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戦国大河小説、立花家三代戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!武蔵国、府中から関東を制覇して、上杉謙信、織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1547年(天文16年)4月中旬、伊達家に勅命降る!

伊達晴宗が待ち焦がれた勅使が到着、遂に五年間の苦労が報われる時が迫りました。

1547年(天文16年)4月中旬


桑折西山城本丸の大広間に南奥州7つの大名家の当主が集まりました。

伊達晴宗、岩城重隆、結城政勝、石川晴光、二階堂輝行、田村隆顕、二本松義国の7名は上座に勅使、万里小路頼房を迎えて平伏しました。


平安時代から続く古式の装束に威儀を正し、万里小路頼房が勅命を読み下します。

冒頭に朝廷は立花家から依頼されて南奥州の大乱に介入する事になった経緯を明かしました。


勅命の内容は伊達家当主、伊達稙宗、嫡男、伊達晴宗に停戦を命じ、支援する諸大名家の罪は問わぬ故、軍勢を引き上げる事を命じました。


五年に及ぶ親子の相克が諸大名を巻き込んだ大乱になり、南奥州の多くの家臣や領民を苦しませた反省を促す言葉が続きました。

そしてこの大乱の責任は親子双方にあるとしながら、伊達稙宗には死を賜る事は無く、隠居を命じました。


本来ならば大乱の責任を取り、切腹を命じるほどの重罪で有りながら、長年に渡る奥州探題としての功績を考慮して罪一等を減じ、隠居して静かに丸森城にて二年間の謹慎を命じました。


嫡男、伊達晴宗に対しては政治的な対立から父親を監禁した事は非道な振る舞いであり、家臣に救出された伊達稙宗の怒りを招き、大乱の切っ掛けになった事に反省を促しました。


「伊達晴宗殿、如何かな?」


「ははっ!父に対して非道であり、行き過ぎた振る舞いとして深く反省しております!」


「良かろう!伊達晴宗殿、伊達家の家督を継承して先祖の方々に恥じぬ当主となられよ!

其方に従四位下、左京大夫の官位を与える!」


「ははっ!…慎んで承ります!」


「これは其方の父君と同じ官位である!

父君の官位は過去の功績に免じて剥奪はせぬ!

よって父君は今も従四位下、左京大夫の官位を保持したままに据え置く事とする!

朝廷も鬼では無い、表向き父君を罰したが、これから其方が困った時は父君に相談するがよかろう。

それが和解のきっかけになれば、関わった我々も嬉しく思うぞ!」


「ははっ!ご配慮に深く感謝申し上げます!」


「それから、伊達稙宗殿には本来、朝廷は切腹を命じるつもりであったが、立花義秀殿から助言があって隠居と謹慎二年の軽い処分になったのだ。

この恩義を忘れてはならぬぞ!」


「ははっー!立花義秀殿から頂いた御恩は子々孫々忘れませぬ!」


「それから、双方の陣営に加勢した岩城家、石川家、結城家、二階堂家、田村家、二本松家、其方らに申し渡す!此れなる立花義秀殿の助言無くば、其々好き勝手に領土拡大を目論んだ者を処分するつもりであったが、不問とする事に相成った!

心当たりが有るものは立花殿に感謝を忘れるな!」


「ははっー!」

「ははっー!」


万里小路頼房の言葉に少なくとも二人が声を漏らして反応しています。

心当たりが有る無しで無表情を装う者、引きつった顔になる者、笑みを浮かべる者、其々の反応がありました。南奥州には大勢力に属さずに所属が曖昧な領主が多数存在しており、それらの領主を武力で制圧する事が頻繁に行われていました。

混乱に乗じた侵略行為が不問になり、身に覚えがある者は胸を撫で下ろしました。


「さて、それでは次なる勅命を申し渡す!

伊達晴宗殿、立花家の姫君と伊達家の若君との婚礼を命ずる!

朝廷が信頼する立花家と姻戚関係を結び、朝廷の方針に従い、南奥州の安寧の為に尽くす事を命ずる!」


「ははっ!身に余る栄誉に感謝申し上げます!」


「伊達殿、朝廷と立花家の関係は武蔵国内の荘園の管理を任せて以来、実に460年余りに及ぶ。

古来より立花家ほど誠実な領主は皆無である。

関東には立花家、そして奥州にも立花家の如く朝廷に尽くす大名家が欲しいのだ。

それ故に伊達家は立花家と縁を結び、奥州から朝廷を支えて貰いたいのだ!」


「ははっ!伊達家は立花家に習い、誠心誠意、お仕えする事を誓います!」


「さて、伊達殿、立花義秀殿は伊達家の若君に立花家領内の東伏見城と周辺の領地5万石を与えて同盟大名家として迎えたいそうだ。

破格の待遇だが如何かな?」


「はっ?伊達家の名前で?武蔵国内の領地5万石?

同盟大名家?…ははっ!身に余る光栄存じます!」


「ほほほほ!これで伊達家と立花家が姻戚関係になり、同盟を結ぶ事になったぞ!

