1544年(天文13年﹚上野山内上杉憲政、前橋から出陣しました。扇谷上杉朝定もそろそろ出陣かも?
1544年(天文13年)3月9日
─上野山内上杉憲政─
「今日中に深谷に着くから明日は川越だな?
朝定の奴らは出陣したんだろうな?
こちらは越後から援軍4000も揃えたから主力部隊総勢14000だ、滝山城なんて3日で落としてやる!
越後勢4000は先行させたから入間あたりかな?
早く滝山城で暴れたいぜ!」
「ん、ん?入間から急報だと?
何?今井城付近で倉賀野尚之の2000が壊滅だとぉー?補給部隊の護衛だろ?
勝手に城攻めしやがったのか?」
「ん、ん?補給部隊は無事なのか?
んん?補給部隊は無事羽村の藤田勢と合流したんだな?」
「なんだぁ?今井城辺りで略奪?放火?したのか?それで、今井城と藤橋城の軍勢に大敗しただとぉー!指揮官は誰だ?切腹だ!
んん?倉賀野尚之だぁ?行方不明?
ふざけるなぁー!
とにかく!見つけたら切腹させろ!」
暫く罵詈雑言の止まらない状態でした。
─川越城、扇谷上杉朝定─
「ん?もう前橋の上杉憲政兄貴?
明日川越に来る?やばいぞ…
良し!志木城、岡城の前衛部隊に伝えよ!
平林寺方面に出陣せよ!総軍12000!
俺達も行くぞぉー!出陣だー!」
上野山内上杉憲政はかなり無理に徴兵しました、さらに政情不安なはずの越後から援軍4000を借りて来ました。
無理に徴兵して10000の主力軍を編成しました。
とにかく失敗続きですが合計14000の大軍が滝山城を目指して南下中です。
扇谷上杉朝定は新座方面の平林寺城辺りに進軍開始、こちらも無理に徴兵して12000を集めました。兵士の練度、体力は大丈夫でしょうか?
立花家は一定の練度を持つ予備役から志願殺到で採用しました。
さて、どーなりますか?楽しみです。
─青梅勝沼城、三田綱秀─
今井城下、霞川の戦いに勝利の知らせに沸き上がっています。今井城主、来住野泰知、藤橋城主、師岡和春から報告が届きました。
戦勝の報告と敵の重傷者の治療を行った。
敵軍大将倉賀野尚之以下生き残りの1800名が武装解除!?驚愕の報告でした。
直ちに治療に必要な物資、薬剤を集めて今井城、藤橋城に送らせ、二人の若き城主と将兵に感状(感謝状)と澤乃井の極上清酒50樽が贈られました。
「嬉しい事だ。三田家に仁将、来住野泰知、師岡和春有り!府中の立花家に報告だ!
そうだ!ついでに紙芝居に来住野、師岡を仁将として紹介をお願いするぞ!」
この時、三田家も紙芝居を発行したら良いのでは?との流れになりました。
立花家に許可を貰って三田家の紙芝居が始まりました。
滝山城では、立花将広と息子の滝山城総大将、大石盛将、滝山城本丸から拝島城を眺めています。
「箱根ケ崎城、宮寺城が敵補給部隊殲滅!
さらに三田家に見事な手腕の若者二人、今井城の戦いで600対2000で勝ったのか?
重傷者治療してやると敵が戦意喪失?、武装解除?是非会って話しが聞きたいものだ。
盛将!三田家にも勝れた仁将がおるぞ!
滝山城の隣、高月城の弱点、南側の入荷通路の防御力強化も終わった。
拝島城の福島政義から太鼓の音で連絡!
良き考えだ、直ぐに作る!
盛将!若手の指揮官達を集めろ!
頭が柔らかい彼らから知恵を引き出すぞ!」
「はい!父上、ワクワクしてきました。
それから、松千代から届いた龍魂陣羽織が大変好評です。赤と紫が取り合いになり、相撲で勝った者に選ばせました。」
「それだぁー!盛将!
若手の指揮官に太鼓の合図を考えて貰う!
龍魂の陣羽織、まだ俺の手元にたくさんあるぞ、若手指揮官集めて陣羽織争奪相撲だ!
陣羽織を獲得した者に部下を二名選ばせる。
三人一組で合図を考え、提案させる!
