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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1544年(天文13年)4月26日、鳩ヶ谷城主太田正義は降伏勧告に何と回答するのか?

鳩ヶ谷城の戦いは乱戦になりました。

最後に立花義國の軍勢が現れ、古河公方軍は赤山城方面に退却しました。


立花義國は鳩ヶ谷城主、太田正義に降伏を勧告、回答は26日早朝になる事が許されました。


1544年(天文13年)4月26日~


早朝の鳩ヶ谷城から降伏勧告に対する回答がありました。城主、太田正義は降伏を拒絶、太田道灌の子孫の名に掛けて最後まで戦う!との回答でした。


─立花義國、立花将広─

鳩ヶ谷城前に高さ3mの簡易展望台に上り、朝食にお握りを食べながら鳩ヶ谷城を眺めています。


「叔父上、やはり時間稼ぎでした。想定通り降伏を拒絶して来ました。」


「そうか、まぁこちらは急がないからなぁ。」


昨夜は深酒した泥酔軍師、将広はお茶を啜りながら呑気に構えています。

古河公方軍の兵士の半数以上が徴発された農民ですから、田植えの季節が迫り、帰国したいはずです。


「叔父上、降伏を拒絶した鳩ヶ谷城を父上(立花義秀)は許すでしょうか?」


「さて、死地にありながら拒絶する心意気が気に入るかも知れんな?」

「もしかしたら、和議を考えるかもしれんな?」


「叔父上、有り得ます!昨日大敗して上杉憲政、長尾憲長も落とし処を思案するでしょう?」


「だははは!大いにあり得るぞ!滝山城の戦い、石神井城の戦い、座間城の戦い、全て和議の結果、後始末が大幅に楽になったからな!」


「叔父上は滝山城の戦いと座間城の戦いを勝利に導き、二つの戦いで和議を纏めた功績で立花家の英雄ですから、和議の交渉役になるかもしれませんよ?」(笑)


「義國、今回の和議交渉は重みの桁が違う!」

「古河公方家、関東管領家、扇谷上杉家が絡む大事になる故、兄上(立花義秀)と政家(筆頭宿老、鹿島政家)が纏めるに違いない!」

「後はゆっくり酒を呑ませて貰うぞ!」


「では、叔父上、鳩ヶ谷城は包囲したまま、父上の指示を待ちます。佐伯勢と三田勢の12000を赤山城の越後勢、山内上杉勢の押さえに廻し、鳩ヶ谷城の北側に布陣させます!」


座間城の戦いの頃の立花義國は叔父の立花将広に頼り切っていましたが、最近は漸く自信を掴み、自分から決められる様になって来ました。



─舎人城付近、立花義秀本陣─

─立花義秀、鹿島政家─


嫡男、立花義國から鳩ヶ谷城の城主、太田正義は降伏勧告を拒絶したと報告がありました。


「殿、鳩ヶ谷城の始末ですが、如何いたしますか?」


「気概のある武将だな?太田道灌の子孫の名に掛けて!と来たか?」

「だははは!太田資正に聞かせてやりたい言葉!

