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「……。耐久値が削れるほどの声をあなたが出せるとは思わないけど」
「元々古いからなぁ、この店も」
「……」
下を向き黙り込んでいるショコラをちらっと確認する。
「はぁ…」とため息をつきカンミに視線を移す。
「ま、いいでしょう。オブジェクトのリカバリーを行いますので建物から離れてください」
アリスはそういうと、小型のタブレットからガーデンカフェの座標を指定する。
すると、タブレットから横に一本、二本とスキャンするように店舗をなぞりはじめ、散らばったガラスがデータとなりやがて消滅する。
まるで雪が空に向かって降り地面に到達する前に消えるように。
やがて、その割れた窓ガラスは元通りの古く時代を感じさせる。
元通りになった店舗を眺め、うんうんと頷くとAPであるアリスに礼を伝える。
「いつもありがとうな」
「いつも?あなたはいつも店舗を破壊しているのですか?」
「そういう意味じゃねーよ」
「では、事件性もなくただの事故でしたので、私は戻ります」
この度は最後までご愛読ありがとうございました!
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