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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)11月下旬、古渡城奇襲!?主家、織田大和守家の裏切り!?

主家よりも強大な武力と財力を持ち合わせた織田信秀は守護代、織田大和守家、織田達勝に恨まれていました。

織田達勝は14年前に織田信秀に戦って敗れて以来、挽回する機会を狙っていました。

1546年(天文15年)11月下旬


古渡城本丸御殿にて立花家、同盟大名家の歓迎の宴は盛り上がり、深夜になってようやく終わりました。

来賓は古渡城の各部屋に案内されます。 

尾張国内で最も裕福な織田信秀の居城は多数の賓客を扱う事に慣れており、200名程の人々を巧みに振り分けて宿泊させました。


松千代は信長に招かれて二の丸の信長の寝所で一緒に寝る事になりました。

宴席の途中で抜けて信長の寝所で布団に入り、信長と普段の習い事や遊び方や身の回りの出来事などを語らいますが、松千代はまだ6歳の為、やがて睡魔に引き込まれて眠ってしまいました。


信長の寝所には信長の近侍一人と護衛二人が付き添い、一刻(2時間)毎に交代します。

松千代には普段から美人侍女五名が護衛しています。

今回は松千代の護衛に侍女二名が許されて入室しています。残る三名は隣室で待機する事になりました。


11月27日未明、松千代の夢に熱田神宮の大神様が現れ、古渡城が奇襲される事を知らされました。

松千代は直ぐに目覚め、護衛の侍女に夢のお告げの内容を知らせました。

室内に居る信長の近侍と護衛は戸惑いますが、信長が気配を察して目を覚まします。

近侍が部屋に明かりを灯しました。


「なんだ?どうした?松ちび?」


「信長兄様、熱田神宮の大神様のお告げが御座いました!古渡城が奇襲されます!

敵は守護代、織田大和守家の手勢です!」


「お前何を言ってる?夢見て騒ぐなボケ!」


「信長兄様、宴に参加した方々の中にも織田大和守家の手の者がおります!彼らが城内から手引きして奇襲されます!」


「アホか?!織田大和守家は我らの主家だぞ!」


「信長兄様!過去にも裏切られて主家と戦われたはず!和解しても機会をうががっていたのです!

今宵なら絶好の機会になります!」


「何故過去の事を知っているのだ?」


「熱田の大神様から過去の事を伺いました!

敵の狙いは織田信秀殿のお命にございます!

急がねば手遅れになります!」


「熱田神宮の大神様が?なんで松ちびに?…」


その時、松千代の護衛役の侍女の真樹が信長の前に進みました。

「若君様、立花家は松千代様に神様からのお告げがあり、何度も救われています。

今なら間に合います!」


侍女真樹の真剣な眼差しに信長は決意します。

「わかった!信じる!

伝令だ!城門を固く閉ざして篝火を増やせ!

敵襲に備えて周囲を警戒させろ!

それから城の周囲の道筋を偵察させろ!

次に本丸御殿、織田大和守家の家臣達の部屋を囲め!

抵抗したら斬れ!

俺は親父に知らせて来る!」


信長は父、織田信秀に知らせに急ぎました。

父の寝所に向かう途中に出会う宿直の兵士に次々指示を与え、寝ている兵士達を起床させました。


父、信秀の寝所に到着した信長は宿直の兵士に緊急事態を告げて信秀を起こして貰いました。

戦国時代の習慣で嫡男でも、直接当主の寝所には入れません。泥酔していた信秀は目覚めるのに暫く時間が掛かりました。

漸くして目を覚ました信秀に許可を得た信長が寝所に入りました。


信長は松千代の夢のお告げとは言わずに敵の奇襲だと知らせました。ややこしい説明を省いて危機回避を優先します。

説明を聞いた信秀は酔いながらも正気になりました。


「松平勢じゃないのか?

わかった!まず、城内の織田大和守家の家臣と斯波家の家臣を捕縛しろ!大和守家と斯波家は必ず手を組んでいる筈だ!逆らう者は斬れ!

それから、二の丸に宿泊している立花家と同盟大名家の全員を叩き起こせ!敵襲を知らせろ!



11月27日早暁の古渡城は次第に騒がしくなりました。暫くすると城から離れた街道筋に僅かに松明が見られました。

信長の指示で周囲を警戒していた兵士から数千の軍勢が接近中と一報が入りました。

城内では織田大和守家の家臣と斯波家の家臣達が抵抗して騒ぎになりました。この時の為に選ばれて宴に加わり、暴れる気満々の彼らは周囲に火を放ちながら激しく抵抗しました。


「太鼓を叩け!法螺貝を吹け!

城内の全員に敵襲を知らせろ!」

織田信秀の指令が城内全体に示されました。


古渡城本丸御殿から火の手が上がりました。

古渡城を目指していた織田大和守家の軍勢は奇襲の成功だと判断して先を急ぎました。

「松明を増やせ!城内の味方を死なせるな!

急ぐぞ!」


織田大和守家の2000の軍勢は松明を増やして大軍の如く偽装して古渡城に接近しました。

古渡城の兵士達は接近して来る敵の軍勢が意外に多勢である事に恐怖を感じていました。


二の丸に宿泊していた立花義秀を始め、同盟大名家の諸侯50名余は次々に起こされ、織田大和守家の軍勢が攻めて来ると聞かされました。

身支度を整えて大広間に集まり、織田信秀から状況説明がありました。


「皆様にお知らせ致します!

織田大和守家の軍勢が攻めて参ります!

防備は十分ですが、皆様には安全確保の為、二の丸最上階に退避して頂きます。

立花義秀殿、心苦しいのですが、城内に引き連れている立花勢200名の加勢をお願いしたいのですが、如何でしょう?」


「ぶははは!お任せください。

それでは弟の立花将広に指揮させます。 

200名の弓の名手達を好きな様に使って下さい!

さらに、熱田湊に居る我が軍勢800名が使えますぞ!織田殿の武将を指揮官に迎えて遊撃部隊にすればお役に立てると思います!」


「はい!お気遣いに感謝申し上げます!」


古渡城から織田家の武将と鹿島政勝(立花家筆頭宿老の嫡男)が馬に乗り熱田湊に向いました。

松明の列が古渡城に迫ります。織田大和守家の軍勢が古渡城下に到達、北から1000、西へ1000の軍勢が迫りました。



織田信秀は歓迎の宴の隙に攻めて来るなら隣国の大勢力今川家の配下、松平勢だと考えていました。

まさか、身内の主家に裏切りを受けるとは考えていませんでした。

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