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後宮は有料です! 【書籍化】  作者: 美雪
第五章 レーベルオード編

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411 勉強あれこれ



 食後のお茶が出てくると、リーナは頃合いだと思った。


「お兄様、食事のあとで報告書を見てくれませんか? お父様に提出するために不備がないか確認してほしいですし、いくつか相談があります」

「わかっているよ。じゃあ、行こうか」

「待て」


 席を立ったパスカルとリーナは呼び止められた。


「リーナに追加で仕事を任せる」


 パスカルの表情が険しくなった。


「父上、リーナに仕事を任せ過ぎないでください。負担になってしまいます」

「視察のついでにできることだ。これから西館や東館も見て回る。閉鎖や取り壊しについて意見を聞きたい」

「なるほど。リーナがどう思うかを参考にされたいわけですね」

「わかりました。視察する時に留意しておきます」

「じゃあ、行こうか」


 パスカルはリーナに手を差し出した。


「お兄様、ずっと気になっていたのですが、エスコートは必要なのでしょうか?」


 侍女長のアデリアに確認したところ、貴族において男性が女性をエスコートするのはよくあることだが、屋敷内において常にすることではないようだった。


「リーナは男性にエスコートされた経験が少ない。だから、僕が屋敷内でもエスコートしている。一緒に歩く勉強だよ」

「勉強だったのですね!」

「エスコートの仕方については基本がある。でも、相手や状況によって違うから、自然に対応できるよう経験を積まないとね」


 妹と一緒にいることを実感したいだけではないのか?


 父親は息子の説明を詭弁だと感じた。


 すると、


「では、エスコートを断る時にどうすればいいかも教えてください!」


 より多くのことを勉強していきたいとリーナは思った。


「……そうだね。そういうことも勉強しないとだね」


 パスカルは微笑んだが、不意をつかれたせいでぎこちなかった。


「あとで教えるよ。でも、僕のエスコートは断らなくていいからね」


 パスカルは自分からリーナの手を取り、エスコートして食堂を出て行った。


 食堂に残った父親は笑いたい気分だったが、威厳を保つために抑え込むよう努めた。


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