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後宮は有料です! 【書籍化】  作者: 美雪
第三章 ミレニアス編

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210/1359

210 午後の調査(一)



 セイフリードとの昼食時間は非常に早く終わった。


 午後の調査が始まるまでには時間がある。


 そこで午前中の調査がどのようなものだったかをリーナがセイフリードに報告し、メイベルが内容を書き留めておくことになった。


「ミレニアスが調査に消極的であることは想定内だ」


 リーナの説明が終わると、セイフリードはいつも通りの冷静な口調で言った。


「お前の素性調査は個人の問題だけではない。インヴァネス大公家とミレニアス王家、そしてエルグラード王家とレーベルオード伯爵家を巻き込む重大事項だ。簡単に判断できるわけがない。調査の結果も重要だが、そのあとでどのような交渉をするかの方がより重要だ」

「そうなのですね」

「どのような結果が出ても、兄上がいる。お前は幸運だ」


 その通りだとリーナは思った。


「とても心強いです」


 リーナは右手を見つめた。


 クオンにもらった指輪が美しく輝いている。


 リーナは指輪の力を確かめるように手を添えた。


 クオン様……。


 そう思った時だった。


 突然ドアが開く。


 部屋へ入った来たのはクオンだった。


「午後の調査が始まる。移動する」

「はい」


 リーナは嬉しそうに答えると、クオンの側へ行った。


「どうした? 何か良いことでもあったのか?」


 午前中の調査は散々だったとクオンは感じていただけに、リーナの明るい表情を見てほっとした。


「クオン様のことを考えていたのです。丁度来てくださったので嬉しくなりました」

「私のことを考えていたのか?」


 意外だと感じたクオンは驚いた。


「守りの指輪を見ていたのです」


 クオンはリーナの右手を見つめた。


「そうか。少しは元気が出たか?」

「出ました! 午後の調査も頑張ります!」


 クオンは優しく微笑むとリーナの手を取った。


「行くぞ」

「はい!」


 手をつないで部屋を出ていく二人。


「恐らく無自覚だ」

「恐らくそうではないかと」


 セイフリードとメイベルは呟いた。


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