20 追加場所
リーナはこれまでと同じような場所だと思っていたが、新しく追加された控えの間はずっと広かった。
「……広いです。二倍以上ありそうです」
控えの間に付属しているトイレも広かった。
「ここは会議に使用されることもあるので、トイレも使用頻度が高いでしょう。備品の交換も早く、タオルもよく紛失します。備品管理の重要度が増すでしょう」
「はい」
「二階全体がよく使用されるので、トイレもこまめに掃除します。清潔さを保つようにすることで、後宮内の掃除が行き届いていると証明しなければなりません」
「はい」
「トイレの巡回書類には評価という項目があります」
五段階評価で、綺麗な状態であれば五をつける。
使用されているほど評価は下がり、二までは評価をつけるだけでいい。
だが、一の場合は清掃部に報告して掃除の指示を出して貰う。
「このように記入します」
メリーネは赤の控えの間と書かれた行を探し、書類の評価の部分に一と記入した。
「備品についても確認します」
メリーネが戸棚を開けると備品があった。
トイレットペーパーもタオルも数が少ない。
「またタオルが紛失していますね」
「使用されているからではないでしょうか?」
「これだけ備品のタオルが少なければ、使用済みのタオルがもっと多いはずです。クリーニングに出したということであれば、そのあとで補充されるのでもっとあるはずです」
「なるほど!」
さすが清掃部長だとリーナは思った。
「手を拭いたあとのタオルは、手洗い場の下にある箱にいれるのは知っていますね?」
「はい」
「ですが、それがわからない者やハンカチがない者は持っていってしまうことがあります」
タオルの数をチェックしているが、月単位で総数が減っている。
誰かが持ち去っているのは明らかだった。
「外部の者が持って行くのは仕方がないと思われています。ですが、それを見た内部の者が無料でタオルを貰えると勘違いしている場合があります。そのような者がいたら返却するように言いなさい」
「はい」
「書類には巡回時の評価や備品数を数えて記入します。早速数えなさい」
「はい」
リーナがタオルやトイレットペーパーの数を数え、メリーネが書類に記入した。
「報告という欄があります。これは掃除や備品不足を報告した時に記入します」
誰に報告したのかを書く欄で、侍女であれば侍女と書く。侍女見習いなら侍女見習いと書けばいい。
「一の数字でここが無記入なのは、誰にも報告していないということです。不手際になります」
「はい」
「清掃部の通常勤務は九時から十六時までになるので、その間に報告しなさい。でなければ、命令や指示が出せません」
掃除部の通常勤務は七時から十七時までになっているため、清掃部よりも長い。
十六時から十七時の間に臨時清掃が必要だと思った場合は掃除部長に伝える。
他にも細々とした説明を聞きながら、リーナは新しい仕事について教わった。





