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怪奇!13日の金曜日!戦えナロウマン!──2CHread編──

作者: 『ショウ』

 オッス!俺、(せつ)(かな)ロウ!


 将来の夢は小説家を目指してる、ナルゼ学園の二年生だ!


「ロウさーん!」


 ふと、俺を呼ぶ女の子の声がした。


 ただの呼び声じゃねえ。


 コイツァ例えるなら――『涙混じりの肩と共に声のトーンも落としてるような』……そんな感じの声だぜ。バッドコンディションですよコイツァ。


 やれやれ、事件の匂いだ。頭がハンバーグになっちまう。


「どうした――小雪?」


 彼女の名前は()()(たい)()(ゆき)

 俺と同じクラスで、二年の四月から転校してきた美少女っていうのがクラスの共通認識。


 でも俺にとっては、ある日恐ろしい怪人に襲われていた所を助けた時に出会ったっていう認識だ。


 あの時の事は今でも覚えてる――。


『無量無量!感無量!』

『だ、誰か……助けて!』


 蛾みたいな怪人に美少女が襲われていたんだ。


 正直、一目惚れだった。


 周りの人達は逃げるばかりで誰も助けようとしない。


 なら――男である以上、やるしかないと思った。


 でも、俺が助けようと殴りかかったら、《(ミス)(ター)(・ア)(フィ)(ンフ)(ィン)》なんていうよく分からねえ能力で視界を埋め尽くす程の広告をどこからともなく飛ばしてきたんだ。


 おまけに、覆面レスラーに変身したと思ったらよく分からない光と闇の天秤が付いた扉を背後(バック)に、無色透明の広告による攻撃やエルボーまでされた。ついでにトゥイッターのアカウントも荒らされた。


 一般人、それもただの学生の俺に奴を止めるチカラなんざ無かった。


 でも、ある時自分の内から声が聞こえた気がしたんだ。


 ――nerh:dceojkroetite


 ただの幻聴なのかもしれない。


 でも、薄れ行く意識の中にいた俺にはそれがこう聞こえたんだ。


 ――『チカラが欲しいか?』


『あ、ぁ……』


 欲しかった。


 欲しいに決まってる!


 どんなモノであれ、この身に幻想が宿るって言うなら――俺はこれから先、何だってやってみせる!


 俺はそう念じた!


 ――『ならば、イメージしろ!お前の考えた最強の能力を!』


 ――――。


 おれの、かんがえた……さいきょうののうりょく……?


 ……あぁ、あるぜ。とっておきのがな!


『では、叫べ!お前のその――(ファン)(タジー)を!』


  ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )


 その声を聞いて、(ケツ)()が漲るのを感じた。


『《(タヴ)(ーコ)(ード)》――』

『ふ、不良!不良!無量優良!お前不良!』


 俺から放たれる決意を感じたのか、人間には理解不能な何かを叫びながら無限の広告を飛ばしてくる。


 ――でも、もう遅い。


『――《(リモ)(ータ)(ラー)》ァアアアアアアアアアアアアアア!』


 直後、俺の手からドス黒い蒼い焔が吹き荒れた。


『アイエエエ!?ナンデ!?エンジョウナンデ!?ハランバンジョウ!?ショウミーハラキーリ!?』


 俺の手から生み出される焔によって、広告が一切焼却される。


 これが俺の幻想――《Taboo code:Remortaler》。


 全ての存在に死を配る最強の能力……ッ!


 それは、たとえ能力などの概念的なモノであろうと例外は無い!


『広告、ナイ!タスケ!タスケ!ケテ!ケテ!ケテルケテル!タステケテケ!』


 奴が広告を生み出せなくなった事に気づいたのか、自身の掌を見ながら呆然としている。


 今だ――!


『トドメだぁああああああああああ!』

『イヤァアアアアアアアアアアア!?』


 そして、俺は痴的怪人ムラムラ蛾マンを倒したんだ。


 その後、小雪から『最近著作物を盗もうとする怪人がいる』って話を聞いて俺は戦う事に決めたんだ!


 ちなみに、彼女はライトノベルなどのコミカライズ作品を担当している超売れっ子漫画家だったらしいんだ。


 だから俺は尚更ナルゼ学園を卒業して、小説家になると決めたんだ!


