条綱成も慌てるだろう?」


府中城の当主、立花義秀に直訴して出陣志願した二人は託された任務に邁進します。

その姿に軍師として見守る新納忠義がニコニコ微笑んでいます。

二人は忠義に相模川沿いに南下、座間城を脅かす位置への移動を打診しました。

もちろん良策です。

忠義が承認して行動開始、移動が始まりました。



──岡津城―

―楢島正臣(小机城主)、長尾政頼(岡津城主)―


「政頼!

明日には戸塚に出陣したいが、俺の小机城から兵士と武器、兵糧も到着したぞ!」


「正臣、大丈夫だ!

被害は軽微だったから明日には回復して出陣だ!

問題は久良岐城の平山勢と久良岐勢だが、主将が討たれ、被害甚大だから、後数日回復に掛かるだろうな?」


「そうだな?、我らが先行して戸塚に布陣する。平山勢、久良岐勢は数日後でも構わぬから、後から来るように手配する!」


「彼らが兵力不足でも構わぬ、容認する事で良いよな?」


「了解!

正臣、岡津城から元気な兵士達200を戸塚に先行して、偵察と陣地を確保したいが良いか?」


「もちろんだ!」


「実は頼みたかったから先に言い出してくれて助かる!頼むぞ!」


「了解!すぐに出立させる!」


岡津城から戸塚へ、200の兵士が出立しました。



──座間城―

―北条氏康、北条幻庵―


「氏康!中津の三田綱重勢6000が相模川対岸に布陣したぞ!

今日か?明日には町田方面の立花義國の主力軍が動くかもしれんぞ!」


「はい!叔父上、物見を増やして警戒します!

三田勢の対岸に綱成の軍勢を配置して、海老名城に到着する綱成の軍勢を呼び出します!」


「そうだな?氏康、それしかないな?」


座間の本陣に緊迫した雰囲気が広がりました。

対岸に見える敵方の軍勢が強そうに見えています。




─前橋城―

―山内上杉憲政、長尾勝正―


「お館様?

古河公方様から援軍の催促ですが?

如何致しますか?」


「勝正!俺の身代わりに亡くなったお前の親父なら、代わりに考えてくれたから、楽だったよなぁ…」


「立花家と和議の約束で奴らに敵対しない約束だよな?守るのが良いのか?破って構わないのか?

宿老達は何か意見あるのか?」


「お館様?

別室で宿老達が論争しております。

援軍を出す!出さない!で揉めております」


「宿老筆頭のお前の親父みたいな器量あるのは誰か知らんか?

派閥争いで宿老筆頭が決まらないんだろう?」


「はい!

凡人の私にはなんとも成りません。

最後の手段ならば、謹慎中の長野業政(なりまさ)殿なら解決出来るんじゃないかと思いますが?」


「馬鹿者!

俺はあいつが大嫌いなんだ!

幼い頃から俺にやたら厳しい奴で、教育係りなんだか知らんが、かなり厳しく叱りやがったから、絶対ダメだー!」


滝山城からずーっと、三日を費やして帰国したばかりで全軍疲労困憊だから!援軍など面倒だから断れ!」


「お館様!

私は親父と違い、単なる話し相手の側近の地位です。

それは残りの宿老にお命じください!」


「じゃ、誰でも良いから宿老に援軍は断れと伝えて来い!」


「承知致しました!」


宿老達に伝えに行く長尾勝正、伝えられた宿老達が憲政の部屋に入って来ました。

援軍賛成が二人、反対が二人、憲政の目の前で論争が始まりました。

暫く決まらない気配です。




─川越城―

―上杉朝定、長尾信忠―


「殿!古河公方様から援軍の催促です。

本日、宮代城、春日部城、鎌ヶ谷城、下総の八街城、中山城の5つを攻めるそうです!」


「公方様も過大に盛ったんじゃないか?実際は宮代城と春日部城の二つだけなんじゃないか?」

後の3つは後から攻めるつもりなんだとか?

誤魔化す手口かもしれんぞ?

下野の宇都宮、小山、結城なんかがいつも争って兵力纏まらんだろう?」


「はい!暫く様子を伺いましょう。

古河公方家からの援軍の催促は、大宮城を攻め落とし、岩槻城攻めに参加を強要する命令口調でした。

岩槻城を与えても良いと申し出がありましたが、ハッキリしない怪しい話しには乗れません」


「そうだな、怪しいな?」


「さらに、前橋の山内上杉憲政様が援軍を出すらしいと公方様の使者から情報を聞きましたが、確認が取れておりません。

滝山城で多数の死傷者あり、数日前に帰国したばかりです。山内上杉軍にそんな余裕は無いと思われます」


「そうだな、大敗直後に援軍は無理だな?」


「はい、我々も石神井城の攻防戦で和議になり、帰国したばかり、まだ二、三日しか休んでおりません。

立花家と12月31日まで敵対しない約束があります。

古河公方様からの援軍要請は慎重にのらりくらり、時間稼ぎする必要があります!」


「そうか、信忠!のらりくらりだな?

任せるから頼むぞ!」











史実では6年前に古河公軍に攻撃され、滅亡してる小弓公方家が生き延びていますが、これからの状況は古河公方軍が優位になりそうです。





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