1544年3月23日、東伏見城、石神井城周辺が3万を越える大軍同士の決戦へ!相模の戦いは持久戦になりそうな気配?
前日の3月22日、夕刻に立花家当主、義秀率いる立花軍主力軍6000の烏山城到着に、石神井城の上杉朝定と長尾信忠も緊張しました。
石神井城から3キロの久我山城では無く、さらに南に1キロ、吉良家の烏山城に入った事に驚きました。吉良家の全軍が立花軍の指揮下にある事を示しました。
その時、練馬城から少し離れた場所に布陣した吉良家の軍勢の事を思い出しました。大軍に怯えて離れた場所に布陣したのでは無く、川越街道を押さえる役目だったら?
川越に帰る退路を遮断されます。
扇谷上杉軍に不利な状況のようです。
立花義秀が烏山城に入った目的は立花義秀の娘婿、吉良頼定の尻を叩き、どんな活躍を見せるか?力量を観察する意味を込めています。
相模の戦いは持久戦になりそうな気配ですが、楢島勢6000が南下して岡津城に向かいます。
二つの戦場が動きます。
1544年3月23日、早朝、東伏見城から祝詞に始まり、君が代斉唱、応援歌の太鼓が響きます。答えるように久我山城からも祝詞、君が代斉唱、応援歌が響きます。
戦場となる地域全体に響きました。
―烏山城本丸―
―立花義秀、鹿島政家―
「殿!夜が明けました。予定通り配置替えが始まります。我らも久我山へ参りましょう!」
「よっしゃ!石神井城から上杉朝定に見せつけるように配置替えだ!あちらの本丸から丸見えだろうが構わぬ、菊の紋章の軍旗をしっかり見せつけるのが目的だ!朝廷から菊の紋章を許された武家など聞いた事がないだろうからな。
さぁ、久我山へ参るぞ!」
立花軍の配置替えが始まりました。
本多広孝勢2000→石神井城西1キロに布陣
加賀美利久2000→上田勢陣地前
新納忠義2000→同じく上田勢陣地前
伊集院忠久2000→難波田勢陣地前
佐伯勝長2000→同じく難波田勢陣地前
久我山城の東
畠山義國2000
東郷信久1000
鹿島政勝2000
練馬城北東、川越街道筋、吉良頼貞2000
大軍の移動が行われました。
―石神井城―
―上杉朝定、長尾信忠―
「殿!立花軍が配置を替えております!
石神井城前が2000
上田勢の陣地前に4000!
難波田勢の陣地に4000!
久我山城の東に5000!
その背後に立花義秀の本陣が4000!」
「なんだと?」
「更に東伏見城には立花義弘の2000が居ります!
練馬城の東に吉良家の軍勢2000の存在があります!全ての合計は23000!」
「それで、どうする?」
「我が軍の2倍余りの軍勢です!
上田勢の陣地と難波田勢の陣地は東伏見城方面からの攻撃を想定して作りました。
東と南側からの攻撃には耐える構造ですが、西側からの攻撃は想定外です!」
「ヤバいぞ!信忠!
立花軍の兵力がこんな大軍なんて?
聞いてねぇぞ!」
そんな場面に近習から知らせが参りました。
「殿ぉー!物見の知らせで、立花軍に菊の紋章の軍旗が多数揚がってると!錦の御旗らしき軍旗が揚がってると!知らせが参りました!」
「なんだとぉー!
立花家が錦の御旗持ってるなんて!
聞いてねぇーぞぉー!」
「殿!立花家の始まりは源氏の棟梁、源義家公です!大國魂神社の大宮司家と関わりもある家柄でありますから、大國魂神社の紋章も菊の紋章です。
軍旗に使う事が許されてるかもしれません!」
「なんだとぉー!
兵士達が動揺するじゃんか?
偽物使って脅してるだけだと触れ回れー!
伝令を出して各部隊に知らせろー!」
「ははぁー!」
伝令達が勢い良く出て行きました。
伝令達が偽物の錦の御旗と触れ回りましたが、不安が募り、兵士達は動揺しています。
戦いが始まるまで時間が迫っていました。
―東伏見城―
―立花義弘、側近―
「殿!菊の紋章の軍旗を掲げました!」
「良し!上杉軍の奴ら驚くだろーな?
