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ジャケットが銀色

鍛錬に励むセリ。友人との出会い。

やれやれ、とりあえず新人講習なるものを受けるため、闘技場まで来た自分だが。。。


みれば、白の漆喰によりつくられていて、一見地味だがとにかくでかい。一つ一つの柱が数メートルはある。。。


初めて来たが、がちもんのコロッセオだよここ…なんで、こんなものギルドの裏にあるのかね…さぞかし儲けているのか、それとも公共事業という体で、国がじゃぶじゃぶつかったのか…


新人講習に使っている時点で、あんまり有効活用できていないのがすぐわかる…。


とか何とか思いつつ、闘技場の真ん中に目をやると人があつまっているから、あそこでやるんだろうなあ。


「整列っっっ!!!」


声1つ、空気がぴりつく


「ゴミムシども!聞こえねえのか!」


慌ただしく、うぶな顔立ちの男女が横一列に整列をした。もちろん自分もすかさず並ぶ。


(え、あれ、なにこれ、新人講習ではないの。え、ハー○マン軍曹?)


「返事もできねえゴミムシ以下の野郎ども。今日から1ヶ月ゴミムシを鍛えてやるジャッカだ。てめえらは遅かれ早かれすぐ死ぬだろうが、多少は時間持たせてやる。ここに来たが最後よ。これ以下の糞はねえ。死んで糞袋として肥料になるか、ウジムシまで進化するか2つに1つだっっ!わかったかっっ!」


空気が更に張り詰める。頭痛がしてきた…

(ええ…なにこれ…やべえよ…新人講習とかいいから逃げるしかない…そもそもゴミムシからウジムシって進化してんのかよ…退化してね…?)


そんなことを思うやいなや、聞きたくもない怒号が飛んでくる。


「逃げれると思うなよ。そこの糞虫壱号。ここに入った時点で俺のモンスターが見張ってるからな。」


(あからさまに俺を見てる…)


ふと上の方をみると、白毛の大柄なヒヒがいる。まるで、僕らを品定めするかのようにじっとりとした目で見つめてくる。

また、よくよく観察してみるとそいつの後ろには物陰に隠れていて、全体は見えないが手下なのだろうか、ひと回り小柄のヒヒが20匹はいるように見える。


(死んだ。これは死んだ。)


そこからの1ヶ月は、軍隊かのような日々だった。

軍隊に入ったことがないが、おそらくそうなのだろう。

コロッセオでできる事などたかが知れてるとのことで、森にはいらされ、僅かな食料とナイフ、1ヶ月のビバーク。。。


朝日が登る前に叩き起こされ、日に50キロもの行軍。飯もまともなものがあるわけでもなく、そこらの野草を恐る恐る食べ、常に腹を壊す日々。夜寝る場所などえらべるわけもなく、草を敷いて寝る始末。夜の森は、月明かりがあればいいほうで、ほぼ何も見えない。野生の動物の気配がする。その恐怖に幾度目が覚めたか。

思い出したくもない。


途中からはスリーマンセルを組まされ、少人数となったことで、よりその恐怖は増した。

戦友?はできたけどな。。。


一人はレミ、小柄の女性で陽気なやつだ。こいつはアホだが大型の獸型のモンスターをテイムする素質があるそうだ。自称だからほんとかどうかは知らん。

もう一人はシオ、こいつは180くらいあり背が高いがひょろひょろとして、今にも死にそうなやつだ。よく1ヶ月生き残ったなと思う。爬虫類型のモンスターが好きだそうだ。自分に似ているからだと。

俺もテイムの話を振られたが、虫と言うと、すぐ話が変わった。逆にいたたまれなくなり、涙が浮かんできた…。いいもん。カブトムシとかみんな好きじゃん。あれ、涙で前が見えない…。


明日は約束の最終日。

コロッセオに皆が集まる日。


やっと…終わる…


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