競いながら楽しみながら知恵を絞る!
合図に採用されたら松千代から届くあれだ!
人気の奴だ、陣羽織を与える!さらに駿馬を与える!どーだ盛将!?」
「はい!父上、名案です!酔っぱらうと名案が浮かびますね?」
「ぶはははは!当たり前だ!
先ほど松千代から薩摩の新作焼酎が届いたから味見したお陰だな?」
「父上、味見どころか?かなり呑みましたね?
滝山城の地主、少林寺住職に色仕掛けの泥酔交渉成功!なんて、紙芝居裏話が出まわってますよ!」
呑んで構いませんから(笑)
泥酔すると大逆転しちゃう迷将?酔将?
とにかく酔っ払ったら強い父上(笑)
滝山城の大石盛将は府中の松千代の叔父です。松千代は養父、大石定久、妻、百合姫との出会いのキューピッドです。
─府中城、立花義秀、鹿島政家─
「殿、三田綱秀殿から凄い知らせがきましたなぁ。
若く優れた城主二人、敵の戦意を仁をもって消しました。」
「はははは!三田綱秀殿も良き武将を育てたようだなぁ。さて、関東管領殿はどーするか?
滝山城を攻める前に二つも大敗した。
怒って何するかわからんからな?」
「殿?今井城に仕返しに行くなんて期待してますかな?滝山城が目的だからあり得ぬでしょう?」
前哨戦の段階で、立花家と同盟大名家の結束が示される事になりました。
1544年(天文13年)3月10日~上野山内上杉軍主力軍先陣、越後勢4000入間から今井城付近から南下、羽村の藤田勢の陣地に向かいました。
先日上杉軍補給部隊2000が通過したルートです。今井城、藤橋城の南500メートルを通過していました、今井城、藤橋城が緊張感に包まれました。
今井城、藤橋城も先日の戦闘で三割の死傷を出しました。さらに敵軍の負傷者と武装解除した上杉軍の兵士を匿っています。
この時代は攻撃された場合、寺社、民家に匿ってる彼らが被害を受けます。城内にもまだ武装解除したばかりの上杉軍兵士がいます。
寝返りされたら勝ち目はありません。
越後勢4000が羽村方面に見えなくなるまで緊張が続きました。
─平林寺城、城主、立川宗久─
立川宗久が側近相手に語ります。
「おい!前日から川越の扇谷上杉朝定の先陣6000が柳瀬川を渡り、我が城の北1キロに布陣しているぞ!
ぶはははは!、ずぶ濡れで身動き取れぬらしい。まだ朝夕はひえるぞ!
府中、清瀬、八国山、山口、東伏見の味方の城には知らせたから、いつ囲まれても大丈夫!柳瀬川から引いた水を流して水堀付近は湿地帯になっている。
簡単に攻められぬ、森の中の迷路もあるからな。奴らに壊滅的打撃を能えてやるぞ!」
─平林寺の北西2キロ─
柳瀬川渡河地点付近、主力軍本隊6000名
扇谷上杉朝定と、宿老長尾信忠
「おーいっ!想像してた川幅よりデカいじゃん!?
ちょっと深くねぇかぁ?(かなづちの言い訳)
そこら辺削って浅くしねぇーと危ねぇーだろ?
何ぃー?先に行った6000名が無事渡ったたとぉーおー!?
マジ無事だったのかよ?
濡れるだろー?!寒いだろー?!
えっ?皆、全然平気だったのかよ?」
「殿、見苦しいですぞ!
まわりの兵士達が見てます。
馬で渡りますから大して濡れません!
お側の美女小姓達にカッコいいところを見せてやりましょう!」
「わかった!
俺がカッコいいところ見せてやるぞ!」
頭空っぽのわがママ殿様を操縦するのに役立つ美女小姓、身辺警護の女忍者です。
宿老筆頭の長尾信忠の家中から選りすぐりの四名を側につけています。
気難しい憲政をお色気で誘導する大事な存在です。
主力軍本隊が柳瀬川を渡りました。
冷たいじゃないか!!ふざけんなょ!