細かい事は伊達家と立花家で決めるが良かろう。

伊達殿、立花殿、おめでとう!」


「おめでとうございます!」 

「おめでとうございます!」 

「おめでとうございます!」

諸大名から祝いの言葉が掛かり、和やかな雰囲気て勅命伝達の儀式が終わりました。


本丸大広間に祝いの宴の準備をする間、諸大名は大広間から離れて別室で待機する事になり、立花義秀は伊達晴宗に会談を申し入れしました。


立花義秀は松千代と筆頭宿老、鹿島政家を連れて伊達晴宗は筆頭宿老、中野宗時を傍に控えさせて和やかな挨拶を交えました。


「立花殿、幕府に仲裁を請願しましたが返答が無く、困り果てておりました。朝廷に掛け合って頂き、只々感謝申し上げます!」

平伏する伊達晴宗と中野宗時…


「さぁ、顔を上げて!これからは伊達殿、我らは親戚になるからな、さて、伊達家の一族で15歳から20歳ほどで、しっかりした若者は居られるかな?」


「はい、我が弟や従兄弟、親戚に適齢の若者はざっと20名、候補者になりそうなのは5名ほど、その中から面接して選びます!」


「うむ、その5名に儂が会っても良いかな?」


「はい、構いませぬ。直ぐに手配致します。

それにしても伊達家の名で東伏見城に5万石の大名?

何故そんなにして頂けるのでしょうか?」


「ぶははは!立花家は常陸国の古河公方家、上野国の前橋上杉家と数年に渡り戦い、強大な相手に苦戦しながら勝利して参りました。

立花家の目標は関東を制覇する事!

それには未だ力が足りず、困っていた時に伊達家の苦境を知りました。

朝廷に頼んで南奥州に平和が訪れたら、見返りに伊達家と同盟を結び、敵に対抗したかったのでござる。

伊達家の協力をお願い申し上げます!」

立花義秀、松千代、鹿島政家が頭を下げました。


「困ります!頭を上げて下され、助けて頂いたのは此方にございます!」


「キャハハハ!おあいこだよね?

お爺!親戚になるんだから楽しくなるね?」

松千代の言葉に周りの大人達が和みました。

その時を捉えて義秀が意外な事を勧めます。


「伊達殿、伊達家も朝廷の歳費を賄う荘園を持たれてはどうだろうか?

伊達家の領地は奥州で指折りの米処と聞いております。是非、皇室、近衛家、九条家の荘園を持たれて、米に奥州の駿馬や地域の名産品を献上為されるならば、朝廷を支える名家として大いに信用を取り戻す事になりましょう。

検討なされては如何かな?」


「おぅ!それは名案にございます! 

若殿、やりましょう!」

伊達家の筆頭宿老、中野宗時が瞬時に賛成しました。


「立花殿、お勧めに従い、伊達家も立花家を見習って荘園を管理して朝廷を支えて参りたいと考えています。宜しくご指導をお願い致します!」


「よっしゃ!これは目出度い!

万里小路様も喜ばれるだろう!

帝に近衛家、九条家の喜ばれる顔が目に浮かぶ!

こちらから万里小路様にお知らせする故、後で一緒に挨拶する事にいたしましょう!」


「ははっ!ご配慮に感謝いたします!」


立花義秀は巧みに勧めて伊達家に朝廷の荘園を持たせる事になりました。

立花家の奥州進出を支援した朝廷に、しっかり手土産を持たせる配慮を忘れませんでした。

やがて祝いの宴の準備が出来たと知らせが入り、本丸大広間に向かう事になりました。



「お爺、勧誘上手に出来ましたね?

満点ですよ!」


「ぶははは!満点取れて嬉しいぞ!」


奥州遠征を祖父、義秀に提案した松千代は父、立花義國の上洛使節団を送り込み、朝廷工作を成功させました。

朝廷を動かして立花家の奥州遠征を実現させたシナリオは松千代が提案して祖父、義秀、筆頭宿老、鹿島政家の実行力に支えられていました。


「お爺!ワクワクして来たよ!

まだまだやらなきゃならない事かあるんだけど、まずは宴会を楽しもうね!」


「やらなきゃならない事?

松千代まだやる事があるのか?」


「あるけどね、ふへへへ、秘密だよー!」


「ぶははは!なんだか気になるぞ?」


「今日は秘密!明日気が向いたら教えるかも?」


「なんだそりゃ!ケチ!松千代のケチ!」


「お爺、子供みたいだょ、我慢しなさい!」


「ぶははは!負けた!我慢する!

だから明日は教えてくれ!」


「へへへ、じゃぁ、明日ね!」


二人の会話に護衛の兵士達と松千代の美人侍女5名がクスクス笑いました。

大広間で宴会が始まります。











立花家の奥州遠征は充分に成果をあげました。

後は伊達稙宗と蘆名家、相馬家、最上家、大崎家、葛西家が停戦に応じて桑折西山城に頭を下げに来るのか?

鍵は天文の乱の五年間に勢力圏を広げ、伊達家に次ぐ勢力になった蘆名家が握っていました。


父、伊達稙宗と嫡男、伊達晴宗に同じ官位が与えられました。朝廷が与えたり、幕府が与える官位に定員の定めが無く、同じ官位が重複する事がありました。

それは名誉職として与えられる事が常識化している為、官位が重複しても実害が無い事から、戦国時代では多くの大名が献金して官位を得る事が出来ました。

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