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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)10月下旬、勅使、東福寺に来訪!立花義秀に詔勅、朱印授与!

明日は幕府首脳との対面を控えていました。

そこに、勅使がやって来ます。

立花家の為に近衛家、九条家が動きました。

1546年(天文15年)10月下旬


近衛家当主、近衛稙家(44歳)、と九条家当主、九条稙通(39歳)の来訪が知らされた事で東福寺の邸内には緊張が走りました。


二人は数年前に朝廷の最高位、関白を務め、退任した今も朝廷の中枢で活躍しています。

東福寺側から第二報が入り、今回は現在の関白、一条房通(37歳)から送られた勅使として来た事が判明しました。


立花家別邸の正門前に立花義秀以下、同盟大名家の一同が整列して近衛稙家、九条稙通の二人を出迎えました。


牛車から降りた二人の関白経験者は立花義秀の挨拶に気さくに答え、穏やかな様子で大広間に向かいました。


大広間の床の間には立花義秀以下の一同50名余が平伏します。

勅使として近衛稙家が詔勅を読み上げました。その内容は立花家が皇室と近衛家、九条家の荘園を400年余も守り続けた事を称え、今後は幕府と協力して天下の安寧と静謐の為に尽くして欲しいとの気持ちが記され、帝の叡慮を関白が書面に記しています。


続いて関白、一条房通からの書状が読み上げられました。

その内容は明日、御所にて朝廷が主宰する宴席が予定され、幕府新体制の将軍、管領らの首脳と立花家及び同盟大名家一同を招待する事でありました。


立花家と幕府、足利家とは対立が続いて来ました。立花家は源氏の棟梁、源義家の三男が立花家の創設起源になりましたが、足利家は源義家の孫の義康が足利家を創設しています。

足利家は立花家を血筋の正統性を争う宿敵として代々警戒する事になりました。


鎌倉幕府末期に両家は手を組んで倒幕に成功して友好な関係になりましたが、今は疎遠な関係にありました。

そして上洛を機会に朝廷の仲立ちで関係改善を図る事になりました。


立花義秀は平伏して宴席の招待に感謝を述べましたが、面倒な招待に気分が重くなりました


それを理解している勅使、近衛稙家は表情を和らげて語りました。


「立花義秀殿!…幕府を建て直し!群雄割拠の世を正す事を願っての事!

立花家と足利家の確執は存じている!

見返りに古河公方家の名称使用を停止!

五年間の謹慎を申し付ける!

さらに関東管領、前橋上杉家にも関東管領の名称使用を停止を命じる!

五年間の謹慎を申し付ける!

両家には関東争乱の原因を作った責任を取らせる!」


「えっ?宴席出席の見返りが?

古河公方家と関東管領家を五年間の謹慎処分でございますか?」


「見返りは大きいぞ!

朝廷主宰の宴席で幕府首脳と対面した立花家と同盟大名家は朝廷と幕府に信頼された存在になり!古河公方家と関東管領家は面目を失うだろう?」


「はい!御配慮に感謝致します!」


「まだあるぞ!関白から朱印状だ!

立花家には洛内にて商館、店舗を開設する事を許す!黄金菊の紋章を掲げ、洛内、堺の湊から商いの道を日本の津々浦々に開かれよ!」


「ははっ!……なんとお礼の言葉が見当たらぬほど……身に余る栄誉に感謝申し上げます!」

立花義秀が声を震わせて答えました。


「義秀殿!並びに同盟大名家の方々に頼みたい!

明日は幕府再生の為、面倒な儀式だが、耐えて付き合ってくれ!」


頭を下げる近衛稙家に一同が平伏しました。


「さて、義秀殿!勅使の儀式はここまで!

さぁ、立花家や同盟大名家の皆さんと酒を酌み交わそうじゃないか?

自慢の焼酎に清酒があるだろう?」


「ぶはははは!畏まりました!

政家!焼酎に清酒!酒のツマミを頼むぞ!

東福寺の漬物もたっぷり用意せよ!」


早速、宿敵、鹿島政家がテキパキ指示を出して宴席の用意が始まりました。

宴席には本願寺、大徳寺、東福寺の僧兵の首脳が招かれ、近衛稙家、九条稙通と対面させて彼らの軍事力を朝廷の為に奉仕する事を提案しました。

奉仕の見返りに朝廷御用達等、商いや利権の譲渡を与える事で合意に至りました。


今後は更に八幡神社系列下の神社、その他の巨大寺院の勢力を加えると万が一、幕府と対立しても朝廷には大きな軍事力が存在する事になり、幕府対して優位な立場を確保することになりました。


宴会中に鹿島政家から合意の報告を受けた義秀は上機嫌になりました。

「ぶはははは!松千代の提案が朝廷に軍事力をもたらしたぞ!万が一、朝廷と幕府が対立しても朝廷の安全は保たれるぞ!

政家!良くやった!」


「はい、松千代様には恐れ入りました!」


その頃、松千代は近衛稙家と対面、松千代から稙家の杯に酒を注ぎ、談笑していました。


「松千代!其方の噂を聞いておりましたぞ、夢の中で神様から御告げを授かるそうじゃな?是非にも逢いたかったぞ!

15歳になり、元服したら我が娘を嫁に贈るからのぉ!

帝の勅命を戴き、立花家に嫁を贈るとは!

光栄の至りであらしゃりますぞ!」


近衛稙家はすでに泥酔していました。

立花家の為に影に日向に活動中した結果、朝廷と幕府も良い方向に向かっています。

九条稙通も成果があがり、上機嫌に酔っていました。


立花家の仲介で朝廷の軍事力として本願寺、大徳寺、東福寺の僧兵が奉仕すると確約しました。近衛稙家、九条稙通は大いに喜び、宴席に笑いが溢れて大いに盛り上がりました。


東福寺にやってきた勅使、近衛稙家、九条稙通は明日の宴席に出席して幕府と和解する見返りにに朗報を知らせて来ました。


古河公方家、関東管領家の軍事行動が関東争乱の元凶と判断されて彼らに五年間の謹慎を命ずる事を知らされました。


果たしてそれで関東の争乱が落ちつくのかは不明です。

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