我が軍も前に出るぞぉー!
それー!押し出せぇー!」
「太鼓を叩けぇー!」
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!ニッポン!
おぉーぉー!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
ハイハイハイ!
東伏見城から当主義秀の次男、義弘が加賀美勢と新納勢の背後に出ました。菊の紋章の軍旗が多数揚がっています。
扇谷上杉軍の将兵に動揺が走りました。
―久我山城の東、立花義秀本陣―
―立花義秀、鹿島政家―
「殿ぉー!
吉良頼貞殿が参られました。」
「何?通せ!婿殿が参ったか?」
「義父上!挨拶が遅れておりました!
申し訳ございません!」
「婿殿、頼貞殿!気にするな!ここは戦場だ!
顔を見せてくれただけで嬉しいぞ!」
「はい、有り難き幸せにございます。
実は、義父上にお願いがあって参りました!」
「ほぉ、申して見よ!」
「はっ、義父上から練馬城の後方、川越街道を押さえ、退路断つよう命じられました!
その任務に加え、練馬城周辺に火を廻し、練馬城の攻撃を許可頂きたく、お願いに上がりました!」
「よくぞ申した!
婿殿!しかしながら、練馬城は曽我勢1000が守備についておる、婿殿の軍勢2000では手が足りぬだろう?」
「義父上!川越街道の封鎖は少年兵や老兵に任せ、800が配置に着きました。練馬城周辺に予備兵力1000を集め、火を、放つ準備が出来て居ります。
主力軍2000は練馬城からの曽我勢を封じます!」
「わかった!婿殿!頼貞殿!
そなたに、任せる!
しかし、練馬城を力攻めにする必要はないから、くれぐれも自重せよ!」
「はい!有り難き幸せ!
では、行って参ります!」
颯爽と立ち去る吉良頼貞、25歳の凛々しい姿でした。
「殿!吉良家の婿殿は筋が宜しいみたいですなぁ。
結果次第ですが、扇谷上杉軍を破り、川越に敗走させたら恩賞に練馬城を与えますか?」
「それも良いだろう。
練馬城を欲しいと言わなかったのが無欲で好感が持てる。善き武将になりそうだな…
指示された以上の良策を考えて、許可を貰って行動する。吉良頼貞の戦い振りに注目だな?
同じく、東伏見城主、次男の義弘の戦い振りもじっくり見ておくぞ!」
「はい、お二人共に頼もしゅうございます」
―石神井城―
―上杉朝定、長尾信忠―
伝令がやって来ました。
「報告します!
東伏見城から立花義弘の軍勢2000が出て参りましたー!菊の紋章の軍旗が多数見受けられます!」
「なんだとぉー!菊の紋章!
聞いてねぇーぞぉー!菊の紋章が許されるのは立花家当主だけじゃないのか?
あいつは次男だろーが!狡いぞ!
兵士達がビビるじゃねーか?」
「殿!落ち着きましょう!」
「どーするんだ?
軍旗を奪うか?
懸賞金付けたら良いじゃんか?
菊の紋章の軍旗を奪えば1つ百貫!(1000万)」
「百貫ですか?そんな軍資金の余裕がありません!」
「気にするな!
軍旗奪ったら百貫貰える!
なんて知ったら、怖いより、大金に目が眩むだろーが!どーせ簡単には奪えないだろー。
欲を刺激して恐怖を忘れさせろ!」
「使い番!集まれー!
各部隊に知らせろ!
立花軍の菊の紋章の軍旗を奪ったら1つに百貫出すぞぉー!懸賞金百貫(1000万)だぁー!」
使い番達が一斉に走りました。
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!ニッポン!
おぉーぉー!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
ヘイヘイヘイヘイ!
おぉーぉー!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
ヘイヘイヘイヘイ!
ダダダン!たちばな!
ダダダン!たちばな!
