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後宮は有料です! 【書籍化】  作者: 美雪
第三章 ミレニアス編

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302/1360

302 政略結婚の肯定



 部屋が静まり返った。


 ようやく発せられたアルヴァレスト大公の言葉は、先ほどとは全く違う口調だった。


「クルヴェリオン王太子、全く別の話をしたいのだが、良いか?」

「別の話?」


 クオンは怪訝そうな表情をアルヴァレスト大公に向けた。


「クルヴェリオン王太子は妻を一人だけでいいと考えているそうだな? かつての私も同じ考えだった」


 ミレニアスは国としての婚姻は一夫一妻制になっているが、王族男子は王族法の規定によって一夫多妻になっている。


 これは王家の血筋絶えさせないためで、エルグラード王家と同じルールだった。


 アルヴァレスト大公は父王の勅命により、リーゼルの王女と政略結婚した。


 ミレニアスは身分や血統を重視しており、民族や文化においてかなりの違いがあるリーゼルを異国として軽視する風潮が強い。


 アルヴァレスト大公は妻をリーゼルの王女だけにすることで大切にしていることを示し、軽視されないように守ろうと思った。


 だが、リーゼル王女の考えは違っており、ミレニアス人の側妃を多く持つよう薦めた。


 子どもを多くほしかったこともあり、アルヴァレスト大公は正妃であるリーゼル王女の薦める女性を側妃にし、次々と子どもを作った。


 結果として、アルヴァレスト大公は次代を受け継ぐ子どもたち、妻たちの実家であるリーゼル王国やミレニアスの有力な貴族たちを味方につけることができた。


 そのおかげで、宰相位を剥奪されたあとも、アルヴァレスト大公家の勢力は衰えていない。


 中央の政治から追い出されても、地方政治やリーゼルとの外交においてかなりの力と影響力を保持していることが説明された。


「我は一人の妻という考えを覆した。だが、そのおかげで我を支えてくれる女性たち、子どもたち、臣下たちに恵まれた。クルヴェリオン王太子も一夫多妻制を活用すべきだ。そうすれば、国益と幸せの両方を手に入れることができる」


 結局は政略結婚の肯定か。


 クオンは苦々しい気持ちを感じずにはいられなかった。


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