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尋問開始

助かったセリは、なぜ襲われたのか、あの女は何なのか、数多くの謎が心に広がる。

謎を突き止めるには、ただ一つ、聞くしかない。

最初に訪れた家に、ゆっくり戻ってみる。

窓の外から中を伺うと、あの逃げた女性が椅子に座っていた。


「そろそろ死んだかしら。これで、戻れる。これで。うふふふ。。。ひひ。。。」

しずかに口を開くその女性の言葉を聞き、自分の中のもやが更に広がる。

万が一の可能性にかけて、知らなかった・・・や、俺のことを少しでも心配してくれるようであれば、許してやったかもしれない。あくまで可能性の話だが。

だが、こいつからは、俺を心配する気なんて全く無いし、もともと俺を殺そうとしているのが明白であった。


しかし、なぜ?俺はここに来たのは初めてだし、この女性も初めて見た、ましてや人に恨まれることなどしてきたはずもない。こんな薄気味悪い状況のままではいられない。


「・・・聞き出すしかない。どんな手を使ってでも。」


窓の外から見ていた、その女性が席をたち、家を出た。


「プッシーキャット!戻ってきなさい!」

そう大声で、何かの名前を叫ぶ。まるでペットか何かを呼ぶかのうように。


「・・・プッシー・キャット?まさか、このプス・キャタピラーの名前を呼んでいるのか?:

こいつはテイムされているモンスターなのか?そもそもこいつも虫だぞ。相性の合わないやつが、手軽にテイムできるようなモンスターじゃない。・・・俺と同じように虫使いでもない限り・・・」


少し理解できた。あいつは、俺と同じ虫使いなんだ。だから、今まであいつがこんな近くに住んでいながら、こいつに襲われていなかったのか。それも俺だけを襲ってきたことも理解できた。


「・・・あいつのもとに戻してやるか。かわいいかわいいプッシー・キャット。」口元が緩む。

そういって、手でサインを送り、女性のもとに向かうよう指示した。ある指示も加えて。


「おかえり、プッシー・キャット。ちゃんと殺したのよね?」

そういって、かわいい巨体に女性は話かけ、近づいた。その途端、大きな悲鳴も合わせて聞こえることとなった。


「いやあああああああああああ、な、なんで!!!」

その女性の手を見ると、愛するモンスターからのプレゼントがついていた。毒のついた毛の針というプレゼントが。

叩き込むように、毛の塊が、その女性を足元から倒す。逆羽った毛が深くささるように、大きなアクションで。


「痛い痛い痛い痛い痛い。どけろどけろどけろ!なんで言うことを聞かない!早くどけろこの糞虫!ああああ!」

俺は、そのプッシー・キャットに戻るよう指示をした。この女が近づいてきたら、毛を大きく逆立ててじゃれるようにと付け加えて。


「ずいぶん仲がいいね!モンスター愛を感じるよ!どこぞの三文小説より、お涙頂戴できる話だね」

そういって、物陰に隠れていた俺は、動けない女に近づきながら、話しかける。


「なんで生きてるんだ!お前!」

女が叫ぶ。


「生きてたら悪いのか?てめえにはいろいろ聞かなきゃいけないことがある。そこに倒れ込んでねえで、ゆっくり、家で、お話しような」

そういって、俺は、その女の髪を掴み、家の中に引きずり込んだ。

「痛い!引っ張らないで!髪が!」

運ぶ際、ぶちぶちぶっと数十本は髪が抜けた。

「手や足には何本も毛が付いてるんだから帳尻は合うだろ」

励ましの言葉を投げかけるとともに、そのホコリまみれの家に招待してやった。

「・・・楽しくお話を聞かなきゃいけないからね。」


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