午前9時頃
立花義秀の本陣から太鼓と応援歌が響きました。
戦闘開始の合図になりました。
―石神井城の南―
上田勢2000が守る上田陣地に立花軍、加賀美勢2000、新納勢2000が攻撃します。
急造ながら石神井川から分水した用水路から畑を水浸しにしました。
民家と道路に柵を巡らした先の小高い丘に砦を作りました。
さらに南、難波田勢2000が守る難波田陣地を立花軍、伊集院勢2000、佐伯勢2000が攻撃します。
こちらは難波田勢が善福寺川から分水した水路から畑を水浸しにしました。善福寺池の東から、善福寺と井草八幡宮を柵で囲みました。
有名な善福寺と井草八幡宮を戦場に取り込み、立花軍はかなり気を使います。お寺も神社も巻添えにしたくありません。
立花軍の佐伯勝長は善福寺と井草八幡宮を戦災で失わない為に交渉する事を考えました。
井草八幡宮の南に善福寺川が流れています。
難波田陣地の柵が川沿いに並んでいます。対岸には馬防柵が並び、軍勢が出入りする門構えの前に立花軍の代表として軍勢の指揮官、佐伯勝長自身が訪れました。
大音声で叫びます。
「立花家!家臣!
佐伯勝長よりー!
申し上げるー!
我らはぁー!善福寺とー!
井草八幡宮をー!
守りたいー!
正々堂々ぉー!戦うゆえー!
互いにー!善福寺とー!
井草八幡宮をー!傷付けぬとー!
誓おうではないかぁー!」
暫くの沈黙、難波田憲重本人が現れました。
「扇谷上杉家、家臣!
難波田憲重であーる!
貴殿のー!
申し出は殊勝である!
善福寺とー!
井草八幡宮をー!
互いにー!
傷付けぬとー!
約束する!
貴殿の申し入れに同意する!」
両軍から拍手と歓声があがりました。
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!なにわだ!
ダダダン!なにわだ!
立花軍の太鼓が難波田憲重を称えました。
難波田憲重も善福寺と井草八幡宮を焼きたくありません。負ける時には火を放ち、敵に消化作業させる事で逃げ切るなんて卑怯事が戦国時代に有りました。
佐伯勝長は難波田陣地の近くをしっかり観察しました。西側、南側の守りが固く、攻めるなら北と東と判断しました。
佐伯勢は西側から牽制する部隊200を出しました。
南から牽制する部隊を200出しました。
北側に攻撃部隊200を出しました。東側にも攻撃部隊200を出しました。
馬防柵と柵の間に狙撃用の簡易な二階建ての台座があります。高さ2メートルの台座に5名の弓矢が攻め入る立花軍を狙います。台座を二つ、三つ並べ、弓部隊と長槍部隊が援護します。
扇谷上杉軍は先日の東伏見城の砦を攻撃した際に弓矢の連射に苦しめられた反省から知恵を絞りました。
5名で射撃する台座を多数作りました。台座の周りも弓と長槍で守ります。
立花軍は盾を先頭にジリジリ前進します。
北側と東側に回った部隊の背後から扇谷上杉軍の遊軍の広沢勢300が包囲するように現れました。
さらに東に布陣していた鹿島政勝(宿老筆頭、鹿島政家の長男)の軍勢500が広沢勢の背後から弓矢の連射から長槍部隊を突入させました。
たまらず、引き始める広沢勢、北の上田勢の陣地へ後退します。
鹿島政勝が部隊を引き戻しました。
戻る部隊500に回り込んだ新手の広沢勢500が現れました。
引き上げた広沢勢300が反転して攻撃に転じます。
放置すれば鹿島勢500が800の広沢勢に包囲されます。
鹿島政勝は残る手勢1500に出撃を命じました。
「うぉー!攻めるぞぉー!」
「太鼓を叩けぇー!」
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!ニッポン!
おぉーぉー!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
ヘイヘイヘイヘイ!
ダダダン!たちばな!
ダダダン!たちばな!
