師匠のピンハネ
出来る限り更新ペース維持していきたいと思います。
でも書きたいことがなかなか文字に出来ず苦戦中です。長い目で応援よろしくお願いします。
「ちょっと!あんたなによこれ!?」
「なにもオークですけど?」
自分でエースとか言いながらオークも知らないのかと、眉間にしわをよせながら首をかしげる。
「そんなことじゃないわよ!数!!数の話してるの」
「数?少ないですか?でもあんまり俺お金使わないし50体いれば今日はギリギリなんとかなるかなって」
そういうと二人はまたあんぐり口を開けて固まっている。
ってか固まってる場合じゃないんですけど。
「すみません、ちょっと急いでるんで早めに買取お願いしていいですか?」
「お…おう」
やっと動き始めた職員は奥から数人呼び出してオークを運び始めた。
「買取って初めて来たけどどのくらい時間かかるんだろう?」
そうつぶやくとプシラと名乗っていた女も動き始めた。
「ふふ!そんなことも知らないのね、いいわ教えてあげる!じゃなっかた、あのオークはどうしたのよ」
いちいち騒がしいなと思いながら答える。
「どうしたも何も今日は今から用事があるからわざわざ早く起きて狩って来たんだよ」
「朝!?今日!?いやいや何言ってんのよ」
いちいち叫ばないと会話もできないのかこいつはと思いついついまた溜息をつきそうになる。
(危ない危ない溜息なんてしたらもっと騒がしくなるに決まってる)
そう俺は学習出来るのだと自分を自分で納得させる。
「それより、買取はどれくらいかかるんだよ」
「あんたさっきから新人の癖に言葉遣いが………」
また文句でも言われると思ったがオークを見つめながら黙り込んでしまいまた首を傾げる。
「そ、そうねオークは大体買取金額は決まっているから、状態を確認するだけの作業だからすぐ終わると思うわよ」
そう言われると同時にさっきの職員が近づいてきた。
「またせたな、全部状態は一級品だったぜ、買取金額は全部で500万リールってとこだな」
「ええええぇええ!!」
今度は、俺の声がギルド内に響き渡る。
「いや、確かに少し安いかもしれねぇが今日はこれぐらいしかだせねぇんだよ納得してくれ」
「いやいや、え安い?そんなバカなくれるって言うならもらいますけど、いいんですか?」
二人は意味が分からないような顔をしている。というより意味がわからないのはこっちだよ、ホントにこんなに貰っていいの。
「まぁ買取に納得してくれるならこっちとしては問題ないんだが」
「むしろ、あんた今までオークいくらで売ってきてたのよ」
この二人の表情の豊かさは分かったが、この女に呆れた顔されるのはなんか納得いかない。
「いくらも何も、今まで俺ギルドカード持ってなかったら師匠が売ってたし、師匠が売った時はオーク1体で大体100リールぐらいだったから今日も5000リールくらいかなと………」
そう言うと何度目か分からないがまた二人が固まってしまった。
「いやいやそれわありえないわよあんた!オークは食用にも使われるし丸焦げで買い取って貰っても1体5万リールはするわよ」
職員も後ろでぶんぶんと首を縦に振っている。
「ははそれじゃあ浮いたお金は師匠がもってるとでも?そんな訳………」
そう言いながら自分の師匠の行動を不意に思い出してしまい、今度は俺が固まる。
「どうしたのよ…」
急に固まった俺を不審に思ったのか不安げに声をかけてくる。
「奴なら……やりかねん。あのくそやろぉおお!」
そう叫ぶといつの間にか用意していてくれた500万リールを無造作に掴み、転移の魔法を発動させる。
すべて吐き出させないとなあのクソ野郎には!
そう心に決め転移を発動させ、残された二人は急に消えた後だけを見つめ
「「ええええええええ!!!」」
と叫ぶしかなかった。