第20話 圧倒的ステータス(笑)
よろしくお願いします。
※タイトルが19話になっていたので修正しました。
俺は、フローラが誘拐された場所に行っているとき、ラレスから敵の情報をいくつか聞いていた。
フローラを連れていったのは王宮の執事長であるセバスチャンで、正体は魔王軍の四天王の一人であるベノム・オストワルトという者であるということ、フローラを王宮から出した理由や今回誘拐した目的など、ラレスがいなければわからないはずの情報まで入手することができた。うん。マジで有能ですわ。
そんな有能なラレスでも、流石にベノムのステータスは確認することができなかったようだ。俺の鑑定スキルのレベルが上がればできるのかな。まあ、それは時が来るまで待ちますか。
さて、今俺の目の前には手足が縛られ絶望の淵にいたフローラと、いかにも悪役顔をしたベノムがいた。
「ここまで来てもらったのは本当に申し訳ございませんが、貴方には消えて貰わないと行けませんね。まさか、四天王のこの私に貴方が勝てるとでも?そんなことはあり得ませんね。」
ベノムはしてやったり顔で俺に向かって死刑宣告をしたようだ。あらあら、相手の力量を理解していないのにそんなこと言っちゃっていいんですか?
なら、俺はベノムの力を知りたいので鑑定しちゃいまーす。
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名前:ベノム・オストワルト
種族:魔族
年齢:385歳
レベル:468
HP:66899/66899
MP:86359/87578
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魔王軍四天王の一人。200年前の人魔大戦では人間側を圧倒し、勇者が現れるまで魔王軍側を優勢にした実力者。口調が優しく、人間の姿をしているときには有能な執事である。魔王に忠実な配下。
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あー、強いなー。すごいすごい。まさか普通の人の600倍以上のステータス持ってるなんて。すごいなー。
ってかこいつ、ドロシアよりも強いんじゃないか?レベルもドロシアより200近く高いし。流石、魔王軍四天王といったところか。
さあさあ、相手の力量を大体把握することができました。それでは、俺のステータスを見ますかー。
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名前:北条ハルト
年齢:17歳
性別:男
種族:人間
レベル:24
HP:98737584/98737584
MP:88882350/88888889
筋力:94867470
体力:92286136
防力:123499782
敏捷:89753801
魔力:89526487
魔耐:86984909
技能:
ユニークスキル:【倍加 LV1】
エクストラスキル:《鑑定 LV2》
《無限収納LV1》
《言語理解 LV1》
《回答者 LV1》
《情報隠蔽 LV2》
ノーマルスキル:〈HP自動回復 LVMAX〉
〈MP自動回復 LVMAX〉
称号:異世界転移者
最上級神の友人
スライムのライバル
スライムと戯れる者
ドラゴンの飼い主
スタンピードの覇者
自然破壊者
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圧倒的ステータス(笑)。やばい、ベノムがかわいそうだ。
おお、何個か称号が付け加わって、隠蔽のスキルのレベルが上がってるぞ。
多分この移動中に隠蔽を意識していたからレベルアップしたのだろう。
ベノムが俺の力量を知れないのもこの能力が上がったからかも。
それは置いといて、まずはベノムを倒さないといけない。
いくら圧倒的ステータスを持っていても、見えないステータスや技能がわからないから油断したら勝てないかも知れない。よし、油断するな。油断するなよ。
「それでは、貴方に逝ってもらいましょう。『魔弾』。」
ベノムがそういうと、ベノムの手から魔力の塊が出て、俺に向かってきた。
俺はちょっと集中すると、その弾丸がゆっくりに見えた。よし、避けようか。まさか、追跡機能とかはないよね?
この弾丸が当たるとどうなるかわからないので俺はそれを避けた。その弾丸は真っ直ぐ飛んでいって、後ろの壁にくっきりと穴が空いた。うわ、怖すぎる…
「まさか、これを避けるとは。これは驚きました。次こそ死んでもらいましょう。『死光線』。」
うわ、なんかくる!ベノムが発した光線は俺のステータスでも見切れるかわからないほどのスピードで俺に向かってきた。俺は体をくねらせ、その光線を避けた。ふー、避けれたわ。
「おお、これも避けてしまうとは、すごいですね。これを避けた人は、かの勇者を除けば初めてですよ。貴方には、本気で相手をしないといけなそうですね。」
ベノムがそう言うと、両手を広げ、10本の指からさっきの光線を打ってきた。マジかよ、あれが10本もかよ。
俺は10本の『死光線』を避けては避け、体を高速で動かし続けた。すると、いきなりベノムがこっちに拳を構えて走ってきた。う、これは避けられない。
「『爆裂拳』。」
すると、ベノムの手が爆発して衝撃波が襲ってきた。やばっ、吹っ飛ばされる!
…なんてことはなかった。
あれ?全くダメージを受けた気がしない。痛くもないし痒くもない。これ、攻撃受けても大丈夫じゃね?ちょっと試してみようか。
そして俺はベノムの攻撃を全て受けてみた。俺の体の至るところで音がバンバン鳴っている。
バンバンババンババンバンバンバン!なんかテンポいいな。
時々『魔弾』と『死光線』がプシュって当たってたけど、なんも問題がないようだ。
「はあ、はあ、はあ。これは、どういうことでしょうか。人間なら骨まで貫く『魔弾』、当たれば身動きが取れなくなる呪いをつける『死光線』、ぶつかれば体が爆発する『爆裂拳』を全て受けておいて、どうして平然としているのでしょうか。」
普通の攻撃はステータスで防いで、呪いとかは女神さんからもらった加護で状態異常が無効であるからかな。
「それじゃ、今度はこっちの番だぞ。」
俺は足に力を入れ、思いきり踏み込み…踏み込もうとしたが、何かがこっちに向かって走ってきたのを感じ、俺は力を抜いた。
『ハルト様〜〜!早すぎますよ〜〜!!』
ああ、ドロシアか。ドロシアがドラゴン状態でこっちまで飛んできた。俺が置いていっちゃったから遅れてきたのか。っておい、その方向はまずいぞ。
「ドロシア、止まれ!」
『ええ、ハルト様!どうしたんですかってあれ?なんかぶつかりましたよ。』
なんとドロシアはドラゴン状態でスピードを落とさずに、疲れ切っているベノムに体当たりしてしまった。うわ、ベノムめちゃくちゃ吹っ飛んだぞ。
「おーい!ベノム、大丈夫か?」
フローラ「私の出番は?」
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