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実は気持ちわるいけど、外見はかわいいから許す

ようやくその生体を知るが...

長い年月この図書館を守ってきたのであろう。

その黒く重たい扉の表面は、風雨にさらされた形跡から表面はざらざらとした木の粉を吹き出していた。

しかし、扉に手をかけた瞬間その木の重みが、長い年月大地を支えてきた木であったことを顕にした。


「やっぱ国立図書館は違うな。金かかってるわ。」


中に入り、改めて豪華というものを実感したのである。

数万、数十万冊といえる本が所狭しと所蔵されていることに圧巻するが、その貯蔵されている棚はすべて黒檀であることが伺える。中央には、螺旋階段上に本が収納されており、上を見上げると、数メートルになるだろうか、金色のシャンデリアが設置されている。(利便性は知らないが。。。)


小心者の自分は、圧倒されつつ、扉を開けた先にいる司書へと歩みを進めた。


なんて質問したらいいだろうか。

「あ、あの、お伺いしたいことがあるのですが」


「なんでしょうか?」

物腰は柔らかく、20前半であろうか、巻かれた角が生えている女性が対応してくれた。


羊系の亜人の方だろうか。

「本を探していまして、テイムしたモンスターについて調べています。蟲系の本はありますか?」


そう言った矢先、その優しく見えた目に曇りが見えた。

「蟲ですか、あまり種類はありませんが、当図書館一番奥の蔵書に保管されております。鍵はこちらとなります。終わりましたら、お返しください。」


そういって司書の机の奥から、古ぼけた鉄製の鍵が取り出された。

あまり、重要ではないのだろうか、鍵がかかっているとはいえ、無造作に机の中に入っているのは防犯上どうなのだろうと思うが、まあ所詮その程度の扱いなのだろうと察し、素直に受け取り、奥に進む。


「ここかなあ・・・。」


この場所にはあまりににつかわしくない外見、蜘蛛の巣が貼られ、隅は掃除が行き届いていないのであろうホコリにまみれ、古ぼけた扉が佇んでいる。


こんなものだろう。さっさと調べて、帰りますかね。。。

中に入り、ここに30分といたら、必ず何かしら気管支がやられると思いつつ、お目当ての本を探す。

ようやく見つけたのは、黒くすすボケた本である。


「蟲学」


著書をみてもよくわからないが、こんな物好きな本をまとめた人もいるものだなと。

古今東西のあらゆる蟲が載っているが、そのほとんどは知らない。本当にこんな蟲いるのか?と思いつつ、外見から調べることができたため、親切心に関心していると、本の真ん中ほど、それとなく該当するものを見つけた。


「これか。。。」

それには、体長、最大重量、食性や生息地等少なからずあった。これで、なんとか書類にかけるかな。。。


「名称シャギー(一部ではシャッガイとも言われる)生息地は温暖な気候、繭をつくる性質をもち、変態を行う。幼生時は、他種の生物自身に寄生する性質を持つ。その寄生の仕方は、体内に存在する数種の寄生生物を他種に寄生させ、行動を制限・操る。寄生生物と当該生物との関係は相利共生状態にある。寄生生物が当該生物の身を守る代わりに、その餌の一部を体内でもらう関係にある。....まだ多くは不明であるため、幼生時以上に、成体を見ることがほぼないため、調査が必要である。」


きもい、非常にきもい。。。

そっと本を閉じ、そうとしか思わなかった。

肩に乗るよしこをみつつ、こんな可愛らしい生物が、こんな内容のことをしているのかと訝しみつつ、とにかくかわいいから気にしないことにした。


とりあえず知りたい内容はわかったし、さっさと必要書類書いて、仕事始めないと、そろそろ親に怒られる。。。

他のみんなはもう仕事しているのだろうか。。


明日はギルドに向かい、登録書類書いて、仕事始めますか。。。


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