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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1545年(天文14年)12月上旬、立花義秀の行列は秩父神社に戻りますが、泥酔軍師の仕掛けが!きっと何かが起こります。

秩父の街に立花将広の軍勢が合流しました。

泥酔軍師の仕掛けが発動します。

1545年(天文14年)12月上旬


─秩父神社─


三峯神社のお参りを終えて秩父神社に戻った義秀達を迎えたのは泥酔軍師、立花将広の軍勢でした。篝火を盛大に掲げ、応援歌を歌わせました。


ダダダン!にっぽん!

ダダダン!にっぽん!

ダダダン!たちばな!

ダダダン!たちばな!

ダダダン!ふじた!

ダダダン!ふじた!

おぉーぉーおー!

にぃーぃーっぽぉーぉーん!

にぃーぃーっぽぉーぉーん!

にぃーぃーっぽぉーぉーん!

にぃーぃーっぽぉーぉーん!

ハイハイ!ハイハイ!

おぉーぉーおー!

にぃーぃーっぽぉーぉーん!

にぃーぃーっぽぉーぉーん!

にぃーぃーっぽぉーぉーん!

にぃーぃーっぽぉーぉーん!

ハイハイ!ハイハイ!

ダダダン!たちばな!

ダダダン!たちばな!

ダダダン!ふじた!

ダダダン!ふじた!

派手な出迎えになりました。

立花軍の将兵が声を張り上げて応援歌に興じます。跳びはねて歌います。

同じ歌詞が続き、秩父の民も直ぐに覚えて歌い跳びはねます。


義秀の姿を見つけた将広が声を掛けます。

「兄上!三峯神社の神様に出逢えたそうな?

凄いじゃないか?」

秩父の銘酒を呑みながらご機嫌な将広。


「まぁな、子供の頃以来ずっと神様には逢えなかったが久々に夢の中で逢えたぞ、さらに本殿にて大勢の前で秩父を頼むぞ!とお声を戴いたぞ!」


義秀の留守中に秩父の街に入った将広の軍勢は三田家、大石家の軍勢を引き連れていました。秩父神社の大宮司から武甲山の石灰石の採取許可の話しを聞き、早速調査隊を出したところ、石灰石の採取出来る場所を数ヶ所見つけました。三田家と大石家の兵士の中に石灰石に詳しい兵士が居ました。彼らの領地青梅、奥多摩、あきる野、檜原辺りに石灰石を採取しており、直ぐに採取出来る場所を見つけました。


「兄上、石灰石ならもう見つけたぞ!三田家と大石家に専門家並みに詳しい兵士がおったからなぁ、秩父神社の大宮司に話しを聞いて試しに探したらもう見つけしまったぞ!」


「なんと!まて!将広?武甲山の神様に挨拶無しに探したのか?」

神様を蔑ろにしたか?と心配する義秀。


「兄上、立花将広はこれでも大國魂神社の神職の血を繋ぐ一人でござる!もちろん秩父神社の神職に案内して戴き、武甲山の神様に挨拶してから探索しましたぞ!」


「そうか、流石、我が弟、泥酔軍師だ!

もう呑んでおるな?」


「ぶはははは!秩父の銘酒は旨いぞ!さぁ兄上、呑むぞぉー!」


泥酔軍師、立花将広が宴会の準備をしていました。秩父神社大宮司一族、藤田重綱、康邦親子、三田綱重、大石盛将、秩父の八幡神社系列の代表宮司、寺院の代表住職、藤田家の重臣などを招き、和やかな宴会になりました。泥酔軍師立花将広は酔わせて本音を聞きたいと考えていました。


将広は藤田家の重臣達から話しを聞きます。呑みながら前橋上杉家の内情を訪ねると藤田家の重臣達は不満を述べ始めました。

主人の藤田重綱が55歳になり、前橋上杉家、譜代の宿老としてはそろそろ世代交代を考えて嫡男の康邦へ家督相続を願い出ました。嫡男は33歳になり、宿老を継ぐべき存在になっていました。


しかし、康邦の正室が青梅三田綱秀の娘で、立花家に靡く恐れ有りと理不尽な裁定が下り、筆頭宿老、長尾憲長の陰謀で家督相続は却下され、家督は親戚で従兄弟の藤田友綱に与えられ、本拠地、鉢形城と天神山城周辺、藤田家の領地の北半分が与えられました。


残りの南側、秩父周辺が分家扱いに降格して藤田康邦に与えられ、藤田重綱は隠居を命じられました。筆頭宿老の長尾勢が鉢形城を包囲して追い出され、鉢形城に溜め込んだ財産を没収されました。新当主、藤田友綱に付いた家臣達が藤田重綱に長年仕えた家臣達を城下町から追い立て、秩父に退去を強制しました。


涙ながらに悔しい思いを語ります。

秩父の街に追い出された藤田重綱の一族、家臣の一族、多数の家族は途方に暮れながら秩父を目指しました。意外な事に秩父の街の民は事情を知ると温かく迎えました。

寺院や神社が率先して宿を提供して、街の民も部屋を提供しました。

藤田重綱の治政が秩父の民の心を掴む暖かい統治をしていたから恩を感じた人々が助けてくれたと涙を流して語りました。


立花義秀も藤田重綱から秩父に追放された時の苦労を聞きました。

前橋上杉家の筆頭宿老、長尾憲長の悪辣な施政に腹が立ちました。


泥酔軍師、立花将広が義憤の余り立ち上がります。「秩父の神様が仰られた!秩父を頼む!

これぞ天意なり!鉢形城を脅してやるくらいなら良かろう!立花家の軍勢は凡そ3万!鉢形城の目の前を通過して脅かして帰国してはどーだ?戦にしなければ良いだろう?

兄上?どうだ?」


義秀も面白いと顔が緩みます。

「ぶはははは!面白い!3万の軍勢で脅して帰国か?やるか?」


宴会の場が盛り上がりました。

「やるぞぉー!」

「やったるぞぉー!」

藤田家の家臣達が大喜びでした。

来賓の神社、寺院関係者も手を叩いて喜びました。


宴会は盛り上がり、参加者は泥酔続出しました。泥酔軍師、立花将広は目論見が上手く嵌まりご機嫌の夜となりました。


松千代は酒の席を嫌い、中老の岡本政國を捕まえて明日やらなければならない事を指示します。


「将國叔父さん、お爺は未だ藤田家とやって欲しい事、細かい取り決めしてないよね?

神様の事で少し頭がちがうほうに向いてるからね、よろしくね!」

と子供らしい言葉で釘を差しました。

(笑)


「松千代様、ごもっともにございます!

明日、殿様に必ず申し上げます!」


冷静な松千代に驚かされる政國でした。

泥酔軍師、立花将広、やっぱりお酒を武器に巧みに願望を実現に持ち込みます。


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