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415 残ったこと
一週間後。リーナは全ての視察を終えた。
発見された問題は驚くほど多かった。
それは屋敷で働いている人々が仕事をしていなかったということではない。
日々の仕事においては何も問題もなかったが、大きな催事をすることや招待客を呼ぶとことを想定した場合を考えると適合しない。不十分ということだった。
模様替えについても同じ。
レーベルオード伯爵家が住むと言う意味では問題がない。
だが、招待客に好印象を与えるかどうかで考えると別だった。
ウォータール・ハウスで働く人々は、レーベルオード伯爵家に仕える者としてのプライドをかけ、指摘された問題点を全て改善することを誓った。
そして、屋敷のことで何かあると、リーナの意見を聞くようになった。
それはウォータール・ハウスで働く人々がリーナをレーベルオード伯爵家の一員であることを完全に認め、心から敬っている証拠だった。





