１５４６年(天文１５年)４月１０日、古河公方家、梁田高助、壮大な作戦展開中！
古河公方軍が房総半島に加えて流山方面にも攻勢を掛けて来ました。
迎え打つ立花義秀は対応を迫られます。
１５４６年(天文１５年)４月１０日
─府中城─
─立花義秀、鹿島政家─
関東の大地図に古河公方軍の軍勢の配置と立花軍、同盟大名家の軍勢を駒で示しています。
市原城に集結した下総公方家、足利晴宗の軍勢１４０００は立花家が支援する上総公方家の軍勢１３０００と国境の有木城、東市原城周辺で交戦中、一進一退の状況です。
その戦場から凡そ２０キロ東の茂原城周辺では里見家立花家の連合軍１７０００と古河公方家、一色直頼率いる１４０００の軍勢が交戦中、安房国の大半が反乱軍に制圧され、勝浦から北上する反乱軍７０００が上総南部の要衝、万喜城付近に進出中です。
万喜城救援の軍勢が向かっている事は未だ府中には届いてない状況です。
集まった情報を元に状況を分析します。
「政家、房総半島の状況は厳しいがなぁ、将広が実質総指揮を取っておるから、上総国、安房国国境の要衝、大多喜城、万喜城を確保するはずだな？
茂原城の背後を確実に安全にするだろう。」
「はい、恐らくあの御方なら左様に対処するでしょう。」
立花義秀としては房総半島にさらなる援軍を送りたい状況ですが、古河公方軍の動きは活発でした。
古河から南下した野田弘明の５０００の軍勢は流山城を攻撃しました。
古河公方軍本隊、足利晴氏の２００００の軍勢は高城家の北の国境、柏城、戸張城、幸谷城を攻撃しています。
古河公方軍本隊２５０００に対して高城義春の軍勢６０００、立花家宿老、本多広孝の軍勢５０００、加賀美利久の軍勢３０００、総勢１４０００と劣勢です。
そんな状況が発生した時の為に立花義秀は足立方面に駐留軍を派遣済みでした。
西新井城周辺に畠山忠國の５０００、安藤義長の３０００、江戸太田勢２０００、さらに八潮城に小山田信盛の３０００、合計１３０００が配置されています。
下総国、高城領内に異変があれば立花家、次席宿老、本多広孝の松戸城に集結する事になっています。
「殿、八潮城の小山田勢３０００は流山城まで１里半(６キロ)ですから、既に救援に出たでしょう。松戸城の本多勢も流山城まで２里弱(７キロ)ですから救援は間に合います。
西新井城周辺から松戸城まで半日の距離ですから、今頃は松戸城に畠山、江戸太田、安藤の軍勢１００００が合流しています。
古河公方軍２５０００に対して２７０００となり、互角の兵力になります。
殿が現地に向かわれますか？
それとも義國様に任せますか？」
「政家、柏、流山方面は次席宿老、本多広孝の手腕に任せる！
松戸城の広孝に指揮を委ねると伝えろ！」
「はい、手配致します。」
「そこで、西新井城周辺から畠山忠義ら１００００の軍勢が流山方面に向かった故、岩槻太田家の関心は浦和城攻略準備に構築中の美女木陣地にあるだろう。
太田資正は浦和城に３０００を率いて布陣しておる様だな？
義國を岩槻太田家を成敗すべく派遣する！
草加城、鳩ヶ谷城を攻略して周辺の城を奪い、浦和城を孤立させるぞ！
義國を呼んで参れ！」
「はい、呼んで参ります。」
鹿島政家に連れられ、嫡男、立花義國がやって来ました。
「義國、現在、古河公方軍が房総半島、流山方面に攻勢を掛けている。
関東の配置図面を見てみろ、房総半島は立花将広に任せた。
流山方面は本多広孝に任せた。
義國、岩槻太田領の攻撃を命じる！
１００００の軍勢を率いて草加城を攻略して鳩ヶ谷城周辺を制圧せよ！
お前の弟、川口城主、立花義弘を副将に付ける故、義弘の軍勢５０００と配下の渋川勢を加えて総勢１６０００を預ける！
浦和城に布陣する太田資正の軍勢を撃退して浦和城を攻略せよ！」
「父上、承知致しました。同盟を破棄して裏切った岩槻太田家を成敗して参ります！」
「義國、現在、川越城攻略の為に入間小谷田、新座大和田に陣地を構築中だ。
川越城を脅かす位置に２つの大きな陣地を作っておる。
こちらに軍勢を派遣する故、川越上杉家の軍勢が戦力を集中して浦和城を支援するのは難しいだろう。油断せず、時期立花家当主として学んで参れ！」
「はい、父上、期待に添える様、学んで参ります！」
立花義國は昨年１２月、松千代を虐待してしまった事件以来、大國魂神社にて修行を積み、反省の日々を過ごして以来、最悪は廃嫡されると噂が立つ程の辛い日々を過ごして来ました。
久々に明るく、晴々とした気分で出陣の準備を始めました。
「政家、前橋上杉家の動きが気になるのだ。
川越城の支援を口実に南下して青梅三田家の領内を狙ってるかもしれん？
入間の宮寺城、小谷田陣地へ２００００を率いて参るぞ！
留守居役は瀬沼寿勝に任せて急ぎ支度せよ！」
「はい、手配致します！」
立花義秀は古河公方家の攻勢に対抗して反撃準備に掛かりました。
古河公方軍の攻勢に対抗して立花家も次々と対抗策を打ち出します。
前橋上杉家、川越上杉家の動きが気になります。
