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活発化

金を稼ぐために、ギルドで仕事をするが、モンスターの群れに遭遇する。

「金が無い・・・。」

金が潤沢にあるわけではないが、それでも当面は食べていけるほどはお金があったと思ったのだが、それもまぼろしだった・・・。すべての原因は、この猫だ。あんなに飯を食われたら、そら金もなくなりますわ。。。

武器屋で慰められたが、そもそもこいつのせいじゃねえかと思うと、悲しみが湧いてくる。

(まあ、それでも足りないくらいあそこは高かったのだが。。。)


「金稼ぐぞー!!!」

「セリ!いい心意気ですにゃ!!」

「てめえも稼ぐんだよ!!」

「にゃああああああああああ」

そういって、シャミーのこめかみを拳でなじる。


無駄話をしつつ、ギルドに向かう。

ここミーレスの街のギルド、ミルズが見えてきた。

しがない水車小屋を拠点として、数人のギルド員から始まったこのギルドには、いまや数百のレベルにまでメンバーが拡大し、近郊の街では強者が集うギルドとして名高い。一方で、初心忘るべからずとして、創立時の水車が建物に飾ってあり、ギルド員はこの水車に誓いを建てる。

「ミーレスの防人として、この水車のごとく、万人のために働き、身を粉にして働くことをここに宣言する」


なんで俺がこんなことを知っているかと言うと

「な!わかったか坊主!先人は偉大なり!優しい先輩に感謝しろ!がははは!」

この頭に響く大声で、わかっただろう。ダエグに捕まったのだ。一回しか会っていないのにこの壁の無さ。

「いい人なのかもしれないが・・・」

「ん!なんか言ったか!?もっと聞きたいだろ!」

「いえ!いいです!」

このまま流されてたんじゃ、いつまで経っても仕事ができない。

断られたことにしょんぼりしてるダエグを尻目に、カウンターに向かう。


「ふふふ、あんなに気に入られるなんて、良かったじゃない」

カウンターの女性が笑う。

「ははは。」愛想笑いが、空に響く。

ボードの仕事を見るが、あまり実りのいい仕事がなさそうだ。

【ランクE:ミーレスの街、周辺巡回:生息モンスターの数・種類確認、異常時の街への報告、対処:8,000Ros】

「これにするか。」

ここらへんの地理もちゃんと確認したいところだから、適当な仕事だろう。

「いいんですかにゃセリ。こんな面白くない仕事で。もっとこっちのほうがいいんじゃないですかにゃ?」


【ランクS:アケロック山、火口内調査・火炎竜の討伐:100,000,000Ros】

できるわけねえだろ。。。死ぬのかよ。。。

冷ややかな目でシャミーを見たあと、そそくさとギルドを出る。


衛兵にギルドで仕事を受けた内容を伝え、職務につく。

元々衛兵がいる中でこういった仕事がある理由として、ここミーレスは国境の街のため、他国からの入国が合法・違法含めて、多々ある。それを対応するために、正規の衛兵がその任につく。しかし、最近モンスターの活動が活発化し始め、人員が不足し、仕方なくギルドに依頼を出しているのが現状である。

モンスターの活動の活発化と言っても、ここミーレスの周りでは小型のモンスターしかおらず、さほど街の住人も課題視はしていない。


走行しているうちに街のゲートを越え、巡回にあたる。

広がる草原、青い空、川のせせらぎ。

「暇な仕事だな・・・これは。」

街を覆っている壁沿いに、巡回を始めるが、モンスターがいるようには思えない。

「本当に活発化しているのか?」

そう思った矢先、うごめく無数の物体を目にする。遠くに見えるが、鋭い剣先がまるで小さな山脈が行進しているように感じる。数匹レベルの話ではない。数十・数百のレベルではないか。

アルミラージである。

小柄なうさぎの体格に似合わず、額には黒く光る角を携えている。

金色の体毛を持ち、可愛らしい見た目からペットとして一時期飼われていたこともあるが、発情期になると、獰猛な性格となり、所構わずその角を使い、破壊衝動に駆られるため、そのブームはすぐに去っていった。


「あいつら発情期シーズンだろ・・・これはまずい・・・」

シャミーも深くうなずく。

低い姿勢を取り、ゆっくりと後ろに下がる。見つかれば、逃げ切れるかという迷いを持ちつつ、緊張の糸を張る。

しかし、なれない地形、雰囲気、モンスターの気迫から、足元が不注意となる。

みしっ・・・、腐った木の板を踏み抜く。

あんなに動いていた黒い剣先がぴたっと止まり、一斉にこちらに向く、血走った目がこちらを睨む。


「・・・・やば。」&「やばいですにゃ・・・」

「「逃げるぞ!!!」」かけ声と同時に多くの塊とともに二人が駆ける。

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