そんな姿を見た美女の小姓達が「お殿様カッコいいぃー!!」
これだけで機嫌が良くなりました。
無事主力軍本隊が柳瀬川を渡ります。
腰まで濡れた朝定は文句言いながらも美女小姓達が着替えさせると機嫌が治りましたが、めちゃ寒いのは変わりません。
風邪を引かぬように火を炊いて暖まりました。
兵士達はずぶ濡れて火を炊いて暖まります、
身体が冷えきり、本日中に戦える状態ではありません。
先に柳瀬川を渡り、1日休んだ先陣部隊6000名が平林寺城を囲みました。
府中城に急報がありました。
平林寺扇谷上杉朝定軍6000から名包囲され、朝定は 6000名の兵士と暖を取り平林寺北1キロに布陣中との状況です。
さらに府中城に報告あり、上野山内上杉軍の越後勢4000は福生に着陣、上杉憲正率いる10000は川越城に到着の知らせが入りました。
─府中城、立花義秀、鹿島政家─
府中の義秀自室、大きな地図を広げ、城名、指揮官名、兵力数が表示されています。
「殿、川越から扇谷上杉朝定が平林寺城に来ましたなぁ。平林寺城を囲みました。
上野山内上杉憲政が明日には入間に到着しそうです。
平林寺城の朝定は滝山城の状況がわかるまで滞陣するでしょう。」
「良し!政家、久我山城の東郷信に500名を率いて東伏見城に向かわせる。立花義弘の指揮下に入れる。
国領城の藤原家長は500名を率いて東伏見城に向かわせる。これも立花義弘の指揮下に入れる
これで東伏見の義弘に3000名を任せる
平林寺から上杉軍が動いたら、背後に回り退路を塞ぐように伝えてくれ」
「はい。承知致しました。
すぐ、手配致します」
─東伏見城、立花義弘(義秀の次男)27歳─
「府中から知らせだ、久我山の東郷の500、国領から藤原の500が指揮下になり、間も無くやって来る。
3000名の指揮官として父上の期待に答えるぞ!」
「んん?松千代から贈り物か?
龍魂陣羽織?色違い各種、おぉ!カッコいいじゃんか!龍魂ハチマキ?手拭いも?お守りだ!かなりたくさんあるなぁ!
んん?贈り状?」
❰松千代より、カッコいいおじさま。
かつやくしてね。みんなにあげてね!❱
「おぉー!嬉しいぞー!手紙書けるようになったんだな?
はははは!」
少し涙目の叔父様でした。
そして、3月11日になりました。
─上野山内上杉憲政、宿老長尾勝久─
川越付近から狭山を通過、入間に到着。夕方には宮寺城の北4キロ、霞川付近に布陣しました。
「ついに立花家との領境に来たぞ!
あれだ!宮寺城?あれに補給部隊がやられたのか?懲らしめたろかぁー?」
「お館様、滝山城攻めを待っている味方の軍勢が今か今かとお館様の到着を待っています。
気になさらず、滝山城を落として病床の立花義國、大石定久を捕らえましょう。」
「わかった!明日、早朝、滝山城に向かう!
宮寺城は許してやる!
しかし、朝方、乱取り、放火しながら宮寺城の奴らに最低限の罰を与える!
それが条件だ!」
「わかりました。そのように手配いたします」
─3月11日、滝山城─
若手指揮官達を集め、相撲大会が行われ、リーダー役が決まり、三人一組で太鼓の合図をワイワイとアイディアを出し会いました。
しばらくすると、焼酎とツマミが配られ、太鼓を叩きながら賑やかな会議になりました。
なにやら泥酔の迷将立花将広が中心にいます。
そこに、多摩川河川敷、福生に越後勢4000着陣!との知らせがきました。
周囲に緊張が走ります。
「良し!決まったぞ!」
立花将広が声をあげました。
太鼓の合図が決まったようです。
代表三名が拝島城に渡り、太鼓の打ち合わせが成立しました。
少しずつ戦いへの緊張が高まります。
入間に着陣した上野山内上杉憲政の率いる10000の大軍が滝山城に来るのを待つばかりとなりました。
さぁ明日は滝山城に敵の大軍が現れそうです。
滝山城と拝島城の太鼓の連絡方法が決まりました。
上手く伝わるでしょうか?
平林寺城を包囲した扇谷上杉朝定は滝山城の動き次第に動くのでしょうか?
ワクワクしてきました。




