1544年(天文13年)4月23日、古河公方軍本隊が大敗した今、岩槻方面の実質的司令官、長尾憲長はどーする?
2日前、古河公方軍本隊が鎌ヶ谷、船橋決戦に大敗した事が岩槻城に漸く情報が入ります。
岩槻方面の古河公方軍司令官は実質、関東管領、山内上杉家の宿老、長尾憲長です。
彼の判断は?
立花軍は岩槻太田家の離反を黙認しません。
南側から侵攻する様です。
1544年(天文13年)4月23日~
─岩槻城、─
早朝に鎌ヶ谷、船橋方面の古河公方軍本隊が大敗した知らせが入りました。
小弓公方軍に圧勝してる本隊は立花軍にも勝利すると考えていました。
早朝から城内は騒然となりました。
─山内上杉憲政、長尾憲長─
お屋形!古河公方軍本隊が負けて、足利晴氏が千葉家の本拠地まで逃げたぞ!
憲長?公方様は生きてるのか?
まぁ、生きて本佐倉城に向かったらしいが確認は取れて無い!
立花軍が南から来る可能性がある!
岩槻太田家が潰れない程度に支援して、立花軍を南部で押さえる必要がある!
岩槻太田なんて放置すれば良いじゃないか?前橋へ戻れば良いじゃないか?
あほ!お前は関東管領だろーが?
岩槻太田家の南側なんぞ取られて構わぬが、領地の半分は確保してやらんと、岩槻太田家は立花家に呑み込まれ、古河公方家を脅かす位置まで勢力を拡大してしまうだろーが?
関東全体の事を考えろ!
わかった!我慢する!
─ヤ●ザの親分みたいな風貌の長尾憲長に罵倒されてビビる憲政は21歳、人生の荒波を凌いで生きてきた長尾憲長は41歳、迫力に圧倒されて抗えません。
川越方面に向かった立花義國の軍勢は狭山方面に向かった事が判明、長尾憲長は川越方面に向かわず、岩槻太田家の南部を狙ってると判断します。
越後勢と上田朝直の軍勢10000を浦和城に向かわせました。
さらに、野田、一色勢10000を草加城へ向かわせ、山内上杉勢と太田資正の軍勢を率いて長尾憲長は総指揮を取るべく、赤山城(川口市)に向かいました。
─長尾憲長、指揮下古河公方軍配置─
浦和城→越後勢、上杉英房勢、上田勢10000
草加城→野田勢、一色勢10000
赤山城→山内上杉勢、岩槻太田勢12000
─立花義國、立花将広─
志木、朝霞方面に行軍中、2日遅れで吉報が入りました。
立花義秀率いる立花軍本隊が古河公方、足利晴氏の本隊を破り圧勝した事が知らされました。
扇谷上杉家との国境を行軍中に立花領内の城から次々吉報が入りました。
叔父上、父上(立花義秀)達が頂上決戦に勝ちました。
古河公方、足利晴氏は千葉家の本拠地まで逃げた様です。
流石、我が兄、我が立花家の当主だ!
義國、兄上は裏切った岩槻太田家を許さぬだろう。
松戸方面から攻めるはずだ!
こちらは志木城、朝霞城を攻める事を知らせる使者を向かわせた!
連携して岩槻太田家を成敗するぞ!
はい、それでは、川越城の扇谷上杉朝定に知らせてやりましょう。
古河公方軍本隊が鎌ヶ谷、船橋方面で大敗、逃亡!
立花軍は岩槻太田家征伐に向かう!
扇谷領内の村、神社仏閣に情報を流すだけで慌てて川越城に急報するでしょう。
良いだろう。
義國の好きな様に噂を流せ!
上杉朝定は優柔不断な奴だから、悩んで川越から出ないだろう?
