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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)12月上旬、武蔵国守護府開設へ!

室町幕府創立以来、武蔵守護職は関東管領、上杉家の一族が持ち回りで就任していましたが、上杉家に相続争いが続いた為、幕府は長年に渡り世襲を認めず、武蔵守護職を空位にしていました。

立花家が武蔵守護職を得た事は敵対する古河公方家、関東管領、上杉家には最悪の出来事でした。


1546年(天文15年)12月上旬


朝廷から立花義秀に武蔵守護職、従三位近衛大将の叙任を受けた為、同盟大名家と一緒に開設した近衛中将府の名称を変える必要が有りました。

立花義秀、立花義國、松千代、立花将広、鹿島政家、瀬沼寿勝、佐伯勝長の七名が集まり、武蔵守護府にするか?近衛大将府にするか?検討しました。


朝廷からは名称を好きにして良いと許可を得ています。どちらも権威が高い名称の響きがあり、武蔵国の行政を司る役所としてどちらが良いか検討しました。

武蔵守護府も良いし、近衛大将府の名称の響きも捨て難い処がありました。


「お爺、ひとつ、国の文字を足して、武蔵国守護府にしたらどうかな?省略すると武蔵国府!

立花家が武蔵国を統治する名称として響きが良いでしょう?」

松千代が呟きました。


「武蔵国守護府?武蔵守護府?……武蔵国守護府!

武蔵国守護府だ!!ひとつ文字を加えたら雰囲気が良いじゃないか?省略すると武蔵国府になるぞ!

義國はどうだ?」

松千代の提案に義秀が賛同して問いかけました。


「父上、言葉の響きが宜しゅうございます!

文字にしてみましょう!」


側近から筆と紙を受け取り、達筆な義國が武蔵守護府、武蔵国守護府、近衛大将府の三つを書きました。


「父上!松千代の申す通り、武蔵国守護府!

この名称にすれば、ここが武蔵国の政庁とわかり易く、これが最適かと思われます!」

次期立花家当主、義國が納得すると一同は頷いて同意しました。


「決まった!武蔵国守護府とする!略称は武蔵国府!

それでは府中に滞在中の同盟大名家、青梅三田家、滝山大石家、秩父藤田家、甲斐武田家の諸将を招いて武蔵守護府開設の前祝いをするぞ!」

義秀が武蔵国守護府開設を宣言しました。


「佐伯勝長!昨年より近衛中将府長官を任せていたが、川越の攻防戦、川口方面や鎌ヶ谷方面の戦い、上洛成功の立役者として存分に功績を重ねた故、此度の武蔵国守護府の長官を任命する!」


「はい!謹んで拝命致します!」


近衛中将府の長官、佐伯勝長は武蔵守護府を統括する長官に任命されました。


12月7日、府中城に滞在している同盟大名四家、青梅三田家、三田綱秀、三田綱重、滝山大石家、大石定久、大石盛将、秩父藤田家、藤田重綱、藤田康邦、甲斐武田家、武田信繁、小山田信有の八名は府中城近くの近衛中将府に招かれました。

諸将は府中城から8台の馬車に乗り、護衛の騎兵部隊に守られて到着、近衛中将府の大広間に立花家の重臣と同盟大名家の諸将、同盟大名九家の駐留大使を集めました。


大広間の上座から立花義秀、その脇に筆頭宿老、鹿島政家、宿老、佐伯勝長が諸将に頭を下げて一礼します。諸将も一礼して礼を返しました。

立花義秀は上洛が成功したのは同盟大名家の協力があった事が最大の要因だったとして感謝の気持ちを伝えました。続いて筆頭宿老、鹿島政家から今後の方針が語られます。


「立花家は朝廷から託された武蔵守護職の職務を達成する為、同盟大名家の協力を重ねてお願い致します!

そこで、今までこの地に近衛中将府を構えておりましたが、新しい行政府の名称に改名する事になりました!新たな名称は武蔵国守護府と致します!」

鹿島政家から新しい行政府の名称が告げられました。


「武蔵国守護府!……武蔵国府?……」

諸将がざわめきながら、その名称の言葉の響きに唸りました。

 

「おぉ!?武蔵国守護府!?なんと素晴らしい名称ではないか!御目出度う御座います!」

滝山大石家の前当主、大石定久が祝いの言葉を返しました。


「御目出度う御座います!」

大石定久に続いて次々に諸将から祝いの言葉が集まりました。諸将の反応も良く、鹿島政家は今後の予定に付いて語ります。


「諸将のお祝いの言葉に感謝致します!

来年1月15日に武蔵国守護府の開設の儀式を行います!同盟大名家の大使宛に正式な招待状をお届けする所存故、大名ご自身か、ご子息、又は宿老のご出席をお願い致します!」


「おぉ、それは目出度き事!

