1544年(天文13年)4月22日、鎌ヶ谷、船橋方面の戦いで古河公方軍大敗、千葉氏の本拠地、本佐倉城まで逃げました。立花義秀は追撃せず、優先すべき事に切り替えます。
立花軍が古河公方軍に完勝しました。
立花義秀は堅実に優先すべき事に集中します。
古河公方、足利晴氏の首よりも優先したい事がありました。
1544年(天文13年)4月22日~
前日、鎌ヶ谷、船橋方面の古河公方軍、立花軍の戦いは立花軍の圧勝に終わりました。
古河公方軍31000
死者3000、負傷5000
損耗率25%
立花軍37000
死者800、負傷1300
損耗率5%
古河公方軍は敗走を始めてから5キロほどの追撃を受けました。殿軍は崩壊、多数の死傷者を残して千葉家の本拠地、本佐倉城方面を目指します。八千代方面に逃走した軍勢は日没の為、恐怖に怯えながら一夜を明かしました。
22日早朝から出発して本佐倉城を目指しました。
─船橋城、高城義春、馬込和長─
殿?昨日は夢の様な1日でございました。
完敗して降伏、命を繋がれるとは思いませんでした。
そうだな、和長、首を切られると覚悟したのに、独立した大名に取立てて頂けるなど、破格の待遇に驚いた!ご先祖様もお喜びだろう?
はい、立花家に感謝しかございません。
そうだな、千葉家に従い、宿老、原一族の配下で数百年もご先祖様が耐えて頂いたのがついに独立した大名に取立てて頂いた。
高城家の領地全て没収するのが常識だろう?
本領安堵に加え、湊の整備、城の修繕や改築まで支援を頂けるのだ!
俺は立花義秀様の為に働くぞ!
はい、高城家の将兵全てが同じ気持ちかと思われます!
─立花義秀、鹿島将広─
殿、大敗した古河公方軍は千葉家の本拠地、本佐倉城に向かった様です。
高城義春をこちら側に引き入れたのは殿ならではの慧眼でございます。
古河公方家の直属配下の大名で最大勢力の千葉氏の隣に防壁が出来ました。
上総の里見家と挟む形で千葉家の軍事力を分散する事が出来ます。
まぁ、江戸太田家を二度大敗に追い込み、当主、太田資高を黄泉に送り、弟の太田資義を謀反に導き、江戸太田家を手玉に取った手腕が見事だったからなぁ。
死なすには勿体無い、大きな軍団を任せてみたい武将に見えたから欲しいと思った。(笑)
はい、有能な武将です。千葉一族、原一族の内情に詳しいでしょうから切り崩してくれるでしょう。
さて、大野城へ参る!
高城義春を連れて詳細を確認する!
太田資高を裏切った太田資義の始末を付けるぞ!
─大野城に移動した立花義秀は太田資義が兄、太田資高を裏切り、江戸太田家の家督を奪おうとした背景を確認しました。
謀略を仕掛けた高城義春本人が控えています。詳細が判明しました。
太田資高は兄、資明と対立していました。
兄は8年前に家督を相続しましたが、古河公方家の支援を受けて兄を追い出して資正が家督を相続しました。
しかし、今年の1月に立花家と同盟を結び、古河公方家を裏切った事が許せず、兄から家督を奪う決意をした事が判明しました。
同調した重役が多かった事から相続に関わる闇の深さは深刻でした。
高城義春の誘い応じた重役は全て判明しています。
謀略を仕掛けた本人が立花家に臣従しましたから、全貌が明らかになりました。
立花義秀は直接裁定を下さず、
筆頭宿老、宇田川勝長、太田資高の末の弟、太田資貞と数名の重役に最終処分を委ねる事にしました。
暫く協議した彼らは首謀者、資義の切腹、同調した重役の切腹と改易を決めました。
彼らは義秀に処分の報告に加え、嫡男、太田景資の家督相続にあたり、立花家から姫を嫁にと懇願されました。
弟の離反から当主を失い、兵力も消耗して江戸太田家の力は大きく低下しました。幼き当主の後ろ楯が必要と悟った宿老と太田資貞は立花家の血族を必要と考えました。
立花義秀は即答を避けて検討すると答えました。
江戸太田家の敵、高城家を味方に引き入れた立花家に解体されてしまう恐れを感じた宿老宇田川勝長に太田資貞が同調して重役達も危機を悟りました。
─立花義秀、鹿島政家─
殿、江戸太田家も危機を悟りましたなぁ?立花家に見切られる危機を悟り、先手を打って来ました。
どうなさいますか?
そうだな?
嫡男の景資16歳、母が山内上杉家の血筋だな?
次男の康資13歳、母は千葉家の血筋だな?
もし、嫁を取らすなら男勝り!尻を叩いて男を鍛える!
そんな娘が一族におったら養女にして嫁がせても良いぞ?(笑)
殿?楽しそうですな?
養女でよろしければ立花一族、特別な家柄の藤原家、日奉家または、宿老一族から探しますが?
お爺ぃーぃー!
来たよぉー!
松千代が美人侍女を引き連れて現れました。赤と黒の華美な軍装の侍女に抱っこされて登場です。
お爺ぃーぃー!
─スタスタ駆け寄り義秀の胸に飛び込む松千代に満面の笑みの義秀─
あのねぇ、江戸のおおたさんにお嫁さんほしいでしょう?
すてきなお嫁さん、大神様がいいお嫁さんあるのおしえてくれたのー!
猿渡のお爺様のね、しんせきのね、
美樹ちゃんだよー。
だはははー!松千代?
大國魂神社の大神様が夢で教えてくれたんじゃな?
