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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1544年(天文13年)4月29日、岩槻城に古河公方軍首脳が集結、和議成立後に何やら嵐の予感?!

下総八千代方面から危機を脱して岩槻城に到着した古河公方、足利晴氏、梁田高助は鳩ヶ谷城、舎人城周辺の戦いで味方の軍勢が敗北を知りました。

和議交渉が成立して味方の軍勢が岩槻城に向かっている事が判明しました。

1544年(天文13年)4月29日


─岩槻城─

前日28日、昼過ぎに岩槻城に到着した古河公方軍本隊は味方の軍勢が鳩ヶ谷方面から岩槻城に向かってる事を知りました。


梁田高助は岩槻城に集まる味方の軍勢に権威を見せる為、戦支度の布陣を済ませて待機しました。


やがて山内上杉勢、越後勢、など次々到着、城の郊外に布陣します。


梁田高助の指示で古河公方軍本隊を示す軍旗を高く掲げ、威勢を示した姿は効果がありました。

高助は鬨の声を挙げさせました。

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!


鳩ヶ谷、舎人方面から岩槻城に到着した味方は汚れて疲れた兵士達でした。


古河公方軍本隊は元気な姿を見せる演出で味方の軍勢を迎えました。負けて落ち込む味方の兵士を鼓舞する事で行軍してきた兵士達も声を合わせて鬨の声を挙げ始めます。

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

兵士達に明るさが戻りました。

生きて帰れた喜びを感じました。


夕刻までに総勢4万を越える軍勢が岩槻城郊外に布陣しました。



─4月29日─


─岩槻城本丸─

古河公方軍の首脳会議が招集されました。


古河公方家、足利晴氏、梁田高助

野田弘明、一色直頼、


山内上杉家、上杉憲政、長尾憲長


越後上杉家、上杉英房、本庄実政


岩槻太田家、太田資正、立川明和


扇谷上杉家、上田朝直、


古河公方軍を形成した連合軍の首脳、11名です。

鞍替えした新参者の太田資正と扇谷上杉家から唯一参加した上田朝直は気後れして小さくなっていました。


会議の冒頭、古河公方軍本隊が下総方面で成し遂げた成果を伝えます。

小弓公方家、里見家、立花家の連合軍を破り、小弓公方家の領地の大半を獲得した事、船橋方面に転戦して立花軍主力と決戦、敗れたが軍勢を再編して八千代、船橋方面にて、6つの城を攻略して千葉家の領地の一部を回復した後、野田城経由で岩槻城に到着したと、かなり都合の良い成果を知らせました。


岩槻方面の指揮を勤めた山内上杉家宿老、長尾憲長から和議の証書が提出され、戦いの経過説明がありました。


梁田高助の懸念は船橋方面の千葉勢が今、どんな状況なのか?心配がありました。

幸い、会議に出席している中に気にする者は居ません。

半ば放置して戦場を離れた事実を隠して会議の主導権を握りました。


戦いの論功行賞をハッキリしないとなりません。

岩槻太田家が服属する前に攻略した宮代城は野田弘明に与えられ、春日部城を一色直頼に与えました。


蓮田城は山内上杉家が攻略しました。蓮田城の管理は山内上杉家に託されました。

長尾憲長は落城した舎人城主、舎人重貞が納得すれば、蓮田城主を任せる約束をしていましたが、本人が固辞した為、自分の2番目の弟、長尾時長に蓮田城主を任せる事にしました。


これで岩槻太田家の領地の北側に古河公方軍の重臣が配置される事になりました。

太田資正から人質として2歳の嫡男と妻を預かっていましたが、嫡男は古河城にて預かる事になりました。正室は扇谷上杉家の家臣、難波田家の娘です。味方の陣営なので解放が決まりました。


側室に関して、長尾憲長から指摘がありました。立花家と同盟している滝山城の大石家、前当主、大石定久の娘が側室として岩槻城に留まっていましたが、離縁して滝山城に帰す事が決まりました。

立花家との外交窓口に使命されている鳩ヶ谷城主、太田正義を通じて連絡します。


やがて会議が終わり、梁田高助は長尾憲長に声を掛けられ、二人だけになりました。


長尾憲長が切り出したのは山内上杉家の当主、上杉憲政を隠居させて越後国主の弟、上杉英房を新しい山内上杉家当主に迎える事でした。


越後国主、上杉房朝の承諾書を見せて梁田高助に越後勢の援軍8000が遠征してきた理由を理解させました。


「長尾殿?血を流す事になりませんか?」

不安を抱く梁田高助に平然としている長尾憲長は不敵に笑います。


「フフフ、血が流れるのを恐れては何も出来ぬ、これからの関東管領山内上杉家には越後国主の軍勢が背後にあり!」

「以後、お忘れ無きように!」


脅しとも取れる不敵な笑いでした。

「梁田殿、公方様にも宜しくお伝え下さい!それでは!」


それだけ伝えて立ち去る長尾憲長の姿を見送る高助に不安がよぎります。

長尾憲長に山内上杉家が乗っ取られ、傀儡の越後国主の弟を使い、暴走する予感がしました。
















ついに長尾憲長は山内上杉家の当主の入れ替えを実施する様です。


血を流す事になるのか?


さて、間も無くそれがはじまります。

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