フード•アルケミスト
マヨネーズの蓋を締めると不思議な事に、ケチャップになっていた。
ケチャップからマヨネーズは産まれない。
しかし、その現象は不思議な事ではなかった。
なぜならば、私たちの世界は、ケチャップとマヨネーズは大した意味を持たない代物だからだ。
私は、この混沌と化した液体を集めている一人の博士にコレを渡した。
この博士とは、マヨネーズとケチャップの概念を覆したいという信念を貫いており、30年も研究を行いながらも助手である私が力を貸していた。
博士が手に入れた代物をラボにもったいき、大きな筒に入れた。
そして、博士が私の目を見て言った。
「ほっほ!見ておれ!新しい革命が今生まれるぞ!マヨネーズとケチャップを甘く見ていた奴らが驚くのが目に見える!」
というと大きなレバーを押し下げると凄い音がなった。
ゴゴゴという音とともに排出口から黄色い液体が流れてきた。
博士は、助手である私に
「舐めてみろ!」
というと、私は一口なめた。
舐めると私の体に雷のような衝撃が走った。
「博士!コレはなんなんですか?」
博士は、満面の笑みを浮かべながら言った。
「ほほ!お主も感じたことがないだろう?
この世界に新しい味覚というものが今、誕生したのだ!
舌がピリピリふるだろう?
この黄色いのが出すのは”辛味”という刺激だ!
そう、これで料理の幅が広がるだろう?
私は天才だな!
そうだ、名前をつけよう!」
というと助手である私の肩を叩いた。
私は博士の顔をみると質問をした。
「名前は、何にするんですか?」
博士は、ニッコリしながら質問を待っていたかのようにゆっくりと説いた。
「マスタード!!」