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狂気の姉とイマドキの妹  作者: けじゃ
序章
1/13

序章-01 始まり

初投稿になります。

皆さまよろしくお願いします。

 


「はぁ…はぁ…はぁ…」


 赤。赤。赤。

 それは一面に広がる夥しい血。

 先程まで動いていたはずの彼らはもはや肉塊としか言い得ないモノへと変わり果てていた。

 その中で少女が全身に血を浴びた格好で立っており、目と口元には狂気の色がはっきりと浮かんでいた。


「…ふっ。…うふふふっ。…アハハハハハ!ざまぁみろ!いい気味だ!全部お前らが悪いんだ!でもまだだ!まだ足りない!兄さんを殺した奴らの世界なんて滅ぼしてやる!」



 ーーこの日、一つの開拓民の村と一つの王国騎士団が滅びた。




 ◾️◾️◾️



 僕は舞谷(まいたに) 智子(さとこ)14才。

 兄の圭輔(けいすけ)と妹の千嘉(ちか)。それに父さんと母さんの五人家族だ。

 一人称が僕なのはこれが楽なんだ。


 今日は5月12日。しかも日曜日。で、普通なら友達とかと遊びに行くんだろうけど、僕は行かない。

 だって家族以外と話すのは苦手だし、仲の良い子もいない。

 外でも話せるのは兄でもあり同級生の兄さんだけ。

 何故同級生かと一応説明すると、兄は四月生まれで僕は三月生まれなんだ。

 兄さんはとても優しく家の中でも外でも僕の事を気にかけてくれてるし、面倒を見ようとしてくれてる。

 でもそろそろ買い物ぐらい一人で行けるんだけどなぁ。だけどその気持ちはとても気持ちのいい感じがして嬉しいから文句は言わない。しかし兄さんと一緒に買い物している所を学校の女の子達に見られると必ず次の日に嫌味なのかよくわからない文句を言われるんだよね。僕は学校に兄さん以外いても居なくても同じだから気にならないけどさ。全く、集まってないと他人に文句も言えないような有象無象が兄さんに近づこうなんておこがましいんだよ。

兄さんは僕だけの兄さんだ。それは誰にも千嘉にも譲るつもりはない。


 階段を誰かが降りてくる音で意識が現実に戻ってくる。


「智子、おはよう。」


「兄さん、おはよう。今日は起きるの遅いね。また夜遅くまで勉強してたの?」

「ああ、この前の試験はあと二点あれば三位だったのが悔しくてさ。」

  「別にそれだけ頭がよければ充分だと思うけどなぁ。僕なんて真ん中より少し下の方だよ?」

「点数が高いほど進路に困らないからやるんだ。智子ももう少し勉強しろよ、教えるぞ?」

「家なら大丈夫だけど、部活でなかなか時間取れないし、学校だと他の女の子の視線が痛いから嫌だなぁ。」


 心の中では気にもしてない事を呟きながら兄さんのやさしさを感じながら朝の会話をしていく。あぁ、会話の中身はさておき寝起きの兄さんとまるで新婚の夫婦みたいな感じで会話をするのは満たされる。兄さんの優しさ声が僕の心を満たしていく。


 そう。兄さんはとてもモテる。頭がすごく良いし、顔も可愛くて人付き合いもいい。清潔感と知性と人の良さが絶妙にブレンドされていて同性にすら好かれているはずだ。顔は僕もそれなりだけど、性格は僕は正反対なんだけど兄さんの性格はまさにザ良い人って感じ。僕は口が悪いって評判だから、更に差が目立つ。

 今は受験勉強もあるから告白とかされてないみたいだけど、一年生の頃から何回も告白されたり、下駄箱に入ってるラブレターの量が凄かった。僕が先に登校した時は処理したりした。無謀にも僕に兄さんを紹介してって何回も言われた事もあるけど、全部断った。だって兄さんは僕の物。

