成長
マリを殺したセリに異変が起こる。
事の始まりを理解したセリは、この国から逃げることを決意する。
「用はすんだ。もういい。」
そういって、手で虫たちに合図を送る。
おとなしくしていた虫たちは、葉を貪るかのように、足からマリを食い始めた。
「ひいいいい・・・っ・・やめて・・・助けて・・・すべて言ったじゃない・・・・」
マリは苦悶の表情を浮かべ、声を絞り上げる。
「人を呪わば穴2つ。そうやって何人殺してきたんだ。どうせ、神官どもはお前に興味は無い。生かしておく方が危ない。それに、虫の糧になる方が自然の摂理だよ」
そう言うとともに、マリの体はもう、半分になっていた。
「・・・・・糞糞糞・・・・死ね死ね死ね・・・・・」
そういって呪いの言葉を吐き続け死んだ。まるで、そこには何も無かったかの様にきれいな床になっていた。
「さて、一度帰るか。」
一度実家に帰り、準備をして、この街をでなくてはならない。そう思った矢先。
どくんっ・・・どくんっ・・・
心音が大きく轟、自分の体に何かが入ってくる感じがした。
「何だ?何が起こる?」
そう考えているうち、かすかに声が聞こえた。
xxx: 『おい・・・どうした』
「誰だ!誰の声だ!」
yyy:『what's up』
「また聞こえる・・。」
声の方を見ると、よしこと毛虫野郎しかいない。ただ、他に誰もいない。
「虫の声なんて聞こえるはずが・・・」
xxx/yyy:『あ、意思疎通できてない?これ?』
「・・・・・・まじか」
唖然としつつ、状況を理解した。何かわからないが、今テイムしたモンスターの声が聞こえている。
テイマーとはこんな状態になることなのか?
よしこ・プッシー・キャット『説明しよう。おそらく女を食ったから、我々が成長したんだろう。主人であるセリもな。この世に生きとし生けるもの、全てにマナが備わっている。生命力というやつだな。それは我々が食うことで、相手のマナを取り込み、自分の力に昇華することができるのだ。筋肉つけるみたいなもんだな。普通は、こんな簡単に成長はしないし、意思疎通ができるなんて聞いたこと無いが、人間を食ったからか、同族使いだからかは知らないが、こういう結果になったのだろうな。より高位の生物ほどマナが多いと聞くから、人間は多かったのだろうな。』
・・・え・・・こわ。。。こいつら饒舌だし、知識多くない?虫なのに。
よしこ『おい、無視するな。虫だけに!ぷぷぷぷぷ!』
・・・え・・・こわ。。。キャラ違うくない・・・?
よしこ『まあいいや、関係は今まで通りだ。意思疎通ができて便利じゃないか。』
そういってると、プッシー・キャットに入っていた一筋の白いものがよしこの体に戻っていく。
「おい!そいつを出していいのか!また暴れるんじゃないのか!」
よしこ『大丈夫だ。こいつの主人は死んでるし、俺らの強さを認識しているから、従うと言っている』
プッシー・キャット『yes,mom』
なんか外来語使う虫いる。。めんどくさそう。。。
「よ、よろしくな。。旅に出なきゃいけないから、長い付き合いになりそうだ・。」
そういうと、2匹は大きくうなずく。
タララッタッター! なんか、某冒険ゲームの音が聞こえて来そうだ。。。
「悪いスライ○じゃないか・・・」
よしこ『なんかいったか?』
「いや、なんも!!とりあえず一旦帰るから!ばれないように。よしこはついて来てくれ。プッシー・キャットはでかいから、ここで待っててくれ。夜中、この道を通って、国境を出る。」
プッシー・キャット『ok,I got it!』
なれるかな・・・このやりとり・・・。
変な不安を抱え、ボロ家をあとにする。
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