♥ セセンテレン城 1 / 第11王子の自室 1
──*──*──*── ランビュサダレ大陸
──*──*──*── セセンテレン大国
──*──*──*── セセンテレン城
──*──*──*── 第11王子の自室
第11王子
「 ──どうだろう?
僕のお気に入りの紅茶なのだが?
態々≪ ガライガン大国 ≫から取り寄せたんだ! 」
セロフィート
「 ………………。
悪くはないです 」
第11王子
「 本当か?!
気に入ってもらえたか? 」
セロフィート
「 ………………。
そこそこには? 」
第11王子
「 そっ、そうか?
其は良かった!! 」
セロフィート
「 最高級品質の紅茶葉を使ってますし。
仮に淹れ方が救い様のない雑さだとしても── 」
マオ
「 セロぉ〜〜〜。
紅茶の淹れ方も知らない王子に淹れさせといてだな、其の辛口判定はどうかと思うんだけど? 」
セロフィート
「 紅茶をマグカップに注いで出してくれるマオに比べれば、未だ可愛いものです 」
マオ
「 言っとくけどなぁ、オレの方が未だ美味い紅茶を淹れれるんだからな! 」
セロフィート
「 直ぐに抜かれます。
ゼルさんは筋が良いですし。
きちんと紅茶専用のティーカップへ注ぐ常識を持ち合わせてます 」
マオ
「 ──ぐぬぅっ…!!
マグカップの何が悪いんだよ〜〜〜!!
セロだって、『 美味しいです♪ 』って笑顔で飲んでくれてるじゃないか! 」
セロフィート
「 ワタシは王族ではないですし。
ワタシにマグカップで出す事には何の問題もないです。
唯…、ゼルさんは王族です。
王族の皇子が王族の王子にマグカップに注いだ紅茶を出す事が問題です。
紅茶のマナーは全大陸共通です。
紅茶をマグカップに注ぎ淹れるお馬鹿さんは居ません。
『 ≪ エルゼシア大陸 ≫の皇子は紅茶をマグカップに注ぎ淹れる 』と笑い者になる行為です。
マオは≪ エルゼシア大陸 ≫の代表者──皇子です。
皇子自らが≪ エルゼシア大陸 ≫の品位を下げる行為を胸を張ってしている自覚はあります? 」
マオ
「 ──うぅ……、其処迄の自覚はないけど……。
だけどさ、〈 皇 〉が不在中の≪ エルゼシア大陸 ≫とは何処の大陸も交流が出来ないんだから、別にいいんじゃないのか? 」
第11王子:ゼル
「 マオ、其は違うよ。
確かに〈 皇 〉が不在中の大陸との交流は一切出来ない。
其は僕等の≪ ランビュサダレ大陸 ≫も同じだ。
だけど──、〈 皇 〉から預かっている大事な大陸の品位を自ら貶める行為をする様な者は王国領にも帝国領にも居ない!
紅茶の淹れ方だから──と侮るのは良くない 」
マオ
「 …………そ、そだな…。
オレが間違ってた…よ? 」
セロフィート
「 おや?
{ 何故、疑問系です? }」
マオ
「{ うっ煩いなっ(////)}
其よりもだよ、何でセロとオレはゼルの淹れた紅茶を飲んでるんだ?? 」
セロフィート
「 いやですね、マオの忘れん坊さん。
ゼルさんはワタシに “ お願い ” をしました。
ワタシはゼルさんに条件を出しました 」
マオ
「 条件??
其ってどんな? 」
セロフィート
「 ワタシに美味しい紅茶を飲ませる事が出来たら、マオを貸す──と言う条件です 」
マオ
「 おいーーー!!
オレは、そんな条件全然知らないんですけど? 」
第11王子:ゼル
「 ご…御免な、マオ。
マオには内緒でセロッタさんに…お願いしたんだ(////)
恥ずかしい…お願いだったし…(////) 」
マオ
「 何で照れてんの?! 」
セロフィート
「 恥ずかしいお願いだからでしょう? 」
マオ
「 どんな “ お願い ” されたんだよ?
大体なぁ、 “ オレを貸す ” って何だよ!
ちゃんとオレにも説明しろよ! 」
第11王子:ゼル
「 …………言わなければ駄目か? 」
マオ
「 当たり前だろ!
オレの知らない密約で勝手に貸し出されて堪るかよ!!
オレは物じゃないんだからな!
ちゃんと理由を話せ!
オレはゼルの師匠だぞ! 」
第11王子:ゼル
「 そうだよな…。
うん……。
マオには剣術で鍛えてもらってるからな…(////)」
マオ
「 だから、何で照れるんだよ… 」
第11王子:ゼル
「 分かった。
マオにも話すよ。
マオに黙ってるなんて…フェアじゃないもんな… 」
セロフィート
「 ゼルさん…。
本当に話してしまって良いです? 」