 誰かと付き合うなんて僕が許さないし、兄さんを独占できるのは妹の僕の特権である。反論は許さない。


「まぁ、やる気になったら聞きにこいよ。というかもう昼か。腹減ったし何食べるかな。」

「さっき父さんと母さんがお昼はハンバーガー屋に食べに行くって言ってたよ。千嘉が玩具欲しいってさ。僕はもう着替え済みだよ。みてみてこのワンピース、この前母さんと駅ビルで買ってきたんだ。似合う?」

「あぁ、とても似合ってるよ智子。小麦色の肌とそのワンピースの色の差でお前がずっと魅力的にみえるよ。」

「やだ兄さん。魅力的だなんて本気にしちゃうよ。妹を口説くなんていやらしい兄さんね。」

「魅力的なのは間違いないさ。口説いてはいないけどね。」

「僕は兄さんならいつでもウェルカムだよ?」

「はいはい。」


 ちなみにハンバーガー屋はMのマークのチェーン店だ。僕はどちらかというと地下鉄みたいな名前のチェーン店が好きなんだけども。


「よしじゃぁ俺は着替えて準備してくる。千嘉と父さん母さんは?」

「もうとっくに起きてるよ。父さんは書斎でパソコンしてたよ。母さんと千嘉は地下室でダンスだと思う。新作アップしなきゃ!とか言ってたし。」

「はは。母さんも飽きないな。俺は踊るの苦手だけど、智子はやらないのか?」

「この歳でゆーのちゅーぶとかムリ。あれは小学校で卒業だよ?あとは千嘉に任せた。沢山稼いでもらおう(笑」


 そう、僕は小さい時から母さんの趣味でネットのゆーのちゅーぶで踊ってみたシリーズの動画を撮ったり、父さんの会社の玩具で遊んでるところを動画にしたりする母さんの趣味で遊ばれてた。まぁ当時はそんな動画をアップしてたなんて知らなかったけど。それを知った時には恥ずかしくてもうやらない!って怒っちゃった。

 それをネタに小学校の男子にからかわれたりしたのが凄く嫌で家に帰ってから母さんに猛抗議して、もう僕はやらない事になった。母さんはその事で落ち込んでたみたいだけど、千嘉がそっちに興味持ってくれたおかげで僕は解放されたからよかったよかった。この年齢であれをやるのは恥ゲージがマッハで上がっていく。


「圭輔起きたか。おい智子、静と千嘉を呼んでこい。圭輔も早く着替えろよ。」

「父さんおはよう。今着替えてくるよ。」

「はーい、すぐ呼んでくるね。」


 母さんの仕事はダンススクール講師。その練習とかの都合で自宅にもスタジオがあればって事で地下室はダンススタジオになっている。どうやらこの家を建てたり、地下室をスタジオにしたりとなかなかな贅沢が出来るのはゆーちゅーぶ収入のおかげだとかなんとか。

 それを考えるとまぁあの頃の僕にとっての羞恥プレイも無駄ではなかったらしい。


「母さん、父さんがもう出るってさ。」

「あらやだ!もうそんな時間?支度何もできてないわー急がなきゃ!千嘉もすぐ支度してね!智子!手伝ってあげて!」


 相変わらず没頭すると周りが見えないというか時間がわからなくなるというか。流石は天然。自分の母さんなのにちょっとイラっとしてくる。うん、チョットだけ。どうせ怒っても次の日には綺麗サッパリ忘れてるだろうし。


「おねえちゃん!おはよー!ちかねぇ、あたらしいおどりやったんだよ!おててぶらぶらさせたりおっぱーいぼいーんってやるやつ!こんどままにみせてもらってね!」

「そっかー、それは楽しみだねぇ。よし、千嘉、おいで。汗流してから着替えようよ。お昼ご飯はハンバーガー食べに行くんだって。幸せセットで玩具貰うんでしょ?」

「うん!!こんかいのおもちゃはひげのおじさんのとんでいくおもちゃなの!あとあかいおじさんでそろうの!だからいくいくー!」

「はいはい、じゃ早くしましようねー。」



 ◾️◾️◾️

ご覧いただきありがとうございましたです。

4/15 早速色々変更、継ぎ足ししました。

4/16 一部書き直し

4/18 末尾や表現、兄の名前も変更

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