市内の西半分で1位のヒロイン
ツッコミ&ボケ「どうもー。よろしくお願いします」
ツッコミ「あれ、浮かない顔してるね、どうしたの?」
ボケ「いや、ちょっと仕事で困ったことになっちゃって」
ツッコミ「困ったことって。きみ、そういえば何の仕事してたっけ」
ボケ「わりかし普通のサラリーマンですけど」
ツッコミ「そうなんだ」
ボケ「実は来週、タレントの人に協力してもらってイベントをやるんです。うちの会社がちょっと出資した映画に出てくれた人」
ツッコミ「そうなんだ。きみ、イベントなんかやる部署なの?」
ボケ「そういう部署がないので、オレら総務が駆り出されるんです」
ツッコミ「そういうことなら、ちゃんと社会人として普通にちゃんとやればいいんじゃないの? ちゃんと」
ボケ「『ちゃんと』が多いな」
ツッコミ「ああ、タレントの人に来てもらおうにも、世の中の事情でできなくなったとか?」
ボケ「もともとリモート出演なので、それは変更ないですけど」
ツッコミ「それならいいんじゃないの?」
ボケ「映画にはヒロインが2人出ていて、イベントはそのうちの1人に出てもらうんですよ」
ツッコミ「はい」
ボケ「ところが、前にほかの部署がネットで呼び掛けて、映画の登場人物の人気投票をやっちゃってまして」
ツッコミ「はあ」
ボケ「その結果、今回出ない方の人が1位になっちゃってると」
ツッコミ「また余計なことをするね、ほかの部署」
ボケ「やったのは、今のところに異動になる前の私ですけどね」
ツッコミ「きみか。じゃあ仕方ないか。でも、そんな投票、なかったものとして進めたらどう?」
ボケ「そんなこと言わないで、練習に付き合ってくださいよ」
ツッコミ「じゃあやろうか」
ボケ「はい、今日はイベント、よろしくお願いしますう。ゲストのBさんです」
ツッコミ「どうも、Bですう」
ボケ「ちょっと待った。Bさんは40代なので、それだと軽すぎです」
ツッコミ「最初に言っといてよ」
ボケ「それではよろしくお願いします。ええ、Bさんが演じられた役は、映画の登場人物の人気投票で、惜しくも2位ということなんですけど」
ツッコミ「ハア? 何言い出すのこの人?」
ボケ「やっぱり会話が広がらないな」
ツッコミ「当たり前だろ! どうしてもそれに触れないといけないの?」
ボケ「投票結果も生かせないかと」
ツッコミ「イベントがうまくいくことに専念したら?」
ボケ「そんな、誰でもできるようなイベントにはしたくないんです」
ツッコミ「なんか燃えている」
ボケ「それではよろしくお願いします。ええ、Bさんは、映画の登場人物の人気投票で1位ということで、おめでとうございます」
ツッコミ「ちょっと待て!」
ボケ「なにか?」
ツッコミ「投票結果は2位だったのに、ねじ曲がってるじゃないか」
ボケ「2位だけど、確か1位と10票差まで付いてなかったから、私とあなたと、あと社員ちょっとに協力してもらえば逆転できるかと」
ツッコミ「そういうのはよくないだろ。来週までに投票ごとやり直したら?」
ボケ「ヤですよ。時間ないし、そこまで手間かけてられないし」
ツッコミ「『誰でもできるようなイベントにはしたくない』とか言ったくせに」
ボケ「やり直したらBさんが必ず1位になるなら、やってもいいですけど」
ツッコミ「結果ありきすぎる」
ボケ「世の中、与えられた物でやっていかなくてはならない局面って多いじゃないですか」
ツッコミ「じゃあ、じゃあさ。前回の投票結果を分析して、Bさんが強みを見せた区分を抜き出したら?」
ボケ「それではよろしくお願いします。ええ、Bさんは、人気投票で50代男性と、60代男女では1位を獲得されまして」
ツッコミ「うーん、ナンだな」
ボケ「ナンですね」
ツッコミ「ほかのはないの? 投票者の居住エリアで分けるとか?」
ボケ「それではよろしくお願いします。ええ、Bさんは、市内に区が8区あるうち、西半分の4区で1位を獲得されまして」
ツッコミ「うん、まあ、これなら比較的ましかな?」
ボケ「ましですかね?」
ツッコミ「もういろいろと、しょうがないか」
ボケのスマホに電話かかってくる
ボケ「もしもし、え、そうなんですか、うわあ、よかった」
ボケ、電話切る
ボケ「ほかの部署の人から電話で、ヒロインの人が2人ともイベントにリモートで出てくれることになりました」
ツッコミ「よかったね。イベントの入りで気を使うことが減りそう。でもイベントって、入りだけが重要なわけではない気もするけど」
ボケ「それではよろしくお願いします。ええ、Bさんは市内に区が8区あるうち、西半分の4区で1位。Aさんは東半分の4区で1位を獲得されました」
ツッコミ「Bですが、うれしいです。って、そんな紹介、やっぱまずいだろ!」
ボケ「そうですね」
ツッコミ&ボケ「どうもありがとうございました!」