(笑)
─立花義國の軍勢、総勢24000
志木城攻略部隊、三田勢5000
朝霞城攻略部隊、佐伯勢7000
予備部隊、立花義國本隊12000
立花義國が率いる軍勢は志木城と朝霞城を目指して進軍しました。
─松戸方面立花軍─
岩槻太田家、太田資正は古河公方軍に領内に侵攻を受けて立花家に援軍を要請していながら、古河公方軍に寝返り、嫡男、立花義國の軍勢を危機に晒しました。
立花家は江戸太田家領内に事実を公開、江戸太田家と立花家が岩槻太田征伐を行うと宣伝しました。
鎌ヶ谷、船橋の戦いが終わり、領地境の高城義春が立花家に服属する大名として味方になりました。
治安維持の為、大野城、松戸城に宿老、本多広孝の軍勢5000を残し、高城義春は船橋城に4000の軍勢で守備を固め、本佐倉城へ退却した古河公方軍に備えました。
万が一にも古河公方軍の反撃を許さない対応を採りました。
─早朝、松戸城─
─立花義秀、鹿島政家─
殿、岩槻太田家の攻撃目標ですが、松戸を起点にした場合、花畑城(足立区)と中曽根城(足立区本木)が候補に上がります。
江戸太田家の船で江戸川、中川を渡ります。
花畑城を新納勢、高城勢12000
にて攻撃します。
我が本隊12000は1里強(5キロ)西へ離れた中曽根城を攻めるのが宜しいと思います。
松戸の渡しから荒川を太田家の船で渡り、中川も船で渡ります。
江戸城から出撃する畠山勢、江戸太田勢12000は太田景資殿が初陣です。北千住周辺から安全に船で渡り、我が本隊と同じく中曽根城を攻撃するのが宜しいかと思います。
我が本隊が北千住周辺の対岸で援護すれば渡河する畠山勢、太田勢も安全です。
政家、それで良いだろう。新納勢、江戸城の畠山忠國、宇田川勝長に手配してくれ!
早朝から新納勢が松戸の渡しを船で渡ります。昼過ぎに渡河完了、8キロ先の花畑城に向かいました。
昼過ぎから立花義秀の本隊が船で渡ります。夕方日没前に渡河を完了、
中川の河川敷に布陣しました。
─立花義秀、鹿島政家─
狭山から志木城、朝霞城を目指す立花将広から連絡が繋がりました。
殿!将広様から使いが参りました!
岩槻太田領から無傷で荒川を渡り、川越城を掠めて狭山を経由して国境沿いの兵力を結集!志木城、朝霞城を攻撃します!
義秀は将広からの書状を受け取り、笑い出しました。
だははは!将広の奴め!
扇谷上杉家との国境沿いの城から兵力を補充して青梅の三田綱重に5000を預けて反撃を始めおったわ!
総勢24000!
ほぉ、志木城と朝霞城を攻めると判断したのは義國か?
なかなか良い場所を選んだじゃないか?
はい、岩槻太田家の西南の端です。
楽しくなりそうですな?
政家、志木城、朝霞城を攻略したら北に向かい、浦和城を狙えるし、東の赤塚城、戸田城は内応確約済みの城だからな、正式に立花家に所属させるぞ!
戸田から蕨城に軍勢を向かわせるのも良し!
漸く、こちらが有利になったな?
(笑)
殿、締めくくりをどこに設定するかですな?
岩槻城まで取るには時間が掛かりすぎます。
間も無く関東全域が田植えの季節です。岩槻太田のお仕置きは、占領地の民に恨まれぬ程度に納めなければなりません。
あぁ、そうだな、西側と南側を数ヶ所頂いて終わるとするか!
はい、それで宜しゅうございます。
岩槻方面の古河公方軍を指揮する長尾憲政が立花義秀と直接対決になりそうです。
長尾憲長はどこまで軍勢を操れるのか?
岩槻方面古河公方軍32000
立花軍は合計60000
立花軍がやっと優勢になりました。