 それにしても、彼女が転校してきた時は本当に驚いたなぁ。


 ――『漫画家として小説家の事ももっと知るべきだって思ったんです!』


 そう言った彼女は本当に眩しかった。


 ライズミコック学園ってお坊ちゃまやお嬢様の行く学校からわざわざここに転校してくるなんて、よっぽど重要なモノがあると思ってここに来たんだろうな。


 ――と、回想はこの辺で終了して彼女の話を聞こう。


「た、大変なんです!これを見てください!」


 そう言って、彼女は震えるくらいに手で握りしめていた端末の画面を見せてきた。


 どれどれ――?


 そして俺は鈍器で頭を殴られたような衝撃を受ける事になる。


「……なぁ、これって――!」

「はい!ロウさんの小説です!」


 ――どうなって、いるんだ……?


 サイト自体の構造は獄中サイト。


 でも、そこに記載されているのは明らかに俺の書いた小説だ……ッ!


「どういう事だ――どうなっているんだよ!?」


 思わず、休み時間である事も忘れて立ち上がる。


「ニィちゃんリードって知ってますか?」

「ニィちゃんリード?ニィちゃんスレッドの事か?でも、アレはゴーゴーたんスレッドに変わったんじゃ……?」


 何より、全く接点がない。


 話が読めないぞ?


「いいえ、違います。これはweb小説サイトを読み込んで無断で転載してるサイトみたいです。他に販売された小説等も被害にあってるみたいです」


 それを聞いて、俺は拳を握りしめた。


「アイツらの仕業か……!」

「――その通りネ!」


 怒りに顔を歪めていると、聞き慣れぬ声が聞こえた。


 ――パリィイイイイイイイン!


 窓が砕け散り、何者かが侵入してくる。


「お前は……!」

「ワタシはリーニィチャン!リーって呼んでネ?」


 チャイナドレスを着たスレンダーな女の子が俺の机の上に立っていた。


 ――って、おぉい!?


「ん?どうしたアルネ?」


 気づいてないのか、女の子――リーが無邪気に首を傾げる。


 まんまるとした瞳は曇りなく綺麗な瞳をしていて、正直よく見るとかなりの美少女――って、俺は小雪一筋だ!ハーレム主人公じゃねえ!


「お、おま、ぱ、ぱぱ――!?」

「パパ……?違うネ、リーはシスターエレメンタラーアル!」


 何を勘違いしたのか、妹属性だと名乗り始めた。


「「「我が世の春が来たぁああああああああああああ!」」」


 急に色々な所が盛り上がり始めたクラスメイトが見えるが、今は無視だ。


「――パンツ見えてるぞ!?」


 そう、チャイナドレスなんてヒラヒラしそうな服装で、おまけに何故か机の上に立っていたんだ。


 当然、角度によっては見てはいけないモノが見えてしまう……ッ!


「〜〜〜ッ!?」


 リーはバッとチャイナドレスを押さえながら飛び降りてくる。


 ――何故か俺の方に。


「うおっ!?」「アイヤッ!?」


 テンパったリーに飛び乗られる形になり、強制的に椅子に座らせられ、視界が真っ暗になる。


 な、何だ?顔に微かに柔らかい感触が?


「ロウさん!?」


 動揺している小雪を尻目に状況を確認しようともがく。


「ヤーッ!?」


 右手が何か柔らかいモノに触れた。


 何だ、これは?


 感触じゃ分からないので、手探りで形を判断しようと――って、コレは!?


「ヤ、ヤメルアル!」


 椅子に座ってる俺に馬乗りになって胸を押し付けるような体勢になっているらしいリーが体をくねらせて抵抗してくる。


 そ、その度に俺の顔に胸が何度も強く押し当てられる。


 ま、マズい!鼻と口が押さえられて息が……ッ!


 これは堪らないと俺も尻から手を離して暴れるのを押さえようと抵抗する。


「お、降りろ!」「離すネ!ヘンタイ!」


 俺達はお互いに暴れるのを止めようとして、かえって複雑に絡み合ってしまう。


「――ロ、ウ、さ、ん?」


 ハッ!?この声は!?


