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プロローグ 2




奏太達が逃げ出す頃、他の国でも同じことが起こっていた…

いきなり、人が現れたのだ

抵抗など、すぐにできるはずもない

捕まった者には、等しく死が与えられ、

現地の人々はただ殺されていくしかなかった

それはまさに地獄絵図だった

そして、建物は、傷つけられ、潰され、燃やされ、破壊し尽くされた。



だが、奏太達は、そんなことなど、知る由もなく、必要もない

ただ、必死に学校へと走っていた

少しばかりの希望を賭けて…




奏太が、ちらりと後ろを振り返ると、自分の家が燃えていた


「なっ!」


思わず足が、止まりかけた


「諦めろ奏太!もう無理だ!」


「おにいちゃん!走って!お願い!!」


そこへ、優と妹の声がかかる


「くそったれがぁあ!」


16年間もあの家で過ごしてきた

家族との思い出が、そこにはつまっているのだ


それが今日、たった一人の異世界人の生み出した火の魔法で、奏太の家は、崩れ去っていった


だが、足を止めることはできない、許されない

悔しくても、何もできない

それどころか、足を止めてしまったら、

多分自分達は殺されるだろう

奏太達はそう理解していた

生きるためには、走るしかなかった…




死に物狂いで走り、駆けていく奏太達

そして、やっと学校へたどり着けた…

そう思っていた

だが、学校は少しは安心できるだけであって、安全ではない


奏太達の希望は、

早くも消え去ることになる



場所は変わり、光の柱の近く

魔法の詠唱をし終えた、エルフ・魔法部隊がつぶやいた


「「「暴虐の雷雨(サンダーレイン)」」」


空に黒雲が、瞬く間に広がった

そして、目が潰れるかと思うほどの光、

鼓膜が破れさるかと思うほどの音が、

軽く万を超えているだろう

雷とともに、地上へと降り注いだ


後に、それを見たある者はその光景を、雷神の怒りと例えた

またある者は、言葉では表せないと語った


それほどまでの圧倒的な暴力だった


そして、数多の雷が

奏太達の目の前にも落ちた


それは、学校だった

魔法のせいか、避雷針は発動しない


電気系統は全て止まってしまったのか、電気が消えていく


そして同時に赤に染まっていった

燃える、燃えて、燃えていく

逃げ惑う声が、叫びが聞こえてきたが

奏太達は茫然とその様子を眺めていた




そこへ、背後から聞こえてくる足音がした


それはまるで、死刑宣告をしに来た死神か

はたまた死刑執行をする死神か


急速的に意識が覚醒し、止まったような思考が、再稼動する

頭に冷水をぶっかけられた気分だ


死神が口を開いた


「ねぇねぇ、命のかかった鬼ごっこ(デスゲーム)をしようよ。僕が鬼で、君らが逃げ。僕が勇者で、君らがモンスター。十秒間だけ待ってあげるからね♪」


振り返ると、

そこには、

狂った笑みを浮かべて、ニコニコしている異世界人がいた


「じゃっ、いっくよ〜〜 「「「う、うゔ」」」じゅ〜う、きゅ〜う、は〜ち「「「ヴァあああああ」」」な〜な……


一方的に話を進めていく異世界人

後ずさりする奏太達

そして、とにかく目の前の異世界人から、離れようと転びそうになりながらも、走る、走る


まだ、死にたくない、と




奏太達は、路地裏へ逃げ込んで行く


……ぜろっ。さあて、鬼ごっこ、開始〜」


そして、悪夢のカウントが、終了した


「待ってってね〜何処へ隠れてても〜、何処へ行っても〜、この僕が見つけて捕まえちゃうぞ〜。あは、あはは、ああはははははは」


狂っている異世界人は、まるで鼻歌を歌うように、そして少しずつ歩き出し…走り出した


その顔には、相変わらず、狂った笑みが浮かんでいた…


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