威勢の良い太鼓と応援歌が響きました。戦場の雰囲気が盛り上がりました。
広沢勢は巧みに北に逃れます。
後方の上田勢の陣地近くに纏まります。鹿島勢を引き入れると先頭の部隊を包囲して叩こうします。
鹿島勢は弓矢の連射と長槍の連携で包囲されまいとします。騎馬部隊が連携して弓矢の連射、騎馬から繰り出す長槍で包囲を破ります。
―上田勢陣地、上田朝直―
西側と南側にて陣地を守り激戦中、北から石神井城の島村勢から援護があり、南側は遊軍広沢勢の援護で固く守られています。
―石神井城―
―上杉朝定、長尾信忠―
「殿!遊軍の広沢勢の活躍で味方は善戦しています。
広沢勢が疲れて動けなくなる前に我らが出るしかありません!」
「わかった!行くぞぉー!」
午前11時頃、戦場に扇谷上杉軍、上杉朝定の軍勢が現れました。
難波田陣地と上田陣地の間で広沢勢と鹿島勢が戦っていました。
一進一退が長く続いてました。
その脇から上杉朝定の2000の新手が鹿島勢を攻撃します。
広沢勢に伝令が使わされ、後方に退避、休息を取るよう指示を出しました。広沢勢が後方に下がりました。
鹿島政勝は朝定の軍勢と戦いを避けて冷静に後退します。
援護の味方が控えてる事がわかっていました。
それを見ていた東郷信久の1000と畠山義國の2000は上杉朝定の軍勢の東から攻撃します。
鹿島勢は混乱せずに引き上げる事が出来ました。
―練馬方面、吉良頼貞―
午前9時過ぎ
「もう、良いだろう。合図を揚げよ!」
吉良軍は練馬城の周囲1キロの各地で火を挙げました。大半は吉良領内から集めた可燃物を大量に持ち込みました。
上杉領内からも炎上しやすい物を集めます。
各地に火の手があがりました。
武家屋敷にも火の手が上がると練馬城から消化部隊が向かいますが、吉良軍が各個撃破します。
練馬城にも吉良軍本隊2000が東と南から進軍します。
多数の軍旗と太鼓の響きに鼓舞されて練馬城に迫りました。
吉良軍の士気は高く、練馬城の城兵を罵りました。
城下町を焼かれ、怒った兵士達が耐えられず吉良軍に攻撃を開始しました。
練馬城の守備を預かる曽我和正は必死に兵士を止めましたが、最初に50名が飛び出し、続いて100名、150名と兵士が勝手に出撃してしまいました。
吉良軍は応戦しながら少しずつ後退します。城方も応援部隊を繰り出します。やがて、乱戦の様子になりましたが、吉良軍は巧みに後退しました。
練馬城の南と東に400名の城兵を引き込み包囲しました。
吉良軍2000が飛び出した城兵を包囲殲滅に掛かります。
練馬城を任された曽我和正は悩みました。しかし、放置出来ません。
広場に兵士を集めました。
兵士達は劣勢の状況を理解しています。
「これより、孤立した味方の兵士を
救出に参る!命が惜しい者は残るが良い!
名を惜しむ者だけ付いて参れ!行くぞぉー!」
「おぉー!」
50名程の兵士が直ぐに集いました。
さらにその姿を見た兵士達が勇気を振り絞り集まりました。
曽我和正の回りに300名が揃いました。東門から出撃すると包囲を破るべく突入しました。
包囲された練馬城の兵士達も救出に来た味方と合流すべく、抵抗しました。
「味方が来たぞぉー!」
「合流するぞぉー!」
乱戦になり、吉良頼貞は包囲を緩めました。
曽我和正と300名が吉良軍の包囲する
網を破り、味方の兵士300名と合流しました。
吉良軍は練馬城の東門と、南門に通じる進路を緩めました。
上杉軍兵士達の心理は包囲から放たれ、退路が開きました。
城ヘ逃げる気持ちになります。
吉良頼貞は味方の犠牲を避ける為、必死の抵抗を受ける事を避け、退路を開き、追いたてる策に切り替えました。
「追いたてるぞぉー!」
「城に追いたてろぉー!」
頼貞が叫びます。
再度吉良軍の攻勢になりました。
上手く追いたてれば城兵に紛れて城内に付け入り出来るかも知れません。
しかし、頼貞は追いたてましたが、城へ逃げる上杉軍を深追いせず、程よく叩くと未練無く引き上げました。
「鬨の声をあげろー!」
「エイエイ!おぉー!