「アイタッ!?」


 緊急脱出手段として、リーに頭突きをして突き飛ばす。


「な、何でしょうか、小雪……さん……?」


 小雪さんの凍りつくような視線に、思わず敬語になってしまう俺。


「私の前で知らない女の子と楽しそうですね?」

「いや、俺も死にかけ――あ、はい。おっしゃる通りです」


 蛇に見込まれた蛙のように萎縮する。


「その右手に持ったものでどうするつもりですか?」

「――――?ハッ!?」


 無意識に取り出していた端末を急いでしまう。


「な、何もしませんよ!?」

「本当ですか?ホントは、さっきのおっぱいの感触をプロットに加えるんじゃないですか?」


 ――ギクゥッ!?


「は、ハハハ、何の事かな小雪さん!お、俺は動転してて、おっぱいの感触なんざ全然――」


『手のひらに暖かくて柔らかいモノを感じた。抵抗無く受け入れる沈み込むだけの柔らかさではない張りのあるぷるんとした弾力触感はまるでスライムに触れているかのような――』


「――書いてるじゃないですか!?」

「しまった、右手が勝手に!?鎮まれ、俺の右腕ェ!」


 俺の意に反して、『綴る!』と言わんばかりの右腕を必死に押さえる。


「『この後、じ〜っくり鎮めてあげるわね?坊や?』」


 そんな俺の耳元で、小雪さんは何かの声真似をする。


「な、何をして――ハッ!?」


 思い……出した……!


 今の台詞は俺の本棚の下から二段目の真ん中の本を取り出した先に立てかけるように隠している魔導書!?


 でも何故、小雪さんが……?


「どういう、事だ?」

「お義母様から教わりました」


 やっぱり、母さんかぁああああああ!


 余計な事話してんじゃねえええええ!


「り、リア充オーラはそこまでネ!」


 小雪さんこと小雪と話していると、リーが割り込んできた。


「リーニィチャン!お前は何者なんだ!」

「よくぞ聞いてくれたネ!ワタシは小説を読むのが大好きアル!」

「……そうなのか」


 適当に相槌を打っておく。


「でも、タダで読めるのはweb小説だけネ。だからリー、疑問に思ったアル。どうすれば全ての小説を読めるか?必死に考えたネ!」

「――!その結果があのサイトかよッ!」


 思わず拳に力が入る。


「持ってる小説を皆で共有し合うネ!そうすれば皆読みたい小説が読めるネ!全国にライトノベルのある図書館がないなら、もっとグローバルなモノをワタシ達で作ればよかったアル!」


「それに、ワタシの大好きなweb小説も皆に見て欲しかったネ」と、やたら熱っぽい流し目で見つめてくるが俯いてる俺はその事に気づかなかった。


「……お前、小説家がどんな想いで出版してるのか分かってるのか?」


 思わず眼に力が入ってしまうのを感じながら、彼女に尋ねる。


「んー?勿論ネ!皆に書いた作品を読んでほしい!その一心アル!」

「――――。」

「皆、ワタシに感謝してる筈ネ!やっぱり()()()の言う事は正しかったネ!」


 もう、限界だ――!