いや、太田道灌公に聞かせたい言葉だそ!」

義秀が嬉しそうに笑います。

敵ながら勇敢な武将を気に入った様子でした。


「そうだな、義國へ伝えよ!鳩ヶ谷城は攻めずに

包囲せよ!赤山城方面の警戒を続けろ!」

「以上だ!」


「はい、承知いたしました。」


「さて、婿殿が舎人城を攻める様子を見せてもらうぞ!」


立花義秀は何か考えてるかもしれません。

鳩ヶ谷城の包囲と赤山城方面の警戒を命じ、城攻め2日目の舎人城攻めを眺める様です。



─舎人城─


早朝から攻撃が始まります。

城の東側から江戸太田勢、西側から畠山勢が攻撃します。


前日に苦戦の原因になった逆茂木対策に忍び部隊の鍵縄を改良しました。

逆茂木に引っ掻け向きを変えたり、引っ張り移動させたり出来る様に鍵の形を逆茂木仕様に工夫しました。


盾と弓部隊に守られながら忍び部隊が鍵縄を投げて鋭い先端の方向を安全な方向に向けました。

邪魔な逆茂木の向きを変えただけで状況は寄せ手が押し始めました。


東の太田勢、西の畠山勢は一つ一つ逆茂木の向きを変え、移動させて突破します。次第に城門に迫ります。


東の城門前を守る長尾憲長の弟、長尾秀長は味方を鼓舞して必死に守ります。彼は兄から舎人城を託され、必死に守りました。


西側の江戸太田勢は西側の城門付近まで迫るや門から離れた土塁の塀や板壁に鍵縄を掛けて忍び部隊を城内に侵入させて塀と板壁を壊して寄せ手の軍勢を城内に導きました。


太田勢は城内深く侵入すると岩槻太田勢に降伏する様に呼び掛けました。岩槻太田家の兵士達が親戚の江戸太田家ならば酷い仕打ちはしないと考え、次々降伏します。

本丸に突入した江戸太田勢に城主、舎人重貞は降伏しました。


東門前で必死に戦う長尾秀長に城主、舎人重貞の側近が降伏した事を伝えると長尾秀長は抵抗を止めて降伏しました。


舎人城は陥落、江戸太田家の新当主、太田景資も初陣に続いて二つ目の城を攻略して十分に貢献しました。


─立花義秀本陣─


立花義秀の本陣に寄せ手の畠山忠國、太田景資が呼ばれました。

彼ら両名は中曽根城、舎人城の二つを攻略した事を称賛され、義秀から直接杯に酒を注ぐ誉れを与えられました。


やがて、舎人城主、舎人重貞と長尾秀長の二人が呼ばれました。

二人は捕縛される事も無く、立花軍の武将達の前に招かれました。


立花義秀は正々堂々戦った事を褒めました。意外な事に二人の武将が驚きます。

立花義秀は間も無く田植えが始まるから、農民や全ての関東の民や領主達の為に和議を提案したいと申し出ました。


長尾秀長に和議提案の書状を託し、赤山城の兄、山内上杉家宿老、長尾憲長に届けて欲しいと頼みました。


長尾秀長は快諾、赤山城へ向かいました。



─赤山城、─

─山内上杉憲政、長尾憲長─

舎人城から長尾秀長が到着、書状を届けました。

宿老、長尾憲長は弟が来た事に驚きますが、和議かな?と直ぐに理解しました。

ニヤニヤする長尾憲長は書状を上杉憲政にも見せました。


「憲長?和議の提案だぞ!立花家も田植え優先が本音じゃないのか?」

まだ、21歳の若い上杉憲政は単純に考えます。


「まぁ、舎人城が2日目まで頑張ってくれたからな、秀長も頑張ってくれたから神様の思し召しかもな?」

「立花家も事情があるかもな?」

和議提案の機会を伺っていた憲長に立花家から和議提案が来た事に嬉しさが耐えれない様でした。


「じゃあ、誰が交渉に行くんだ?

俺は行かないからな!」


相変わらす無責任な憲政に半ば諦めながら長尾憲長は決めました。

「それでは越後守護職、上杉房朝様の弟君、越後勢の主将の英房殿を連れて参るぞ!」


長尾憲長は越後国の上杉家の権威まで引き出して和議交渉を有利にしたい目論見がありました。


長尾憲長は越後勢の実力者、本庄実政に事情を伝え、上杉英房、本庄実政、長尾憲長の3名で和議交渉に行く事に決まりました。


「あれ?太田資正は行かなくて良いのか?」

無神経な発言に場が固まります。


「お屋形!太田資正の裏切りから招いた事態に本人を連れて行くなんてアホか!」

つい、大勢の前では控えていた傲慢な態度が出てしまう憲長に上杉憲政がびびりながら答えます。


「そうだな、すまん!無理だよな?」


周りも唖然としますが、実力者の長尾憲長を押さえられません。

3名が長尾秀長の案内で舎人城に向かいました。


─鳩ヶ谷城付近─

─立花義國、立花将広─

立花義秀の本陣から和議交渉に入ると連絡が来ました。


「叔父上、舎人城が陥落して和議交渉になりました。鳩ヶ谷城の件が切っ掛けになるかと思いましたが、父上は別の考えが有るみたいです。」


和議と聞いて既に焼酎に手を付けている将広。

「まぁ、これで楽しく焼酎が呑めるから良いじゃないか?」

「鳩ヶ谷城の太田正義に焼酎でも贈るか?」(笑)


「叔父上、流石に早すぎます!和議成立迄待って下さい!」(笑)


「だははは!和議成立迄、たっぷり呑むぞ!」


「はい、はい、叔父上は1月の品川城の陰謀を破壊して古河公方家と山内上杉家の野望を砕いて以来、3月に滝山城に攻め込んだ山内上杉軍を迎え撃ち、実質総大将として粉砕しました(笑)、4月上旬には座間城で北条氏康の軍勢を叔父上の策に嵌めて撃破しました。」


「先日は岩槻太田の裏切りで我らを死地から救い、川越城を掠めて脱出する離れ業に救われましたから、好きなだけ呑んで下さい!」(笑)


「じゃあ、お前も呑め!」(笑)


「いえ、和議成立まで我慢します!」


─義國は過去に酒で失敗して父、何度も義秀から叱責されてるので流石に懲りていました。


鳩ヶ谷周辺の立花軍、鳩ヶ谷城にも和議交渉中と通知されました。




















岩槻太田領内の戦いが続くのか?終わるのか?


田植えを控えた季節に朗報となるでしょうか?


双方が納得する形で纏まるのでしょうか?


長尾憲長が越後国主の弟、上杉英房を連れてきた目的は?


交渉内容が気になります。

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