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第16話 どんな三段攻撃ですかっ!






俺とこの国の王女さん(逃亡中)であるフローラ、アース・ドラゴンのドロシア(人化中)、そしてちょんまげカツラを被ったヨハンは、ヘリカルの街に戻ってきた。いや、フローラとドロシアは戻ってきてはないな。



まあ、それは置いといて、俺たち四人は今ヘリカルの冒険者ギルドにきていた。ヒナタ草採取の達成報告がメインの理由だ。



メイン、というのはつまりサブがあるってことだ。俺はこの森で何をしたかを考えればわかるだろう。


北の森で雨が降っていた理由、それを晴れにしたこと、ドラゴンが現れて襲われたこと、モンスターのスタンピード、ドラゴンが仲間になったことだ。


一応、この先何があるかわからないから、ドロシアのこともちゃんと報告するぞ。




これらを報告するためにここにきたわけであるのだが…とりあえずはメインの報告だ。


そう思って俺は、自分一人だけで受付に並んだ。人が並んでるな…




ようやく俺の番がきたようだ。みんなクエストの達成報告でもしていたのだろうから、ちょっと時間がかかったのだろう。…と思っていたのだが、予想と現実は違ったようだ。


俺が並んでるときにちらりと耳に聞こえた言葉がある。



「あのモンスターがいなくてよ、クエスト達成できなかったんだ。」


「ザコモンスターしか見当たらなかったぞ。どうなっているんだ。」


「ここら辺のモンスターがみんなどっかに行っちまったんだが。」



ほう。ほう、ほう。これは、あれだな。スタンピードだな。森とかにいたモンスターがみんな俺のところにきたからだ。やばい、ちょっとイヤな予感が…

この先を考えると不安になるが、まあどうにかなるだろう。


そう思って俺は、ギルドカードを作ってもらったときの受付嬢さんに話かけた。



「薬草採取のクエスト達成を報告しにきたのですが…」


「あら、看板くんじゃない。あなた、北の森に行ってたでしょ。あそこは最近雨が止まなくてね…ヒナタ草取れなかったでしょ。」


「ああ、大丈夫でしたよ。ほら、この通り。」


そう言って俺は、《無限収納(インベントリ)》から大量のヒナタ草を取り出した。こうしてみると、結構量あるな。


受付嬢さんの顔を見ると、おお。めっちゃ驚いてるな。



「雨の中でヒナタ草の採取…しかもこんなに大量に…あと何?この量を普通に取り込めるアイテムボックス持ちって…どんな三段攻撃ですかっ!」



三段攻撃か。ナイスコンボ。あと俺は何コンボできるかな?



「看板くん、あなたって見た目に反してすごいのね…どうやってこんなにも集めたかが気になるわ。」


「それは企業秘密です。」


「企業秘密って…まあいいわ。ギルド会員には余計な詮索はしないって規約にあるから、これ以上は聞かないわ。これからクエスト達成を記録するので、先にギルドカードを提示してください。」



俺はギルドカードを受付嬢さんに渡した。



「ちょっと待っててくださいね。このヒナタ草はええっと__はい、487本ですね。あら、素数本ですか。縁起が良さそうですね。

ヒナタ草は1本500ツヴァイですから、クエスト報酬金は24万3500ツヴァイです。小金貨24枚、銀貨3枚、銅貨5枚を確認してください。」


「あ、はい。」



え!?今受付嬢さんの手が一瞬見えなかったんだけど。


このステータスで見ても反応できないほどの速さで手を動かしてヒナタ草を数え、一瞬で素数と判断し、高速な計算を経てお金を渡してきた…。グハッ、カウンターを食らったぜ。そっちこそ三段攻撃じゃないか。この受付嬢さん何者ですか!?


そういえば、この世界の通貨をあまり確認してなかったわ。この世界では、この世界と同じ名前の『ツヴァイ』が通貨単位で、1ツヴァイ=1円くらいの価値。


貨幣は6種類あって、


白金貨:10000000

大金貨:1000000

金貨 :100000

小金貨:10000

銀貨 :1000

銅貨 :100

(単位は全て1ツヴァイ)


となっている。ということで、俺は受付嬢さんから小金貨とかをもらったわけだ。



「それでは、依頼達成数が一定数を超えたので、ギルドランクがEランクに昇格しました。ギルドカードをお返ししますね。」



もうEランクに上がったのか。Fランクって響きがなんか良くなかったから、早めに昇格できてよかった


そうだ、カウンターを返されたからもう一回攻撃しないと…


俺は受付嬢さんに向かって他の人に聞こえないような声で言った。



「森の中でドラゴンに会ってスタンピードが起きました…」



「……へ?」


読んでくださり、ありがとうございます。


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