同盟大名家一同はお祝い申し上げます!」

大石定久が諸将を代表して声を上げました。


ここで立花義秀から同盟大名家の諸将に語り掛けます。

「立花家は武蔵国守護府の長官に近衛中将府と同じく、佐伯勝長を長官に致します!

今後も変わらぬ支援、協力をお願い申し上げる!」

頭を下げる義秀に青梅三田家の前当主、三田綱秀が声を上げます。


「立花殿!お願いが御座います!

これからは同盟大名家の盟主では無く、武蔵国守護職の職権にて我々を率いる指導者として接して下さる様にお願い致します!」

更に三田綱秀に続いて滝山大石家、大石定久が同意を表明します。

「立花殿、滝山大石家は立花家に救われて今がございます!三田綱秀殿に同意致します!」


「三田殿、大石殿、お二人の言葉に感謝致しますぞ!しかし、立花家も古河公方家、関東管領上杉家に狙われて窮地になり、何度も両家に救われた事を忘れませぬぞ!

さて、ここで甲斐武田家は立場が違い、武蔵国守護の命令で動く訳には参らぬ故、如何であろう、婿殿、(武田信繁)、甲斐武田家は今まで通り、同盟大名家としての変わらぬ協力をお願いしたいのだが、ご当主、武田晴信(武田信玄)殿に宜しくお伝え下され!」

立花義秀が娘を嫁がせた義理の息子武田信繁に語り掛けました。


「はい、兄(武田信玄)も依存無しと存じます。

義父上!今後とも宜しくお願い致します!」

武田信繁が武田家を代表して答えました。

立花義秀は小田原北条家にも気を使います。


「小田原北条家の大使殿!北条家には甲斐武田家と同じく、今まで通りの協力をお願い致します!」

立花義秀の言葉に小田原北条家の大使も快諾しました。


小田原北条家と甲斐武田家は立花家と婚姻関係を結んで経済協力を取り付け、軍事的には家中の複雑な事情が考慮されて不戦条約を結んでいます。

北条家、武田家が援軍を求めず、立花家も援軍を求めず、他の七家と異なり特殊な同盟関係になっています。


この当時、北条氏康には今川家から迎えた嫁を正室として溺愛しており、周囲が勧めても頑なに側室を迎える事を拒否していました。立花義秀は仕方無く北条氏康の叔父の嫡男に娘を嫁がせて同盟を結び、北条家の跡継ぎが北条氏政に成る歴史の流れを乱す事を避けていました。


さらに武田晴信(信玄)は側室の諏訪家の姫を溺愛しており、彼女が武田勝頼を産みました。やがて勝頼が武田家の跡継ぎになる歴史を乱す事を避ける為、武田晴信(信玄)の弟、武田信繁に立花義秀の娘を嫁がせて同盟を結んでいました。

小田原北条家、甲斐武田家が婚姻関係になれば立花家にも理想の状況になりますが、互いの当主に事情があり婚姻関係を結んでいませんでした。


両家は今回の立花家の上洛に同行した事で交流が深まり、今までに無い友好関係になりました。

更には両家が国境を接している駿河今川家は対立している尾張織田家と小田原北条家、甲斐武田家が友好的な関係に至り、駿河今川家は三方向から敵国に囲まれる状態になりました。

両家に婚姻関係が無くても安全保障が形成された形が成立していました。


武蔵国守護府設立の説明が終わり、諸将は宴会場に移動しました。 宴には同盟大名四家の諸将と重臣に側近達が招かれ、総勢100名程が集まりました。

立花義秀が宴の挨拶に立ちました。


「それでは武蔵国守護府設立の前祝いだ! 

朝廷に託された武蔵国の為、更には関東静謐と民の安寧の為に諸兄の支援を賜りたい!

我らを守護する神々に感謝を捧げて乾杯!」


「乾杯!」

諸将が乾杯を唱えて歓談が始まりました。

諸将は互いに酒を注ぎながら上洛の思い出話しに盛り上がりました。

宴は昼過ぎに始まり、夕刻まで続きました。

諸将は其々の大使館に宿泊する事になりました。

彼らはさらに数日滞在を続け、大使館の職員に案内されて府中の町を探索して立花家の施政を学びました。


農業用水や町に張り巡らされた水路、整備された街道や側道に石畳で舗装された道路、馬車や人力車を利用した公共交通網、身分に関係無く寺子屋、学校で学ぶ環境や兵士の徴用から志願兵の制度、予備役の制度を学び、農家や商家を見学したり、公共の風呂屋、職業紹介所、流入した移民の救済施設などを自由に見学して過ごしました。


同盟大名家の諸将は12月10日、其々の本拠地に帰国しました。上洛から二ヶ月、季節は本格的な冬が迫ります。



上洛の余韻から覚めると季節は寒い冬になりました。

来年1月15日には武蔵国守護府が設立の儀式が開催される事になりました。

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