鉄拳制裁
「ちょ…待って…グハ…」
「…………」
俺は泊まっている宿屋に転移するなりすぐに師匠に無言で殴りかかる。
「まっ…ちょ本当に本当に待って…死ぬこのまま確実に死んじゃう!」
「クズが…」
一瞬手を止めそう呟くと俺はまた拳を振り上げる。
「わかった、一回話し合いしよう殴るのはその後でも遅くない!」
師匠はそう言って片方しかない腕を必死前に突き出しながらお願いしてくる。
「まぁそうですね。まぁ俺も殴るだけじゃ満足出来ないですし、事情を話して満足するまで師匠に魔法を打たせてもらいましょうかね。」
「死んじゃうよ…師匠死んじゃうよ?」
「俺の師匠はそんなに柔じゃないですよ」
俺がそう言うと師匠はガクッと肩を落とす。
「いったんその話しは置いといて、なんで師匠である俺が殴られなければならんのだ?」
「師匠今日俺は、冒険者ギルドに行って冒険者カードを作ってきました。」
床に転がっていた師匠は狭い部屋にある二つのベットのひとつに腰をかけた。
「よくカード作る金持ってたな」
「まぁ師匠に黙ってこっそりちょっとずつ貯めてたんですよ。それで今日初めて魔物の買い取りに行ったんですけど、師匠ここまで言ってもわかりませんか?」
師匠が腰かけていたベットから真剣な顔で立ち上がった。
「…………テヘッ」
「しねやぁぁあ!」
舌をペロっと出した師匠に向かって全力のアッパーを放つが、それを予想していた師匠はサッと避ける。
「わかった、言い訳はしないただ師匠の話しを聞いてくれ確かに小さいお前を拾ってから倒した魔物の買い取りはピンハネしていた。だが俺は今その全てを上回る程の儲け話を持っている!」
片方しかない腕を腰にあて胸を張る師匠に疑惑の目を向けながら儲け話と言われとりあえず聞こうと思いベットに腰をおろす。
「師匠…そう言えば俺と師匠のこの黒髪で黒い瞳てめずらしいって言ってましたよね…もしその儲け話が嘘なようだったらその髪と目くり抜いて売りさばくからな!」
「我が弟子ながら本当にしそうで恐ろしい…だが!今回は嘘じゃない!ジャーン」
そう言って師匠はアイテムボックスから一枚の封筒を差し出す。
「なんですかそれは…?」
「この俺たちが今いるこの国をまとめている女王様からじきじきの招待状なのだ!」
「ハァ!?」
驚いて師匠が掲げている封筒を奪い見てみると、そこにはキリガヤ ハヤトと師匠の名前と王家の紋章が記載されていた。
「そう内容は女王様じきじきに仕事の依頼をしたいってことでな、内容は行って聞く事になるがこの国はこの世界で一番の大国だ!ってことは報酬の金だって期待出来る!なっ悪い話しじゃないだろ」
「まぁ確かにそうですけど、なんで師匠は女王様からこんな個人的な依頼が来るんですか?」
「だから俺は異世界人で昔世界を救ったって話ししたろ?女王と面識あったっておかしくないだろ?」
そう言われるとその封筒もいっきに嘘くさくなる。
「師匠、王家の紋章は勝手に使うといけないんですよ…どうあがいても打ち首です…師匠その封筒もって自首しましょう師匠の最後きちんと見届けますから」
「嘘じゃないから!てゆうかちゃっかり殺そうとするなよ!じゃあもういい今から王城にいくぞ」
「え!?今からですか?何も準備してないってゆうか…」
師匠と自分の服装を見直す全身真っ黒の服装に真っ黒のローブ、師匠の話しが本当だとしてもこんな格好で行くのはまずいだろう。
「せめて服だけでも変えなくていいんですか?」
「大丈夫!……たぶん」
「ちょ…」
俺がなにか言う前に師匠に無理やり一緒に転移されてしまった。
師匠と弟子の関係なので似たような言葉使いにしたかったんですが、なかなか難しいです。
読みにくいとこなどあったらご指摘下さい。