猿渡家のご老公様の親戚の美樹ちゃん?松千代は知ってるのか?
知ってるよぉー!
ほらぁ、滝山城の大石のおじさまが、大國魂神社に来たときに本多のひろたかおじさんとぉ、おはなししたから美樹ちゃんと本多のひろたかおじさん仲良しだよー。
ん、滝山城の大石定久が大國魂神社に来た時だな?将広の次男が滝山城の大石家に婿入りする切っ掛けになった出逢いの時に本多広孝と美樹に面識があるんだな?
そぉーだよ、しりあいだょ、ひろたかおじさんに聞いてみたら?
─本多広孝が呼ばれて猿渡家一族の娘、美樹について訪ねると、理想的な年頃の17歳、美人で不思議な魅力の持ち主と判明しました。
─立花義秀、本多広孝─
広孝?美樹は猿渡家のご老公の親戚の娘なんだな?
はい、猿渡家の血筋で巫女の仕事に就いております。
私が公務で大國魂神社に参りますといつも気配りの出来る素晴らしいお嬢様でございます。
我が息子の嫁に貰いたい程にございます。
だははは!
広孝の息子の嫁に欲しい程か?!
わかった!
大神様が松千代に伝えたほどだ!
江戸太田家の嫡男が家督相続するにあたり、猿渡家の一族の娘、美樹を養女に貰い受けて立花義秀の娘として輿入れさせる!
府中に戻ったら大國魂神社に出向き、ご老公様に頭を下げてお願いに参るぞ!
─立花義秀は弱体化した江戸太田家を転封させて解体に近い形にするつもりでした。江戸の将来は日本の首都になる可能性があります。
歴史の流れがどうなるか不明ですが、江戸城を確保したい気持ちは変わりません。
─義秀は江戸太田家筆頭宿老の宇田川勝長に嫡男、太田景資に立花家の一族から養女を取り、9月から10月に輿入れさせると回答しました。
宇田川勝長は安堵した様子で大いに喜びました。
─立花義秀、宇田川勝長─
勝長、岩槻太田家の裏切りを聞いてるだろう?
はい、同族の裏切りに心苦しいばかりです。
お手伝いする事があれば何なりと仰せ付け下さい。
そうだな、岩槻太田領に渡河せねばならぬ故、江戸太田家の渡し船や船着場の協力を頼みたい。
さらには岩槻太田家の南部の城を確保したいと考えている。
補給の協力を頼みたいのだ。
見返りに岩槻太田領の城を預けたいと考えておる故、立花家の縁者として活躍して貰いたいのだ。
はい、補給や渡し船等何なりと仰せ付け頂ければ全力であ支えいたします。立花家の縁者に恥じない働きを致します!
良し!筆頭宿老、宇田川勝長!
新当主、太田景資殿を立花家が支援致す故、安心なされよ!
暫くは補佐役に亡き資高殿の三弟、太田資貞殿に幼き当主を導いて貰うぞ!
はい、有り難き幸せにございます。つきましてはこの機会に新当主、太田景資の初陣に岩槻太田家との戦いを選びたくお願い申し上げます!
なんと!
新当主の初陣を岩槻太田攻めに選ぶのか?
はい、先日、我が江戸太田家の二弟の太田資義が当主を殺害して古河公方家に靡きました。
立花家に歯向かったにも関わらず、寛大な処置にて納めて頂きました。
ここで新当主が誠意を捧げて誠意をご覧頂きたく、初陣の機会をお与え下さい!
わかった!
宇田川勝長!太田勢を率いて江戸城に向かえ!婿殿の初陣の支度をして待機せよ!
立花家から畠山勢7000の軍勢を遣わす故、婿殿の指揮する軍勢として岩槻太田領に進撃だ!
総勢1万になるだろう
盛大に初陣を飾って参れ!
ははぁー!
恐悦至極にございます。
このご恩は忘れません!
ついでに軍資金と初陣の支度金を江戸城に届ける故、好きに使え!
ははぁー!有り難く頂きまする!
─宿老、宇田川勝長は満面の笑みで江戸城に向かいました。
─立花義秀、鹿島政家─
殿?たったの数日で環境が激変しましたなぁ?
裏切りから退路を断たれる危機有り、松千代様が現れ救われました。
古河公方軍を撃破して、高城義春を味方に引き入れました。
さらに転封縮小させるはずの江戸太田家に大國魂神社の大神様が嫁入りさせる夢のお告げに繋がりました。
だははは!
想定外だらけだな?
岩槻太田家が古河公方家に鞍替えしたから成敗せねばならぬなぁ?
江戸太田家を前に出して不義を正すと攻撃する流れになった。
殿?
江戸太田家に岩槻太田家を飲み込ませる手もありますが?
政家、流れ次第だな?
俺にも先の事はわからん!?
はい、いつも波乱の連続ですから、我らは自然体で参りましょう。
立花家には大國魂神社の大神様のご加護が有る故、心配はいらぬ!
松千代が助けてくれるからな!
(笑)
はい、左様にございます。
政家、江戸太田家の扱いが変わった事を畠山勢に周知せよ!
江戸城に初陣祝いと軍資金を届けてくれ!今どれだけ出せるんだ?
はい、5000貫(5億)ならば直ぐに届けます。(笑)
わかった!頼んだぞ!
はい、手配致します!
さて、岩槻太田家を懲らしめる!明日には出発するぞ!
はい、承知いたしました。
─大野城に非公式ながら立花家、江戸太田家の婚姻の話が伝わりました。江戸太田家の将兵が大いに喜びました。
思わぬ展開で江戸太田家の待遇が変化します。
明日から岩槻方面が注目です。