エイエイ!おぉー!
エイエイ!おぉー!」
「勝ったぞぉー!
吉良軍の勝利だぁー!
もう一度鬨の声をあげろー!」
「エイエイ!おぉー!
エイエイ!おぉー!
エイエイ!おぉー!
エイエイ!おぉー!」
肩を叩きあい喜ぶ兵士達、大将吉良頼貞も初陣、兵士達も大半が初陣でした。
「引き上げだー!」
兵士を集めると練馬城の西側へ移動しました。
燃やせる物を選び、火をあげろ!
石神井城から練馬城が燃えてるように見せるぞぉー!
練馬城の西側一帯に吉良家の軍旗を
並べました。
「もう一度鬨の声をあげろー!」
「エイエイ!おぉー!
エイエイ!おぉー!
エイエイ!おぉー!
エイエイ!おぉー!」
鬨の声をあげる吉良軍の兵士達に自信が湧きます。
練馬城の兵士達の心理に負けを深く刻む事になりました。
吉良頼貞は25歳ながら、戦場の兵士達の心理に与える物を理解していました。
―石神井城、上田陣地の東―
―上杉朝定、長尾信忠―
「殿ぉー!
練馬城の辺りに炎が見えます!
吉良家の軍旗が多数見えます!
練馬城が危うい様です!
吉良軍が鬨の声をあげています!」
「物見を出せぇー!
練馬城がやられたら終わりだー!」
朝定が意外に冷静に対応します。
上杉朝定の軍勢2000は東郷信久勢1000、畠山勢2000と互角の戦いを続けていました。
やがて、善福寺、井草八幡宮を陣地にしていた難波田陣地から鬨の声があがりました。
立花軍の佐伯勝長、伊集院忠久率いる軍勢4000は連携して陣地の東側の弱点を突きました。
東側から侵入した立花軍に陣地が占領され、陣地の大将、難波田憲重は最後まで堂々と戦い、宿老、佐伯勝長の兵士に討ち取られました。
―立花義秀本陣、物見台―
―立花義秀、鹿島政家―
戦場を高い位置から把握する為に作られた組立式の物見台、高さ3メートルから戦場を見渡す2人…
「殿!難波田勢の陣地が陥落した様です。鬨の声があがりました。」
「良し!佐伯勝長、伊集院忠久、両名の兵士達に褒美を楽しみに待つように伝えろ!
暫く指示があるまで休息するよう伝えろ!」
「はい!手配致します。」
「鹿島政勝勢に伝令だ!
上杉朝定の軍勢を東に回り攻撃せよ!」
伝令が鹿島政勝の軍勢に向かいました。
戦場の動きはさらに激しくなります。
上杉朝定勢2000を攻撃する東郷勢1000、畠山勢2000に東から鹿島政勝勢2000が加わりました。
窮地の上杉朝定に休息を終えた広沢勢2000が救援に来ます。
上杉軍4000に対して立花軍5000の戦いになりました。
―立花義秀本陣、物見台―
―立花義秀、鹿島政家―
「殿、練馬城方面の吉良の婿殿から伝令が参りました!」
「報告します!
練馬城周辺多数に放火、出撃して来た城兵と戦い撃破しました!
現在、石神井城から繋がる富士街道筋、川越街道筋を封鎖しました!」
「良し!婿殿に伝えてくれ!
見事な働き振りに感謝する!
以上だ!」
「殿、頼貞殿は初陣ながら見事な采配ですなぁ。
川越街道を押さえて退路を塞ぐだけの役目でしたが、本人自ら挨拶に来た上に、練馬城を攻める許可を取り付け、見事にこなしています!
富士街道と川越街道の繋がりを把握して封鎖するなど、しっかり先が見えております」
「ふふふ、頼もしい婿殿だ、これからの成長が楽しみだな!」
「さて!我らも前に出るぞぉー!
太鼓を叩けぇー!」
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!ニッポン!
おぉーぉー!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
にぃーぃーっぽぉーん!
ヘイヘイヘイヘイ!