 直後、乾いた音が教室に木霊した。


「な――何するネ!?」


 突然の衝撃に、赤くなった頬に手を当てて目を白黒させている。


「サイズが違うだけで本の値段が違う事に疑問を持った事はないか?」

「――――?」

「何故打ち切りが多発するJ・アンプ社の漫画のように、未完結の小説が生まれてしまうのか原因を考えた事はないのか?」

「な、何の話を……しているアル……?」


 静かに拳を握りしめる俺にリーは戦慄し、後ずさる。


「単刀直入に言おう。お前のそのサイトが――お前の大好きな小説家を苦しめているんだッ!」

「そ、そんな筈ないアル!」


 どうやらまだ分かっていないらしい。


「日本のコンテンツは無料なモノばかりネ!無料で漫画や小説が読めるアプリがいっぱいあるアル!」

「それは期間を限定したモノの筈だ!」

「なら、『γ』についてはどう説明するアル?」


『γ』……極一部の例外を除いて、どんな作品も期間問わず無料なアプリの事か。


 俺も『えんじぇるち』とか『リアクイ』とか『JOKERΩ』とか昔読んでいた。


「確かにあそこは漫画自体は無料だ。だが、あのアプリはプレミアム会員や広告収入で成り立っているんだッ!」

「アイヤ!?完全無料じゃなかったアル!?」

「完全無料のコンテンツなんてない。そんなボランティアだけで、人間が生きていけると思っていたのか!?」

「うそ……アル……そんな筈、ないアル……」


 徐々に自分でもおかしいと思い始めたのか、顔を俯かせる。


「小説家や漫画家ってのはそれだけで食っていくのは大変な事なんだ。だから、同じ量の紙で売るなら大判サイズで売られる事がweb小説発だと特に多いんだ」


 俺はゆっくりと歩み寄り、リーの肩を掴む。


「…………ッ!」


 彼女は俺に掴まれると、ビクッと肩を震わせた。


「今ならまだ初日だ。事がこれ以上大きくなる前に、早くあのサイトを凍結させるんだ!」

「――――!」


 まだ、目に迷いが見える。


 どうすれば――?


  () (な、なら……) ()


 ……ん?


「なら、サインが欲しいアル」

「…………?誰のサインだ?」


 俺は特に誰のサインも持ってないし、そんな事を言われても困るんだが。


「あ――アナタのサインネ!」

「……………………え?」

「り、リーはいつも『ショウ』の小説を読んでいたアル。思い切って、い、イラストを送った事もあったネ……」


 彼女は目を逸らして、両方の人差し指をもじもじさせる。


 ま、まさか……。


「お、俺が前作を完結させた時にイラストを送ってくれたのは君だったのか……」


 イラストを送られた経験なんてなかった俺は、その日嬉しくて一日テンションがおかしかったくらいだ。


『やっぱイラスト付きかなーwww 自分ではそう思わないんだけど、周りには挿絵付きの小説に限るってよく言われる。 こないだも小説書いてたら気付いたら意識なくて目の前にファンアートがあったしなwww ちなみに片想い中の女の子が書くイラストも俺のイメージに似てる(聞いてないw』


 ……いや、アレは忘れよう。


「だから、その……アナタがそう言うならもうやめるアル。ごめんなさいアル」

「……分かった。そういう事なら俺も――」


 そう言ってペンを取り出し、ノートの切れ端にサインを書こうとするとリーに腕を掴まれる。


「書くならここにしてほしいネ」


 そう言った彼女が誘導したのは彼女の太股の内側だった。


 右膝を立てて、左足を伸ばし、左太股を見えやすくしている。


「……え?あの、ちょっ……?」

「『ショウ』の初めてはここに欲しいアル」


 ま、待て、落ち着け。


 彼女はきっと純粋な心でそう言ってるんだ。


 で、でも、黒い油性マジックで女の子の肌に自分の名前を刻み込むっていうのは……何だか、その……エッチだ。凄いエッチだ。


 敬愛する先生も『もしかして:エッチエッチ』と呟くくらいにはエッチだ。


「ほ、本当に……いいのか?」

「早く、入れて欲しいアル」


 そう言って、俺はおずおずと彼女の太股にペンを入れようと――。


「――ヒャッハー!隙ありだ!」


 窓から何かが飛んでくる音が聞こえた。


 俺は咄嗟に彼女を抱えて、その場から飛び退く。


「あ、あなたは――!?」


 小雪が恐怖に顔を歪めた。


「生きていたのか……。ムラムラ蛾マン!」


 俺は蛾みたいな怪人を見て叫ぶ。


「そうだ!俺は蘇ったのだ!トゥントゥン蛾マンとしてなァ!」

「性懲りもなく、またか。リー、下がってろ」

「えっ?わ、分かったネ」


 能力を使う為に一度リーを遠ざける。


「《(タヴ)(ーコ)(ード)(イモ)(ータ)(ラー)》!」


 俺は右手に蒼くドス黒い焔を灯し、構えた。


「おっと、待てよ!今日は仲間も呼んでるんだぜ?」

「何……?」


 周りを見渡して、警戒する。


「さぁ、出てきなァ――!」


 そう言って、再び窓から何かが飛び込んでくる。


 同時に、ガラリと教室のドアが開いた。


「どうも、コンばんは。(わたくし)、ツベット・ミナ・アニメックスと申します」


 シルクハットにタキシード姿の狐の怪人がご丁寧にお辞儀をする。


 もう片方は――。


「こ、校長……?」


 まさか、校長も怪人――いや、そんな筈はない。校長は味方の筈だ。


「やれやれ――騒々しいのは控えてほしいものなのだがな」


 校長はそう口を開くと、何故か俺を睨み――。


「拙金ロウ――君は退学だ」


 ――そして、そう告げた。


「……………………えっ?」


 冷水をぶっかけられたように、心身が冷えていくのを感じる。


 う、嘘だろ……?


