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マイノリティ

ようやくモンスターを持ったセリに、マイノリティであるが故の現実を突きつけられる。

青い空、白い雲、まるで青い春が繰り広げられる一日が始まってもおかしくない日である。

ただし、その青々とした輝きには、より強い影も濃くなるのが常である。


ここレアオ王国では、そのテイムの恩恵から、多くのモンスターがいる。

そいつらを使い、日々の生業を全うするが、生きている以上どうしても具合が悪くなるのは、人も獣もいきているからであろう。


ようするに、必然的に病院/診療所というものが、たくさんある。

それぞれの種類に応じた、専門病院が多々あり、病気を直してもらうのはもちろん、新しくテイムした生物がどんなものか、どういう種類なのか、なにができそうか、見てもらえる。

新たなモンスターをテイムした際、各々登録義務があり、管理項目の1つに種類の概要等の記入が必要となる。

その管理を怠れば、最悪の場合、テイム関連の保護法を違反することとなり、厳しい処罰が与えられることもあり、それを防ぐためにも、数多くの診療所が存在し、診療所経由で登録することができる。診療所以外で言えば、ギルド、役所での登録だが、書式が面倒なため、大半は使わない。。。


診療所での登録制度、それは、すごくありがたい。。。非常にありがたいのだが。。。

果たして俺はどこに連れていけばいいのだろうか。


昨日夜ふと気づいた...いや、気づいてしまったのだが、蟲の診療所など、ほぼ、まったくといっていいほど聞いたことがない。

カブトムシがお腹を壊したら、どうする?

ただただ見守るのが、普通であろう。虫にも五分の魂というが、虫もちゃんと生きているといいたいとは思っていても、所詮五分しかないのである。

いくら、この世界中に何百億と種類がいて、生きているものの過半数を虫がしめていようとも、命の質が低い...量より質というのが、悲しいかな存在している。


もちろん、神託を受けた中で、今までに基本の5種類に分類されていない者もいたのであろう。

だからこそ、神託を告げるものは、戸惑いはすれ、冷ややかかつ、悲しい顔で淡々と俺に告げたのであろう。

全く前例のないこと...というわけではないのだろう。


....前例がなければ、ちやほやされたのであろうか....いや、結局今の状況をみるに一緒なのだろう。

結局第一踏目のものがどんなやつか知らないが、ろくに役にも立たないものだったのだろう、何の活躍したという情報もないしな。。。そもそも何人いて、どれくらいがいきているか、ということもわからないし。。。

(プライバーというものは非常に強固なものなのだと、改めて実感し、悲しくなる...)



そんな思いを悶々と巡らせ、誰に聞けばいいのか、どこに行けばいいのか、考えあぐね、いや何も解決策はなかったからその過程は無駄なのだろうが、自然と家の外に出てしまった。



周囲を見渡すと有象無象のテイムされたモンスターが、飼い主であろう人物達と往来している。

眩しい...ふと自分の影を見ると、いつもより暗い気がしてならない。...気の所為なのはしっている。



まあ、とりあえず、片っ端から診療所に行ってみるか。。。


...「お引取りください.」、「それはなんですか?」、「餌ですか?買取ますよ。」、「きもいのでちかよらないでください(大変申し訳ありません。当診療所では相当する担当医はおりません..)」


散々だ。なんだこれは、どの専門診療所にいっても扱いがひどい。鳥の餌のくだりは聞き飽きたし、こころの声と言ってることが逆なとこもあったぞ。。。

わかってはいたが、やはりこたえる。


「きゅぴ。。。」

よしこが小さく鳴いている。慰めてくれるのだろう。

「お前だけだよ。。。慰めてくれるのは。。。絶対お前と一緒にみんなを見返してやるからな。。。」

そう呟くと、よしこの体のこわばりも弱まっていった。俺の心の不安が和らいだからだろうか、その肌はまたも本来の柔らかさを取り戻していった。



しょうがない、時間はかかるが自分で調べ、登録してみるか。

都市の真ん中近くの場所に、この国の国立図書館がある。


世界でも有数の蔵書数を誇る国立図書館であり、生物学関連に関しては、他の追随を許さないとされている。(広報誌 参照)


ここで自分で調べ、ギルドまたは役所で登録すればOKである。。が、本当に見つかるのだろうか。


不安とともに歩くと、、公的事業だからであろうが、荘厳な建物が見えてきた。一見すると軽快に見える作りではあるが、その実重厚な作りのゴシック建築の建物である。

大きな円形の窓が多く存在し、国の威厳が垣間見える。が、図書館に大きな窓は必要なのか?日焼けするのでは?とも一瞬思ったが、ちゃんと考えられているのであろう、無粋な気持ちは捨てることとした。



調べることに時間がかかると不安を覚えつつ、その扉を叩く。


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