1546年(天文15年)3月中旬、松千代、里見の内紛解決策を提案する!?
古河公方家が下総公方家を創設した影響で里見家の反主流派が蠢く様子を見せました。
里見家が揺らげば房総半島の状況は古河公方家が有利になります。
母君の実家を助けたい松千代が動きます。
1546年(天文15年)3月中旬
─府中城─
─立花義秀、鹿島政家─
房総半島の地図を広げて里見家の内紛の状況を確認している二人処に松千代が現れました。スタスタ早足で義秀の執務室に入る松千代を抱き締め、顔を緩める義秀。
「お爺、あのねぇ、里見家のごたごたやっつけたい見たいだけどぉ、泥酔軍師のお爺に頼むのが良いじゃないの?お酒呑ましてみんな仲良しにしちゃうから大丈夫でしょ?」
「ほぉ?松千代なんで知ってるんだぁ?」
「あのねぇ、近衛中将府にあそびに行ってお話し聞いちゃったから知ってるよ。」
「ぶはははは!政家、松千代を里見家の大使に会わせたのか?」
「はい、実は松千代様が近衛中将府を見学されておりまして、お母君の故郷の大使に会いたいと申されましたので、お引き合わせいたしました。」
「まぁ、母君の故郷の大使にか、仕方あるまい、松千代が里見家を心配するのは当然だからなぁ。泥酔軍師お爺?ぶはははは!将広の事だな?」
「殿!泥酔軍師、立花将広様に里見家の内紛を抑えて頂きましょう。松千代様の妙案にございます。あの御方には不思議な魅力があります。酒を呑みながら人の心の気持ちを開かせる名人にございます!」
「ぶはははは!!政家!泥酔軍師を派遣して里見家の内紛を抑えて貰おうじゃないか?
清酒と焼酎を大量に集めろ!将広を府中に呼んでくれ!」
「はい、手配致します。」
泥酔軍師、八王子城主、立花将広が府中に呼び出されました。
「将広、古河公方家が下総国、小弓城を本拠地に下総公方家を創設したのは聞いてるだろう。我が立花家と里見家が支えてる上総公方家に圧力を掛けて来た影響で里見家の内紛が再燃する恐れがある。
それを未然に防ぐ為に将広、お前に頼みたいのだが、上総国、安房国に遠征軍を率いて鎮圧して欲しいのだ。名目上は里見義堯殿が総大将、将広は副将となって里見家の為に働いて貰いたいのだ。」
「ぶはははは!兄上、喜んで房総半島の旨い魚を食べて参ります!酒をたっぷり用意して下され!」
「将広、実はなぁ、お前に里見家の支援を託したいと言い出したのは松千代なのだ、母の安房の方の実家だからなぁ。松千代も心配しておるのだ。」
「ぶはははは!松千代のご指名かぁ?!
ぶはははは!これは大國魂神社の大神様の守護が付いたも同然じゃないか?!
兄上、臨機応変、北条家を口説いて同盟に引き込んだ時と同じく全権委任して下さるなら里見家を纏めて参りましょう!」
そこに松千代が現れました。
「泥酔お爺ぃー!将爺ぃー!」
スタスタ早足で現れ、泥酔軍師、立花将広の腕に抱き上げられました。
「松千代!お前の母君の実家、里見家のゴタゴタを片付けてて参るぞ!」
「将爺ぃー!よろしくお願いしまーす!
それからねぇ、里見家の、長男16歳でしょ?だからね、お嫁さん選んであげるの、世田谷の吉良さんか、青梅の三田さんの娘さんをね、お爺の養女にしてお嫁さんに行かせるの!」
「ぶはははは!松千代は軍師じゃないか?
おぉー!名門吉良家もしくは三田家から立花家に養女を迎え、里見家の長男に嫁がせる!
直接立花家の血が入るのを嫌がる連中も居るだろうから、妙案だぞ!兄上、松千代が凄い処に目を付けたぞ!」
松千代を抱き締めながら笑顔の立花将広に兄、義秀が答えます。
「松千代!それだ!養女を迎えて里見家に嫁がせるぞ!政家、吉良家一族から嫁候補を探せ!居なければ三田家一族から探せ!」
「はい、手配致します。」
「お爺、上総公方家の公方様は14歳だよね、里見家から将来お嫁さん貰う約束に決めておくのが良いじゃないの?里見家が安心するでしょう。これで将爺の仕事がやり易くなるはずだよー。」
「ぶはははは!松千代!そこまで深く考えてたのか?!松千代が軍師みたいだな。
松千代、俺から里見家に上総公方家の嫁は里見家から嫁がせるようにと伝えるぞ!」
孫の妙案に顔を笑顔の義秀、ご満悦です。
「兄上!これなら立花家が房総半島に野心を持たぬ証になりましょう。
里見義堯殿を支援して房総半島各地を巡って参りましょう!」
「決まりだ!主将は立花将広、副将には新納忠義、総勢15000を派遣する!出発は4月上旬だ!」
当主、義秀が4月上旬に里見家支援軍の派遣を決めました。
松千代の提案が採用され、立花家が動きます。
松千代の母の実家を助ける為、遠征軍が編成されます。




