表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後宮は有料です! 【書籍化】  作者: 美雪
第五章 レーベルオード編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

382/1360

382 回答評価



「大変申し訳ありません。私からお話するわけにはいきません」


 リーナの素性はミレニアス王家の内情に関係している。


 ミレニアス王がインヴァネス大公夫妻の娘リリーナとして認めないと判断したからには、その可能性があるとは言えない。


 このことは国家機密であり、外交機密でもある。


 王族妃からの問いかけであっても、パスカルが答えるわけにはいかなかった。


「養女の件は国王陛下の許可によって手続きが行われました。詳細については国王陛下にご確認ください」

「エゼルバードと同じね」


 それはパスカルの対応が適切であるということ。


 第一側妃は不満そうな表情をエゼルバードに向けた。


「どうして教えてくれないの? 余計に気になってしまうわ!」

「わかります。ですが、仕方がないのです。父上が決めたことなので」


 エゼルバードが答えた。


「母上のせいで茶会の雰囲気が悪くなるのは困ります。別の話題にしてください」

「リーナ、何か別の話題を考えて」


 第一側妃がリーナに命令するかのように言った。


「いい加減にしろ!」


 セイフリードが怒りを表情に宿した。


「先ほど養女になったばかりだという話が出ただろう? リーナは僕付きの侍女だ! 命令するのは許さない! リーナの揚げ足を取ることで僕に嫌がらせをする気か? もしそうなら兄上に報告するからな!」

「リーナに声をかけただけでそこまで怒るなんて。勝手に悪く思われるのは嫌だわ」


 第一側妃は息子のエゼルバードに視線を変えた。


「母上の言う通りです。発言するのであれば冷静に。王妃の茶会ですよ? マナーが大切です」

「第一側妃のせいだ! 僕付きの侍女を勝手に利用しようとしたのが悪い!」

「仲間外れにしないための配慮なのに」


 第一側妃はため息をついた。


「母上は優しいですからね。セイフリードにはそれがわからないのです。仕方がありません」

「僕のせいにするな!」


 茶会の雰囲気がまたしても悪くなってしまった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★書籍版、発売中!★
★QRコードの特典あり★

後宮は有料です!公式ページ
▲書籍版の公式ページはこちら▲

ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