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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)4月10日夕刻、房総半島東部、本納城の戦い!

古河公方軍が意表を突き、夕刻に攻撃する作戦を決意しました。

奇策が通じれば大勝利となりますが、果たして成功となるのでしょうか?

1546年(天文15年)4月10日夕刻~


─房総半島東部、本納城、永田城周辺─

─本納城→永田城、距離北3キロ─


本納城周辺に布陣する立花家の軍勢は3キロ北にある永田城周辺に布陣する古河公方家の軍勢と対峙しています。

互いに城の手前に布陣しており、実質両軍はの2キロ程の距離で対峙しており、緊迫した状態にあります。


─本納城、立花軍陣地─


午前と午後の2回、古河公方軍の攻撃を撃退した陣地では戦場の後始末が始まりました。

本日2度の対戦で敵方も陣地の様子を把握して今後の対策を取るに違いありません。

陣地の配置を変更する事にしました。


立花軍の配置は本納城の北側の東に新納勢5000、真ん中に里見勢3000、西に立花将広勢が4000を配置しています。

敵方が把握した陣地から数百メートル移動して陣地の配置を変更します。


その時、立花将広の本陣に急報が入りました。本納城の北西5キロにある大椎城から原胤清の軍勢5000が本納城方面に進軍中と知らされました。


「ぶはははは!新手の原勢が来たか!?

不味いな?陣地に固執してはダメだな?

これは東西南北、四方向から襲撃して来る可能性があるぞ!」

主将、立花将広は冷静に対応します。

敵の原勢は大椎城から1時間余りで本納城に到達します。

大椎城から進撃するなら本納城の西側と南側に街道が繋がり、西と南からの攻撃に備えが必要です。

西からの攻撃に備えて立花将広の軍勢は北と西から来る敵に備えて3000を布陣しました。


南からの攻撃に備え自分の軍から三男の将孝

に1000を割いて与え、本納城内を通過させて南側に配置しました。大椎城から本納城の南に回るには鞘戸城の目の前を通過します。

鞘戸城に原胤清の軍勢が通過したら背後を襲撃する様に指示しました。



里見勢3000には北からの攻撃に備えさせます。東の備えの新納勢5000には北からに加え、東からの攻撃に注意を払う様に指示しました。


やがて周辺を探ると北から接近する敵に加え、北と東から古河公方軍が接近する事が判明しました。

主将、立花将広は各部隊へ古河公方軍の接近を知らせ、陣地の構築を中断させました。

「敵襲に備えろ!陣地から出撃して自由に戦え!」と指示を出しました。


古河公方軍主将、一色直頼は原胤清の東西挟撃策を受け入れましたが、日没時間を考慮しました。

原胤清の提案は全軍を東側に集中して攻撃する事でしたが、日没まで2時間余りしかありません。全軍を東に集める時間的余裕は無く、佐竹勢4000、結城勢2000は北側から攻撃を命じました。

東側から攻撃するのは自身の一色勢6000に決めました。


残念なのは、撤退を偽装して包囲する為に北東6キロに酒井勢2000を配置していた事です。今から呼び出しても日没までに間に合いません。酒井勢を諦めて作戦を実行しました。


午後16時過ぎ、本納城北側から佐竹勢4000、結城勢2000が本納城付近に進出します。

佐竹勢4000が立花将広の軍勢3000に向かって進みます。

結城勢2000が里見勢3000を目指して進みます。

東に迂回した一色勢6000が新納勢5000の陣地を目指して接近します。


古河公方軍の軍勢は本日2度攻撃した立花軍の陣地が移動している事に驚きました。

近くに移動して分散して布陣しています。

田畑と起伏のある細い道を立花軍目指して進みますが、所々に迷い道があり、混乱します。


立花軍は分散して布陣しています。

古河公方軍、佐竹勢、結城勢は物陰や高所から弓部隊に狙撃され、長槍部隊が現れ苦戦します。

迷い道に嵌まり、混乱する部隊に立花軍各部隊が攻撃します。

この日の1回目、2回目の古河公方軍の攻撃時に立花軍は陣地内部に籠り防戦に務めましたが、3回目の今回は積極的に交戦しました。やがて、狭い路地の小規模な戦闘から畑と野原の広い場所に戦い場所が移りました。


東の備えの立花軍、新納勢5000には古河公方軍主将、一色直頼の軍勢6000が東に迂回して進撃しました。進撃速度を早める為、数ヶ所の道筋に別れて進みます。

しかし、迷い道に欺かれ、思い通りに進まぬ処、高所や物陰から弓の連射を浴びて長槍部隊に襲撃され、一色勢は苦戦しました。



古河公方軍、原胤清の軍勢5000は本納城付近で西に回る軍勢4000と南に回る軍勢1000に別れました。

本納城の南に向かう軍勢は鞘戸城の目の前を通過します。鞘戸城は本納城の南側を守る為の支城です。

立花将広から原勢の来襲を知らされ、準備を整え、伏兵を配備していました。


原勢1000が鞘戸城の目の前の街道を通過します。原勢が本納城の南に近くに到達する頃、鞘戸城の伏兵100が行列の中軍を弓の連射と槍部隊が連携して奇襲に成功しました。混乱する行列が乱れ、行軍が停止、続いて最後尾の行列が後方から鞘戸城兵100が襲撃しました。

