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【電子書籍化】病弱だった少女は転生して強い魔力と愛する人たちを手に入れた  作者: 冬野月子


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龍の王 04

「エミーリア!」

私達の姿を見てベルハルトが急いで駆け寄ってきた。

「ベルハルト…!」

ルプスが私を降ろすのももどかしそうにその腕から奪い取る。

…やっぱり抱きしめられるのはベルハルトがいいな…

「あいつに何をされたんだ?!」

「それを聞く前に姫様を癒してやれ」

「癒す?」

「闇の気が強くなってる。また暴走するぞ」

「…エミーリア———」

白い光と共に暖かな気に包まれる。

———ああ、ベルハルトの光は気持ちがいい。

うっとりとして目を閉じていると、額に柔らかなものが触れた。

…キスもベルハルト以外は嫌だな…って、待ってこれ間接キス?!

慌ててベルハルトの身体に預けていた頭を離す。

ベルハルトとカイが…間接……わああショック。

「エミーリア?」

不審そうにベルハルトがさらに顔を寄せてきた。

「大丈夫?まだどこか…」

「もう大丈夫だから!ありがとう…」


「カイ!」

バサリと飛び降りてきたドラゴンにアーベルが駆け寄った。

「何やってんだよ!女の子攫うとか」

「二人きりで話したい事があったんだよ」

ヒトの姿になったカイが私を見てにっこりと笑った。

「ね、エミちゃん」

知らない!

ぷいと顔を背ける。

「美少女は怒った顔も可愛いねえ」

「お前———」

「やっぱり殺してやろうか」

私とベルハルトの前にルプスが立ちふさがった。

「姫様に手を出した挙句、無礼な言動の数々———」

「手を出した?」

ひい!ベルハルトの気が真っ黒に!

「お前…エミーリアに何をした」

「なにって、額と頬にキスしただけだよ」

ベルハルトの綺麗な顔が不快そうに歪んだ。

…間接キスがバレてしまった…


「姫様。やっていいよね」

ルプスも殺気をダダ漏れさせないで!

「過保護だなあ。キスくらい大した事ないだろ」

大した事あるの!

もう…

「どうしてこんな事になってるの…」

私達、仲間になるんじゃなかったの?


「エミちゃんが可愛すぎるからじゃないの」

そう言ったカイの顔はいやに真面目だった。

「エミちゃんてさ、男を惑わせる力があるよね」

「惑わせる…?」

「何があっても手に入れたくなるような、引き寄せる魅力があるんだよ。そこの婚約者もそれで苦労してきたんじゃないの」

ベルハルトが眉を顰めた。

「これから大人になるにつれてもっと魅力的になっていくし欲しがる男も増えるよ。力のある相手じゃないと護れないだろ。だから俺の嫁にならない?」

「は?」

何でそうなるの!?

「イヤよ!私にはベルハルトがいるの!」

私はベルハルトの腕にしがみついた。

「人間じゃ護りきれないだろ。龍族の国は他の者が入れない秘境にあるし。俺は次期族長だから誰にも手は出させないよ」

「魔族の姫を龍族にやれと?冗談じゃない」

「人間だったらいいのか?」

「これは特別に認めた人間だ」

「特別ねえ。俺とその子も特別な仲なんだよね」


「何だと…?」

ベルハルトが低い声で呟いた。

「お前達には理解できないものを共有してるの。エミちゃんだって俺と一緒の方が楽だよね」

「イヤよ」

自分勝手な人なんか。それに。

「自分達の王をちゃんと育てないような無責任なひとは嫌い!」

漫画のカイを見習いなさいよ!



「ふーん。じゃあさ、俺がアーベルを…そうだな、ベルハルトより強くしたら俺にする?」

「え?」

「言っただろ、やる気が出てきたって」

カイの瞳が金色を帯びてきた。

「どう、そっちのお二人さん」


「お前、よほど魔族に喧嘩売りたいんだな」

「僕がそいつより強ければいいんだろ」

…え、何でベルハルトもルプスも乗り気なの?!


「という訳でアーベル、今日から特訓するぞ」

「へ?」

「ほら来い。エミちゃんまたね」

「カイ!」

訳が分からないといった顔で、アーベルは慌ててカイの後を追った。


「…アーベル!」

振り返ったアーベルに手を振る。

「巻き込んでごめんね!怪我に気をつけてね」

「…ありがとエミーリア!」

顔を赤くして…やっぱり可愛いなあ。


「姫様……」

背後で深くため息をつく音が聞こえた。

「あのドラゴンの言った事聞いてなかった?」

「え?」

「男を惑わせるって言われただろ」

それが何よ。

「あんな風に心配してもらって。あのガキが落ちないと思う?」

…ええっ?今ので?

「…そんな事言われても…私はただ心配だったから…」

「姫様はその気がなくても相手は勝手に惚れるんだよ。エミーナ様もよく色んな男に言い寄られてたけど、さすが親子だな」

…そういうの似ても嬉しくないわ。


「エミーリア」

ベルハルトが背後から抱きしめてきた。

「大丈夫だよ、僕…誰にも負けないくらい強くなるから」

「ベルハルト…」

「協力しろよルプス」

「もちろん。あのムカつくドラゴンには姫様は渡せないからな。龍族より強くしてやるぜ」

……おかしな事になっちゃったなあ。



「さて。まずはギルドに寄って、それから聞かせてもらおうかな」

「何を?」

「あのドラゴンと特別な仲ってどういう事?」

ベルハルトの目は…今まで見た事がないくらい、静かな怒りに満ちていた。

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