太鼓が響き、応援歌が流れます。
本陣4000の軍勢が動きます。
菊の紋章の軍旗が100本上がりました。
「上杉朝定を生け捕りしたら償金を出すぞぉー!生け捕り賞金1000貫!(1億円)
太鼓を叩けぇー!上杉朝定!
生け捕り賞金1000貫!唱えろー!」
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!ニッポン!
ダダダン!上杉朝定!
ダダダン!上杉朝定!
ダダダン!生け捕り賞金1000貫!
ダダダン!生け捕り賞金1000貫!
太鼓が響き、上杉朝定を生け捕りしたら賞金1000貫!と戦場に伝わりました。
―上杉朝定、長尾信忠、―
「信忠!聞いたか?俺を生け捕りにしたら賞金1000貫だって!?
ふざけてやがる!
菊の紋章の軍旗が来るじゃないか?
おーい!
立花の軍旗を奪ったら100貫!(1000万)
賞金100貫!出すぞぉー!
勇気のある奴は菊の軍旗を奪って来い!」
「殿!このままなら囲まれます!
護衛の忍びに案内させます。
殿は旗本200名と共に石神井城ヘお入り下さい。
我らは広沢勢と共に敵を防ぎながら引き上げます!」
「わかった!先に行くが、信忠!必ず戻るんだぞ!
必ず戻るんだぞ!」
朝定を離脱させた長尾信忠は広沢勢と巧み引き上げます。
畠山勢2000
東郷勢1000
鹿島政勝勢2000
立花義秀本陣4000に包囲されるのを逃れながら引き上げます。
上田陣地が西の壁、石神井城が北の壁になります。
広沢勢が南側を守りながら撤収します。長尾信忠勢が東側を守りながら撤収します。
立花軍は弓矢の連射、長槍部隊の連携で少数を包囲して潰します。
広沢勢も長尾信忠勢も馬防柵の内側へ逃げ込むのに成功しました。
午後2時過ぎになりました。
―立花義秀、鹿島政家―
「これまでだ!
朝からの戦いに疲れたであろう、
無理は禁物だ!全軍戦闘終了だ!
上田陣地を攻撃中の味方に伝令を出せぇー!戦闘終了、明日に備え、陣地にもどれ!」
「ははっ!」
「善福寺、井草八幡宮の陣地を攻略した佐伯勢、伊集院勢に伝令!
本日の働きは見事なり!
陣地を確保したまま明日にそなえろ!」
「練馬城の吉良頼貞に伝令!
本日の戦闘は終了、本日の働き見事なり!明日に備えよ!以上だ!」
鹿島政家が次々伝令に指示を出しました。
扇谷上杉軍
戦死700名、負傷者1300名
損耗率10%
立花軍
戦死400名、負傷者700名
損耗率5%
―相模方面―
鶴間に布陣していた立花軍、楢島正臣の軍勢6000は南東に10キロの岡津城に布陣しています。
岡津城に近い、久良岐城、蒔田城、横浜城の兵力を動員して鎌倉周辺から三浦半島一帯の北条軍の補給路を脅かす任務が与えられました。
厚木城には北条綱成軍3000が入城しました。平塚、伊勢原方面の兵力が集まり次第、対岸2キロ先の海老名城から座間周辺に進出する予定です。
海老名城には鎌倉周辺から三浦半島一帯の兵力が集まる予定です。
北条綱成の任務と楢島正臣の任務任された地域が重なります。まだ、両者は互いの存在を知りません。
石神井城周辺の戦いは立花軍が優勢に終わりました。
扇谷上杉軍は兵力で劣勢ながら健闘しました。
しかし、石神井城と練馬城に閉じ籠る状態になりました。明日以降の展開はどーなるのか?
相模の戦いは戦場が町田、座間、大和周辺から厚木、海老名、横浜北部に広がりました。
兵力で劣勢の北条軍は小田原から補給するには相模川が大きな障害になります。川幅は多摩川より平均して大きな川です。
相模の領主が相模川に補給を妨げられる皮肉に悩みそうです。
町田から横浜周辺の補給路に恵まれた立花軍有利な状況が続きそうです。




