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戦国大河小説、立花家三代戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!武蔵国、府中から関東を制覇して、上杉謙信、織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1547年(天文16年)3月上旬、幕府軍、芥川城奪還!

山崎の戦場から敗走した反乱軍の兵士達が幕府軍から奪ったばかりの芥川城に漸く辿り着きました。

慣れない環境で兵士達に食事を配るのは極めて難しく、空腹に耐えかねて米を水に浸して食べると腹痛に見舞われます。

立花将広はその状況を予測して松永久秀に助言していました。



1547年(天文16年)3月上旬


日没後、芥川城の周辺には山崎の戦いに敗れて敗走して来た反乱軍の兵士達が次々に到着しました。

細川晴元が多数の篝火、松明を用意して救出部隊を出した事で、闇夜に彷徨う反乱軍兵士の多くが救われました。

城内では兵士達に雑炊や握り飯が配られましたが、全ての兵士に配る事は不可能でした。

握り飯や雑炊にありつけない兵士達には兵粮米が配られましたが、自炊の道具を持つ兵士は限られ、多くの兵士達は敗走中に身軽になる為、自炊道具を破棄していました。

多くの兵士達が空腹に耐えかねて水に浸した米を飲み込んでしまいました。

胃の中に流し込まれた米は簡単には消化出来ずに膨張して胃痛を引き起こします。

多くの兵士達が腹痛に苦しんでる事が細川晴元に知らされた時には手遅れでした。


「しまった!そこ迄の配慮が足らなかった!」

細川晴元は後悔しましたが、これでは士気が落ちて戦う処では無く、丹波国へ撤退するしかありません。

「腹痛で苦しむ兵士達に湯を配れ!」

細川晴元は側近達に命じて対応に追われましたが、兵士達に行き渡るお湯が準備出来る筈も無く、兵士達は腹痛に苦しみました。


軈て深夜には伊丹親興、木沢長時、三好政長ら三名の武将を集め、明朝からの撤退の段取りを協議するしかありませんでした。


―3月8日早朝、幕府軍、高槻城付近―

―立花将広、松永久秀―


「立花殿!貴殿の予測通り、芥川城の反乱軍が撤退を始めたぞ!」


「ほぉ、それならば松永殿、細川晴元に大人しく撤退するなら追撃はせぬ!抵抗するなら徹底的に追撃する!と使者を出されては如何かな?

馬なら四半刻(30分)で芥川城に到着する故、万が一にも放火されて全焼するよりは良いでしょう?」


「おぉ、放火!?それは困る!

それでは軍師殿に従います。早速使者を出します!」


「ぐははは!これで、かなり手間が省ける!

兵士達には朝餉を取らせて、芥川城には受け取りの軍勢を派遣するだけで始末が出来ますぞ!」


「おぉ、なるほど!?承知致しましたぞ!」

松永久秀は立花将広の提案に丸乗りする事に決めました。


芥川城に遣わされた使者は細川晴元に面会すると、正午迄に撤退する事、芥川城の備品の持ち出しを禁ずる事、城内設備を破壊しない事、この3つを守るなら追撃しない事が決まりました。

細川晴元の同意を取り付けた使者は松永久秀に交渉が成立した事を報告しました。


松永久秀は配下の軍勢に朝餉を取らせた後、8時過ぎに芥川城の受け取りに動きます。

芥川城の南側に立花義弘指揮下の立花勢1000、本願寺勢1000、大徳寺勢1000、合計3000、芥川城の西側へ松永久秀勢5000、立花将広勢1000、合計6000、総計9000の軍勢が芥川城の受け取りに向かいました。


反乱軍は順調に撤退を済ませて丹波国方面に立ち去りました。城内の備品は高価な反物や貴重品、財貨の半分近くが持ち去られました。


「だははは!放火されず、城内の財産も半分は残ったら上出来だ!

立花殿の助言のお陰で助かりました!」 

松永久秀は約束を守らず、財産の大半が持ち去られる事を覚悟していたので、得したと笑い飛ばしました。


「さぁ、勝鬨を上げろ!」

松永久秀の声に幕府軍の兵士達が声をあげます。


「エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー! 

エイ!エイ!おぉー!」


芥川城には多数の三好家の軍旗が上がりました。

本丸からは大阪湾や淡路島までの風景が広がる絶景に立花将広は漬物を摘み、酒をグイッと呑みました。 


「プハー!この絶景に酒は最高だぞ!

松永殿も如何かな?」

立花将広は竹筒の水筒に清酒を入れて用意していました。準備していた松永久秀用の竹筒を渡します。


「ぐははは!泥酔軍師殿、頂きますぞ!」

二人は漬物を肴に絶景と酒を楽しみました。

軈て夕刻には幕府軍の重鎮、管領の細川氏綱、実力者、三好長慶が芥川城に到着しました。


本丸に細川氏綱、三好長慶がやって来ました。

松永久秀は主人の三好長慶に立花将広の助言のお陰で芥川城が順調に奪還出来た事を伝えました。

幕府軍側に芥川城が無事な形で取り戻せた功績は高く評価されます。


「立花殿!昨年の上洛以来、久しぶりに逢えて嬉しゅうございます!

この度は山崎の戦いを勝利に導き、さらには芥川城奪還の策まで授けて頂き、誠に感謝致します!」


三好長慶は素直に立花将広に感謝の気持ちを伝えました。

「三好殿、お久しゅうございます。

上洛の帰り道に通りかかったからには手伝わずに立ち去る訳には参らず、お手伝いしただけにございます。

取り敢えず、兵士達に腹一杯の食い物をお願いいたします!」


「お任せください。今夜は出来る限りの事をさせて頂きます!」


「今頃、都では六角定頼殿、畠山政国殿が目論見が外れて悔しがっておられましょう?

まぁ、反乱軍と手を組まぬ様にお気をつけなされ!」


「だははは!ご存じでしたか?

まぁ、良かれと思う政策の行き違いはありますが、憎み合っている訳ではありません。

反乱軍と六角定頼、畠山政国…

ふふふ、手を組ませぬ様に気をつけましょう!」


本来は対立していた幕府と立花家が珍しく共闘する事になりました。

立花家が幕府内部の対立を知っている事を知らせて反応を楽しみました。





手痛い敗北を喫した反乱軍、細川晴元と六角定頼、畠山政国ご手を組んだ場合、三好長慶は窮地に陥ります。

立花将広は内心、細川晴元と六角定頼、畠山政国が手を組んだら楽しくなると考えて、敢えて口に出して三好長慶の反応を試しました。


まさか?立花将広が洛内に謀略を仕掛ける?

そんな時があるかもしれません。

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