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後宮は有料です! 【書籍化】  作者: 美雪
第三章 ミレニアス編

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317/1362

317 インヴァネス大公の過去(一)



 ミレニアスの第三王子フェイリアルには許嫁がいた。


 ミレニアス王族は必ず政略結婚をする。


 しかし、フェイリアルは許嫁と結婚したくなかった。


 どうしても許嫁を正妃に迎えなければならないのであれば、愛する女性を側妃に迎える。


 王族が一夫多妻制なのはそのためだと考えていた。





 フェイリアルは成人すると勅命によって父王が決めた女性と政略婚姻した。


 フェイリアルにはインヴァネス大公位とインヴァネス大公領が与えられた。


 広大な領地を治めるのは大変で、成人したばかりではいかに優秀な王子でも難しい。


 年上の正妃は賢いと評判の女性だったため、二人で力を合わせて領地を治めればいいだろうと父王は考えていた。


 インヴァネス大公領は広いだけの田舎領だったが、ミレニアス王家が所有するウェイゼリック城がある。


 これまでは王族や裕福な貴族だけが避暑地として楽しむ場所だったが、裕福な平民や隣国エルグラードからも観光客が訪れるようにしたいとフェイリアルは考えた。


 正妃はフェイリアルの案に反対。森の木を伐って売ればいいだけだと主張した。


 フェイリアルと正妃はことごとく意見が対立した。


 フェイリアルは王宮暮らしにも正妃との喧嘩にも嫌気がさし、一人でインヴァネス大公領に行くことにした。


 そして、領地の運営体制を改革、観光業の育成に取り組んだ。


 その結果、インヴァネス大公領の領都ウェイゼリックは雄大な自然の中で湖遊びや狩猟を楽しめる保養地として有名になり、多くの観光客でにぎわうようになった。


 インヴァネス大公領の領地運営で大成功したフェイリアルの実力は高く評価された。





 観光地化を推進するための開発や人口増加の影響で、ウェイゼリック湖の水質が年々落ちているという報告を聞き、フェイリアルは自ら湖に足を運ぶことにした。


 そして、湖のほとりで一人の女性と出会う。


 リリアーナ・ヴァーンズワース。


 元レーベルオード伯爵夫人だった。


 フェイリアルはインヴァネス大公であることを隠すために偽名を使い、偶然を装ってリリアーナと会うようになった。


 フェイリアルはリリアーナに惹かれ、妻にしたくなった。


 リリアーナもまたフェイリアルを信頼するようになり、自分の過去を打ち明けた。


 リリアーナの実家であるヴァーンズワース伯爵家は両親のせいで巨額の負債を抱えており、それを救済できる相手との政略結婚が必要だった。


 その結果、隣の領地であるレーベルオード伯爵家の跡継ぎパトリックと婚姻することになった。


 リリアーナは結婚して跡継ぎにある息子を産んだ。


 しかし、夫婦関係がうまくいかなかったために離婚したという内容だった。


 フェイリアルはリリアーナを守りたかった。


 父王にリリアーナと結婚したいことを話したが、許可が出なかった。


 なぜなら、リリアーナは貴族とはいえ他国人。離婚歴まであった。


 それでもフェイリアルはリリアーナを諦めきれず、インヴァネス大公領の領主権限を活用し、偽りの素性のままリリアーナと結婚することにした。


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