「な、何でロウさんが退学になるんですか!?」

「そ、そうネ!おかしいアル!」


 小雪……と、何故かリーも混じって、校長に抗議する。


「ここは君達が小説を書く為に生み出した環境だ。彼が戦う為に生み出した環境ではない」

「で、でも、俺は皆の転載された小説を守ろうと……ッ!」


 俺もそう訴えると、


「フッ――知った事か」

「なっ!?」


 校長は無慈悲にもそう言った。


「何故、そんなたかが違法サイトに私が気を回さねばならん?一つ潰した所でイタチごっこに過ぎない。そんな暇があるのなら、小説でも書いていたらどうだね?」

「そうだ!いくらサイトを潰したって、もう漫画や小説の売り上げは増えねえのさ!みんな無料で音楽を聴くし、無料でエロ動画を見るし、もう出来上がったコンテンツにお金を払う時代じゃねえんだよォ!」

「テッメェ……」

「サイトのせいで売上が落ちたのか?ホントに落ちたのか?それはサイトのせいじゃなくて出版社の努力不足だよなァ!これからも今のままの売り方をするなら、もう漫画も小説も売れねえんだよォ!ヒャハハハハハハハ!」


 この野郎……!


「さて、『ショウ』君でしたか?日本政府は最近我々を嗅ぎまわっているようですが、おかしいと思いませんか?」

「……何がだ?」


 今度は何を言うつもりだと、狐男を睨む。


「かの『英雄X』や『兵士蛇』、何故彼らには何もしないのでしょうね?」

「おい、ちょっと待て、まさか!?」

「そう!彼らもそれを利用しているんですよねぇ!表向きでは正義を気取っていながら、結局は楽な方に逃げてしまう!それが人間なんですよ!」


 声高らかに狐男は告げた。


「どうなって、いるんだ?どうなっているんだよぉ!」

「ヒャハハハハ!」「フンッ!」「ホホホホホ……!」


 嘘、だ。そんなの嘘だ。


 だって、そんな事をしたら……文化はどうなる?コンテンツが無益だというのなら、そのまま廃れていくだけだ。


 そうしたら、終いには何も楽しむものが無くなる。


「諦めないでください!」

「……小雪?」


 小雪の声に、呆然と振り向く俺。


「そうネ!諦めちゃダメアル!ここには『ショウ』の一番のファンがいるアル!だから、諦めちゃダメネ!」

「……リー」


 そうだ。


 俺には、応援してくれる人がいるんだ。


 俺の書いた小説を読んでくれる人が!


 俺の書いた小説を大好きだって言ってくれる人がいるんだ!


「俺は諦めない!絶対にお前達を倒す!この《(リモ)(ータ)(ラー)》で!」

「なっ!?出力が上がっただと!?」

「だが、お前が小説を書く場所はもう無い」

「いいや、あるさ!アンタの言う違法サイトが、イタチごっこのように湧いて出るっていうなら!俺が小説を投稿する場所も無数にある!コンテンツは、発展していくんだ!」

「貴様……!」


 静観していた校長の顔が初めて歪んだ。


「ホホホ、貴方に私達を止められますか?貴方がやろうとしているのは世界を相手取る事と同じ事です。貴方に出来ますかねぇ?」

「あぁ、やってやるさ!俺が――俺達が!小説家なんだ!」


 俺は三体の怪人を相手に対峙する。


 




 さあ――俺達の戦いはこれからだ!

 ご愛読ありがとうございました!『ショウ』先生の次回作にご期待下さい!


















?「あ、『クソ小説』の四文字だけでも感想を書いてくれると嬉しいです、はい」

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