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初めまして、大阪阿倍野でテイクアウト・デリバリー中心のカフェを経営しております。
早冬カンミと申します。
空いてる時間を使って今回この様な作品を書かせていただきました。
初めての作品となりまだまだ文章力・語彙力が足りておりませんが暖かく見守って頂き貴重なご意見を頂けるよう精進していきたいと思います。
私はお店が出来るまでは頻繁にVライバーとして活動しており今でも他の配信者の方とのコラボ配信など行っておりました。
今はそんな余裕がないぐらいお店が忙しくこうして、暇を見つけては作家活動を勤しんでおります。
お店での出来事や交流を混ぜつつ過去のVライバーとしての活動をこの作品に落とし込んでいければと思っています。
Vライバーと言う特殊な人種がどう活かすか書きながらとても妄想が広がってとても楽しく毎日少しずつ書き進めています。
一人でも多くの方に次が楽しみであると思っていただける様に頑張りますのでよろしくお願いします。
時刻は午後15時。
時計をこのタイミングで見たら休憩を取りたいと思う人は少なくないだろう。
ここにも休憩を取りカバンからタブレットを取り出す青年がいた。
『カチッ』と事前に買った缶コーヒーの蓋を開け、タブレットでブラウザを立ち上げる。
そして、お気に入りに登録されている動画サイトを立ち上げ、可愛いキャラクターが描かれているチャンネルページを開く。
そこにはポップで可愛らしい音楽と共に、ウエイトレスをイメージさせる可愛らしい衣装を身に纏った、クリっとした青い瞳を画面に近づけた少女が映し出される。
目をパチクリと動かし、画面に映っている事を理解したのか「ハッ」とした顔をし、腰から上が映る位置まで下がる。
そして、スーッと息を吸いお決まりの挨拶。
「いらっしゃいませ!3時のティータイムは如何がですかー?クラウド商店街所属のめっちゃかわいいウエイトレスVライバーのフェルトシフォン店長代理だよー」
両手をパタパタとさせながら、少し照れたような表情で元気よく挨拶をするキャラクターに、自然と画面を見ている青年も思わず口角が上がる。
多いとは言えないが足を運んでくれる視聴者にコメントを一つ一つ読み、手を振り挨拶を交わしていく。
画面に写っている彼女のような2次元・3次元のバーチャル配信者。
Vライバーは動画サイトでの生配信を通じて視聴者と交流する者たちである。
その配信者がいまや星の数といっても過言ではない程存在する。
画面の前にいるこの青年はこのVライバーのファンの一人だ。
事前に買ったコーヒーを片手に彼女との交流を楽しんでいる。
しかし、中には数に隠れてしまい発見されることがないライバーも珍しくない。
その為、デビュー前にしっかりと個性を身に着けて自分の色をアピールする必要がある。
そんな、まだ生み出される前のVライバーが生活するバーチャル世界。
そしてこの世界に特化した施設。
『クラウド学園』
ここクラウド学園は移動ポータルの確立によりV世界全てのVライバーを統括しており、在学中の生徒数は8000を超える。
学科も有名な専門職(弁護士・医者・警察・政治家・お笑い芸人等)から、認知度が低く特殊な職(掃除のプロ・家電評論家・マンホール職人等)があったりこれがカテゴリーとして成立するのか?と思うようなものまであり全てのニーズに応えるべく希望が有れば随時追加して行くと言う何とも贅沢な施設である。
そんなクラウド学園高等部2年S6組のカフェ・喫茶店を専攻している、Vライバーデビュー前のフェルト・シフォンの物語である。