そこに本納城の南に布陣している立花将広の配置した三男、立花将孝の軍勢1000が駆けつけました。

混乱していた原勢は死傷者多数を残して敗走しました。


西から進撃した原胤清の軍勢4000は立花将広の軍勢と狭い路地で戦っていました。

立花将広の軍勢は北から進撃してきた佐竹勢4000に対して兵力1500を割いて防戦しています。1500の兵力を配置せねば本納城の中央を守る里見義弘の軍勢に佐竹勢が殺到します。どんな犠牲を払っても里見義弘を守らねば、彼の父、里見義堯に逢わせる顔がありません。

立花将広は残る手勢1500を田畑と民家が混在する路地に原勢を引き込み、防戦に有利な高台に布陣しています。

広い場所を戦場にすると敵の兵力に包囲され全滅する恐れがあります。

4000対1500で勝負するには狭い戦場で小高い場所に布陣して日没まで粘り、敵が撤退するまで耐えるしかありませんでした。

高台に急造した物見台から戦場を見渡す泥酔軍師、立花将広は巧みに手勢を指揮していました。目の前200メートルまで敵の先鋒部隊が迫っていました。

少しずつ押し込まれています。

ここを乗り切れるか否か?最悪の場合、退避して本納城に入れば助かりますが、主将が城へ逃げ込む訳には参りません。

名誉を失うより死を選ぶと心に決めました。

すると、気持ちがすーっと軽くなりました。


「俺はいつ天に召されても構わぬ!

前に出るぞー!」

と言い放つと僅かな旗本100名を連れて丘を下りました。

兵力に劣る味方を鼓舞する為、主将自ら槍を構えて前線に乗り込みました。

「殿を討たすなぁー!」

「殿に続けー!」

劣勢ながら勇気を振り絞り、立花将広の周りに味方の集団が塊となり、原勢に対抗し続けました。


幸いな事に本納城の南側で原勢が壊滅、南から分離した三男、立花将孝は「皆の者、父上を助けに参るぞー!」と言い放ち、軍勢1000を率いて本納城の西側の戦場に駆けつけました。


「皆の者!我に続けー!」

将孝は苦戦中の父、泥酔軍師を救うべく、原勢の腹背に攻撃を仕掛けました。

高台に布陣してる立花将広の軍勢を押し込み、後一息で攻め切れると考えていた原勢には思わぬ方向から襲撃される事になりました。


腹背から攻撃された原勢は分断され、狭い路地や狭い畑に追い込まれました。

田んぼへ逃げた兵士は畦道から溢れ、水が張られた水田に嵌まり、身動きが不自由になり、弓矢の餌食になりました。

反撃に転じた立花勢に原勢が堪え切れず敗走します。

「日が暮れるまで厳しく追撃せよ!」と立花将広が命じました。

古河公方家、旗下最大の大名、千葉家の筆頭宿老、原胤清を葬る機会を逃したくありません。原勢は混乱して壊滅、日没になり、辺りが闇に包まれるまで厳しい追撃を受けました。


やがて、「原胤清殿、討ち取ったりー!」

日没前に「やったぞー!」

立花軍から歓声が上がりました。

立花将広は自身が討ち死にする覚悟の瞬間から逆転、敵方の重要人物、千葉家の筆頭宿老を討ち取りました。

直ちに本納城の城兵に伝え、周囲の立花軍全体に原胤清を討ち取った事を広めました。


立花将広はまだ追撃戦の最中ながら勝鬨を挙げて味方に勝利を伝えます。

「エイ!エイ!おぉー!」

「エイ!エイ!おぉー!」

「エイ!エイ!おぉー!」

「エイ!エイ!おぉー!」


立花将広は三男、立花将孝の軍勢に追撃を任せ、本納城の北側に向かいました。

夕暮れ直前、佐竹勢4000と将広が託した1500の軍勢は本納城の麓の高台に布陣、周囲の水田の畦道から攻め上がる佐竹勢と高台を包囲する佐竹勢に押し込まれ苦戦中でした。そこに、近くで結城勢2000を撃退した里見義弘率いる3000の軍勢が介添えに着けた立花将広の嫡男頼将の助言で救援に到着、佐竹勢と周囲に広がる田畑で激しい戦いになりました。


そこに立花将広の軍勢が駆けつけると漸く佐竹勢は兵力を撤収、殿軍に託して根拠地の永田城に繋がる北の道筋に撤退を開始しました。

立花軍は日が陰る寸前まで追撃すると引き鐘を叩き撤収しました。

立花将広は周囲の軍勢に勝鬨を挙げさせます。

「エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!」

永田城に退却する古河公方軍の耳と心に敗北の意識をしっかり植え付けます。


立花将広の元に東に布陣した新納勢が一色直頼の軍勢を撃退、勝利した事が知らされました。

1日に2度の戦いに勝利した立花軍の意表を突き、古河公方軍は夕刻に三度目の攻撃を敢行しました。

あと一息まで立花軍の主将、立花将広を追い詰めた原胤清が責任を取る様に討ち死にしました。


この先、立花将広の動きが房総半島の戦いの流れを作ります。

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