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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1547年(天文16年)1月中旬〜下旬、松千代と義秀、露天風呂にて織田信長と対決する未来を語る!

武蔵国守護府の祝賀行事が終わりました。

同盟大名家の諸公も次々に帰国して賑やかだった府中城周辺に落ち着いた時が流れます。

1547年(天文16年)1月中旬〜下旬


武蔵国守護府の祝賀行事は3日目の夕刻からの宴が無事に終わり、翌18日から同盟大名家の諸公は数日府中に滞在した後に其々の領国へ帰国して行きました。


―府中城内、露天風呂、立花義秀、松千代―


「松千代、同盟大名家の諸公の印象はどうだった?

武田晴信殿はどうだ?


「お爺、武田晴信殿は立花家の良い処を取り入れたいと申されて、弟君、信繁殿を暫く府中に滞在させると聞きました。独立志向が強く、年上で我儘な家臣達の統制に苦労してるみたいだけど、それでも我慢して前を向いてるから強い人に見えたよ!」


「ほぉ、盆地ごとに小領主が威張る国柄と聞いておるからな、史実通りに苦労するであろう。

他に感じた事はあるか?」


「そうだなぁ、この先、信濃国攻略は村上義清に苦戦する筈、今の処は立花家に援軍を求める気配は無いけど、数年先、上田原の戦いに敗れて窮地に陥る筈だから、その時に手を差し伸べたら、今より立花家と武田家の関係が良くなりそうだよ!」


「おぉ、確かに!村上義清に大敗する筈だ!

筆頭宿老を失う筈だな?」


「お爺正解!史実では筆頭宿老、板垣信方が晴信を救う為に犠牲になるけど、史実通りになるかは不明…

それより、史実通りなら、織田信長殿が桶狭間で勝利するのは26歳の時だから、お爺!史実通りなら桶狭間の戦いは今から15年後だよ!」


「何ぃ!桶狭間が15年後!?

松千代が22歳で、儂は72歳だ、とっくに隠居しとるなぁ…」


「それに史実では今川義元が桶狭間の戦いで討死した時に武田晴信は駿河国に侵攻するんだけど、嫡男の義信が今川家から嫁を貰っていたから反対して反乱を企てて失敗、幽閉されて廃嫡の末に亡くなり、武田勝頼に家督が譲られる流れが、嫡男は今川家から嫁を貰わず、他家から嫁を貰う筈だから武田家は義信が相続する!」


「ぶははは!松千代、先の事を考えると頭がクラクラするぞ!15年先に桶狭間の戦いが有るんだな?」


「有るなら良いけど、立花家が朝廷を巻き込んで歴史に介入しちゃったから、史実通りになるのかな?」


「おいおい、不安になってきたな…」

義秀が呟きました。


立花家当主と孫の会話は前世の記憶を元にしている為、傍に控える護衛や近習には不可思議で理解不能の話が聞こえていました。

時折未来の話をする二人に慣れている為、彼らはいつもの如く聞き流していました。


「なぁ松千代、北条氏康殿の印象はどうだ?」


「お爺、北条氏康殿は初代早雲殿、二代目の氏綱殿の治世を発展させた名君!

今川家が桶狭間の戦いに敗れたなら、駿河国を併合、

武田家はその頃には信濃国の大半を制覇して遠江国、三河国に侵攻して今川家の領地は北条氏康殿と分割しちゃうだろうね?

武田晴信殿は多数の家臣の意見を聞いて最良の策を練る雰囲気だけど、北条氏康殿は頭脳明晰、軍師の叔父、北条幻庵殿と二人で話し合って即決する感じに見えたよ。野心満々で、武田晴信殿より危険な香りがする虎みたいだよ!」


「ほぉ、ならば武田晴信殿と北条氏康殿を上手く操れば、史実よりも織田信長殿、徳川家康殿を苦しめそうだな?」


「理想はお爺の想定通り、武田家、北条家が織田家、徳川家の連合軍を苦しめる事だけど、史実と違い、武田家と北条家が連係したら凄い事になりそうだね?」


「地政学的に武田、北条連合軍が織田、徳川連合軍と戦う事は必然になるが、我が立花家がどれだけの兵力を派遣出来るかが、鍵になりそうだな?」


「そうだね。信長殿とは上洛した時に親しくしてもらったから仲良くしたいけど、やはり戦う運命になりそうだね…」


「惜しむのはなぁ、織田信長の父君、織田信秀殿の器量の大きさだな…商才に人望、戦も上手だったな、あの父君無くば信長殿の飛躍は無かったな…」


「お爺、魅力的な武将だったよね…

きっとあの姿に憧れたから史実で信長殿は飛躍するんだね?」


「あぁ、そうだな…いつの日か信長殿と戦う時を覚悟せねばならんな?

さて、松千代は里見義尭殿を武将としてどの様に見えた?」

里見義尭は松千代の母の兄であり、血の繋がりの有る叔父になります。


「義堯叔父様はお爺の事をすごーく尊敬して、立花家の施政に興味津々の様だね。

近年は古河公方家の策謀で反乱に苦しんだけど、史実では里見家中興の祖と称されてるから、嫡男義弘殿を導き、二人の名君が里見家の黄金時代を築くに違いないよ!

冷静沈着で頼もしいから、これから活躍してくれる筈だよ!」


「そうか、義堯殿はな、先代の 里見家当主、里見義豊殿に反乱を、疑われて父君を討たれ、反撃して里見家の家督を継いだ為に古河公方家の陰謀に嵌り、長年家臣達の反乱に苦しんでおったからな、昨年反乱軍が壊滅したから、これから里見家は良くなるだろう」


「お爺、里見家を裏切った反乱軍側の首領、里見義光は横浜湊辺りに住まわせて、隠棲させた筈だよね?反乱軍の中心の正木一族と酒井一族は今はどうしてるの?」


「おぉ、里見義光は横浜湊辺りに隠棲させた。

正木一族と酒井一族にはその近くの丘陵地帯を与えて開拓させておるぞ、暫くは贖罪の日々を過ごしてもらうが、やがては新たな名字を名乗らせて武家として働いて貰うつもりだぞ!」


流石さすがお爺!太っ腹!

かっこいい名字にしてあげたら気合が入るよ!」


「ぶははは!そうだな、考えてみるぞ!」



露天風呂に浸かりながら、歴史の流れを想定しながら祖父と孫の楽しい時間が流れました。


史実通りなら来年、上田原の戦いで武田晴信が村上義清の軍勢に大敗します。板垣信方、甘利虎泰の二人の重臣を失う痛手を被り、反武田勢力が結集する危機を迎えます。

松千代と立花義秀の二人には晴信が大敗する上田原の戦いがいつになるのか?正確な月日が把握出来ないまま、その時に備える必要がありました。

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