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狂気の姉とイマドキの妹  作者: けじゃ
調査編
12/13

恐喝

今頃説明回のような感じです。

 

 メイド達が居た部屋を出て、一階の階段前についたところでジルに向き合う。


「ジル、千嘉を体を任せるけどくれぐれも落としたりしないでね」


「はい、《イェテト》様の名に誓います」


「イェテトって?」


「私達獣人が崇める神様の名前です。人族や魔族の神はご存知ではないのですか?」


「その辺僕は異世界から来たから知らないんだ。その辺の知識や情報が欲しくて領主の館を襲ったからそっちで聞くよ」


 階段を登って三階へと足を踏み入れ、目的の中央の部屋の前に立ちもう一度【生命探知】をすると反応はやはりこの部屋の中に有った。

 恐らく鍵が掛かっていると当たりを付け、僕は扉を蹴飛ばして鍵ごと無理やり開いた。

 そこには部屋の中央奥にある執務机に顔面蒼白になりながら椅子に腰かける中年男性とその両隣に立つ執事らしき眼鏡をかけた20代くらいの男と女が居た。

 反応は4つのはず、一人足りない。


「ここには4人いたと思うんだけど、後一人はどこ?」


「しし知らない!私達の他にはこの部屋に誰もいないぞ!」


 姿を消す魔術でも使っているのだろうか。でも僕にはそれを見破る手段がわからないのでとりあえず放置で話を進める。


「まず確認。あなたはこの街の領主で間違いない?それと他の二人は誰?」


「わ私は王国建国時からこのグリの街を代々治めている領主のロベルタ=オスワールだ。この二人は私の執事とメイド長だ」


「はい、じゃぁ不要な二人はさようなら」


 左右の手爪を伸ばし二人の眉間を貫いて絶命したのを確認して床に転がす。

 そして領主の前に置いてある机を壁に吹き飛ばし領主に近寄った。

 すぐ目の前にいる領主の顔をみて、自分なりの笑顔を作る」


「じゃぁ余計な外野は処理したので僕と色々とお話しよっか」


 既に僕の強さは思い知ってるはずだけど嘘をつかれたりしないよう最初から体に痛みで情報を聞き出し始めた。


「まずこの世界のスキルって何?どんな物があるの?覚え方は?分類はどういう感じ?」


 最初は優しく(・・・)爪でお腹をツンツンしてみると滝のように話始めた。

 たしか痛みや恐怖で情報を聞き出す事を"尋問"というんだっけな。

 そう思いながらベラベラ話す領主の言葉を聞き始めた。


「はい!しゃべりますしゃべります!だから刺さないで!」

「えとですねスキルとは古の神が地上に住む生物に分け与えた神の力だと一説に言われています。大きく分けて、レジェンドスキル、ユニークスキル、普通のスキルがあります!

 レジェンドスキルは各国や種族の保管する古文書や教会本山所有の"魔本"のような古い文献にのみ書かれているスキルで現在それらを持っている者は確認できていない非常に珍しいスキルです。

 ユニークスキルはそれより珍しくはないですが、大体通常一人1個だけのようで同じスキルを他人が持つことができないスキルです。

 学者の中では魂の器に空きがあれば複数覚えられるという説もあります。

 そして普通のスキルは各ギルドや学院などで教本を読んだり、実際にそのスキルを持っている者から教えを受けたり、それを体で受けると覚えられます。

 それぞれの覚え方にはスキルによって人によって覚える速度に違いがありすし同じスキルでも鍛え方次第でスキルランクが上がって行きます。ちなみに魔法もスキルの分類に入ります。」


「なんだか会話と説明が同じ人が話してるとは思えない変わりっぷりなのはなんで?」


「実は私、過去に学院で講師をしていたこともあるのでついその調子で…」


「そうなの。じゃぁ次。魔法に種類はあるの?」


「教会の専売特許の聖魔法、獣人族が得意な自然魔法、魔族が作り出したと言われる元素魔法、人族が編み上げた召喚魔法と一般魔法の5種類あります」


「それぞれの違いは?」


「聖魔法は癒しや退魔といったような物が多く、自然魔法は植物や空気、地面に作用する魔法で元素魔法は火、水、風、土、闇の5種を扱います。召喚魔法はすでに失われた魔法ですが一般魔法は様々な用途、例えば火おこし、洗浄、虫よけなどの便利魔法になります」


「人が作った魔法が一番チープな気がしてきたよ。例えば、人族はほかの種族の魔法は使えないの?」


「起源がその種族というだけで今ではすべての種族がそれぞれ使える物だと思われます」


「それじゃぁ次、この世界の地理を教えて」


「で、では。この世界は全て一つの大陸で構成されており、北は魔族、南は人族、東と西に獣人族が住む地域になってます。あ、実際の地図が机の中にあるので拾ってきます!」


 僕が吹き飛ばしてバラバラになった机から一枚の紙を取り出してきた。


「これです!このような感じになっておりまして、この街は人族の最南端の街になります。大陸の中央はとてつもなく標高の高い山々があり魔族や獣人族でも超えることが不可能と言われてましてこの山々を絶対不踏破山脈、通称ゼフ山脈と呼ばれております。魔族地域の事はわからない事ばかりですが、東の獣人族地域との間にはロブ湿地、西の獣人族地域との間にはロング砂漠があります。両方とも簡単に超えられない難所と呼ばれております」


「人族の地域にはいくつ国があるの?」


「国は4つありまして、二番目に古いわれらがドニール王国、一番古い聖アンソ教国、一番新しく血の気が多いテイトリア帝国、そして噂では魔族とつながりがあると言われるジューゼルハッハ合衆国になります」


「1年は何日?」


「1年は3つの歴と12の月、12の日でできており、1年を日に直すと432日になります。3つの歴とは魔のジマーシャ、獣のイェテト、人のシノクルの順で巡ります。この順番は残存する限りの文献でそうなっておりました」


「じゃぁ最後の質問。魔法を教えてくれる場所や人で知ってる限りで最高の相手や場所は?」


「師事ですか…それですと魔族というのが定番ですが人族の間だけで言うなら、テイトリア帝国に大予算をつぎ込まれた魔法学院があるとの話なのでそこなのではないでしょうか」


「あ、一つ忘れてたや。ギルドって何?」


「ギルドとはいうなれば共同体です。ただし人族の地域の街のみあります。種類は傭兵、魔法、商人、農業、暗殺の5種類ですね、参加するのもやめるのも自由で、それぞれにメリット・デメリットがあります。それに貢献度合いで特典もあります。あとどれかに参加していれば身分証が供与されそれがどこでも通用するので便利です」


「はい、あらかた聞けたのでもう大丈夫。ご苦労さま」


「ででは、私を助けてくれますか?」


 んーどうしよう。そうだ!色んなもの持ってそうだし恐喝してみるとしよう。


「それには条件を付けるからそれをかなえてくれたら助けてあげる。

 お金と珍しい物頂戴。例えば魔器とかスキル覚えられる本とか。

 あと荷物たくさんだと困るから何かいい方法知らない?」


「わかりましたわかりました。隣の私の個人部屋にいろいろ置いてるので好きなだけ持って行ってください!あとこれでも領主なので見た目以上に物がはいる不思議な鞄でしたら差し上げられますのでそちらでいかがでしょう」


「取引成立したって事で、案内して頂戴。そしたら出ていくから」


 こうして僕は異世界の情報を手に入れ、必要物資をもらうことができた。

ご覧いただきありがとうございましたです。

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